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映画違国日記ほぼベタ褒め感想

映画違国日記みてきました。
ここからひと段落、ネタバレはしません。
見ることを迷っているなら、見ていいと思う。
原作を知っている方も、知らない方にも。
迷っている方は、ぜひここまでで画面を落として映画館へ向かってほしい。
見る価値は、得られると思う。

以下はネタバレ含む感想です。
違国日記原作初期からの読者です。
思えば、SNSで試読キャンペーン的なものに遭遇して続きが気になって買った初めての作品で、わたしが漫画を久しぶりに読むきっかけともなったのだった。



違国日記の映画化において、
もっ
とも心配だったのは田汲朝の造形でした。
映画化が決まってから、ともに楽しく読んでいた違国日記仲間と「朝の情報でた?」をよく言っていた。
もちろんすてきな演技をするアイドルもいるだろうけどもアイドルだったらどうしよう…というのがいちばん。
両親をなくして思春期を生きるという
切なさや儚さばかりが目立つような物憂げな美少女のイメージビデオになってしまったらどうしよう…ダサすぎる…
というのが
最も心配な問題でした。

発表された早瀬憩さん。
憩さんなんてすてきな名前が田汲朝を演じられないわけがない、みたいな安心があった。
アイドルじゃないみたい、ふつうの子!よかった!めっちゃ朝!と仲間内で言っていた。ふつうの子とは。

そしてこの憩さん、
かなりよかった。
かなりよかった…!

すごく15歳のみずみずしさがあった。
あの、これは偏見かもしれませんが同い年なら女の子のほうが大人で妙な色気があり男を魅惑するみたいな変態的視点がいっさいない、
けれども両親を亡くしているという影を抱えている存在感があった。
顔をくしゃくしゃにして笑いさぐるような大きな瞳。すぐに懐く子どもらしい明るさ。
関節の可動域おおきさを誇る元気のよさ。
「あなたは、姉に愛されて育ったんだと思うよ」
本当にそう…!
自由に生きている庇護下らしい未成年だった。

「カラオケ行こ!」の斎藤潤くんを思い出していた。
なんか陰陽みたいな15歳どうしだ。
あっちは反抗期っぽさを持て余したり狂児にぶつけたりしてたけれども、朝は反抗期を迎えていられない環境になってしまった。あたりまえに愛を与えられてそれを疑ったりはねかえしたりすることができなくなって、自分の内で考えなくてはならなくなった。

愛されていたのか?を迷い始めて
そのひとつの解決策として朝ちゃんはへらへらしたんだなあとも思う。嫌われない防御として。

けれども、もちろん彼女の資質で
槙生ちゃんが感じた「愛されて育ったんだと思う」によって、明るく、まっすぐ、素直で、やわらかくみずみずしい。
赤ちゃんの頃にしか会ってなさそうな槙生ちゃんを見つけて自分より年上な彼女に対して「まきおちゃん?」とさっぱりと言う。わたしはあのシーンすごく朝だと思う。
屈託のなさ。愛されることにおびえがない。
けれど愛されたのかどうか、ただ存在が続かなかったために迷うしかなくなっている。
とつぜん、「かわいそうな子ども」となってしまった。

なのでわたしは、朝のゆくすえを見守りに行ったんだなあと思った。
お母さん、あなたの娘は素直に、まっすぐ、やわらかく、みずみずしく育ってますよを見に行ったんだと思う。
違国日記って朝の物語だったんだ。
そう思った。

そういう映画でした。
よかった。

4割くらいの頃、
5点満点で120000満点とおもってた。
なんかすごく眩しかった。
朝の物語とするために、
朝の生活、高校での風景が実にぶ厚く描かれる。
うまいなぁ〜。
学園生活を、窓際で風をはらむカーテンと黒板うつして校庭みおろしてるの注意するシーン
以外で
えがいててえらい。
森本ちよちゃんが登場してえらい。
ちよちゃんの苦悩はえがかれてほしかった。のでよかった。
(でも医学部の話から学校単位になってなんかずいぶん規模が小さくなってんじゃん…はあったけども)
あとこのこ成瀬やるよね…成瀬ですよねっておもいました。
ちよちゃんに見にきてね、て誘うさりげなさが
なんかすごく朝のいいところだった。この映画は強い見せ方を強要しないところがうまい!うまいと思う。
映画では森本さんだったのこまかくうまいよね〜…
名前呼びだったらぎょっとしそう 映画ではさりげなく寄り添う関係だったから。

それにひきかえ
冒頭の黒シーンはなんだったんだろ…学園シーンのさりげなさからちょっとギャップ感じる。
冒頭あたりはちょっと不安を感じましたね。ダブルのアイスクリームが落ちるとかもなんか表現手垢すげーなと思ったし…
あと原作になかった…?かどうかわかんないけど目の前でしぬシーンがあってよかったのかは疑問。自分の両親がおそらく潰れたところ見てあのかんじ保てるだろうか。足下ふわふわって言ってられるのかな。確実性高すぎんかな。砂漠どころかスプラッタかかないですかね…
そして遺体袋のシーン、それをやるなら祖母への怒りが描かれなければならないと思うし、たぶん槙生ちゃんは未成年である朝があの場で守られなかったことも引き取ろうとした怒りにつながったと思うのだけどその描写をわたしはみのがしたのかも…
ビールをのみほすシーンはとてもよかった。

そのシーンで
新垣結衣の顔のちっささすばらし〜…かわい〜〜…………
てなるんだけど
そのあとで
瀬戸くんがでてきて、は?
なにそのスタイルの良さ…顔ちっさすぎんか…?
てびっくりした。パリコレでたほうがよくない…?

瀬戸くんの
笠町くん最高にかっこよかった。
エーーー
なんなの
笠町くんは枯れたおじさんの魅力みたいなものがある登場人物ですが
瀬戸くんの、なんだろ、喋り方?言葉の出し方?が
めっちゃ「おじさん」ぽくて、中年であり四方モテを意識してない清潔感のあるうつくしいおじさんで
ものすごく笠町くんでびっくりした。
瀬戸くんの笠町くんキャスティングはけっこうびっくりしたんだけど、だって原作では頬のこけというかほうれい線というか、垂れた目元でまあまあおじさんで、それが叶いきれぬ美しい女との恋を抱えてて最高色っぽいみたいな色気がある、原作担当編集さんも大好きというキャラなんですよ。それをかわいい系位置なんならグレーテルのかまどで永遠国民弟俳優たる瀬戸くんが
やるっていうの衝撃なんよ
永遠の国民弟ヘンゼルが
妙齢女子眼福おじ笠町くんを
みごとに演じてくださってもォーーーーーーーーーーーほんとに
よかったです。あと500000分見たい。槙生へ迷惑にならないアピールをくじけず発するいたいけなとこ見たい…

そんな満足してるところに塔野先生ですよ
え、塔野先生でるんだ?なんで?てならなくもない
じゃあ最終回を再現するのかな?とおもったけど
朝の物語に塔野先生の存在って必要なんだよね弁護士だから。そらそうか。
塔野先生、髪型がぜんぜんちがうのにめちゃめちゃ塔野先生ですごいよかった…まじで俳優すごいなって思うシーンだった。
原作の強さなのかな…?ておもうけどこれまでにぜんぜんそうじゃない実写化山のようにあるわ
塔野先生のダメさといいひとさがあの短いシーンにくっきりしっかりまっすぐ(目力)入ってて
再登場ねがいたいけれどもあのシーンだけだった。あのシーンもすごいよかったね…朝の子どもっぽさと子どもに慣れてない大人たち
塔野先生もあと5000000000000分ほしい…

いちばんすばらしかったのはやっぱり朝で
あの
誤解をおそれずに言葉を選ばずに
申し上げますと

すげえバカで

めちゃめちゃかわいかった…笑
こ、このアホの子かわいすぎる…てなりました
屈託のなさ!というのが朝の魅力なんだろうな〜
なんか踊ったりスキップしたり歌ったり
ここを現実的とみられるかどうかで映画の評価かわるかもだけど
わたしと原作よみ仲間のうちでは
朝の俳優だれかなあと
朝はちゃんとバカかなあ…というのが
二大心配で
映画制作陣と
その解釈一致だったのがなによりよかったところでした。原作では子犬でしたがなんだろ、小鳥とかかも。
こういうの中学生男子(笑)の特権みたいなえがかれ方多い気がするけど
のびのび愛されて育つ朝だってそうなるわなで
かわいかったです。

みのりさんもとっても呪いでよかったし
えみりの原作でかわいい位置の実在感かんぺきでした
すごいかわいかったわね…
体育館のシーン、あの短さで原作を抽出できてたと感じた
すごくよかった
あのシーンに妙な色気とか脚の美しさとか持ち出さなかったのもよかった
そういう心配がなく見られたの助かった
新垣結衣は長年の推し俳優なので心配ありません…
槙生でした。目が死んでてよかった。食べ方もよかったよ〜〜

おおむね大満足です。
ソフト買うかも。
みんな見てほしい。
ひとにプレゼントしたくなる映画だった。

原作ファンとして
お父さん全カットだったのは正解だとおもって
改めて
お母さんとの物語っていうのは愛されたかどうかわからないしもういないし、でもたぶん愛されたんだな!てまとめをして
お父さんとの物語は
愛されたかどうかわかんないけどまあどっちでもいいか、いろんな国の言葉を話しているみんながいるし
で完結したのが
原作違国日記だったのかなと思って
今回はその前編、お母さん編だったのかなと思った。
で、その抽出がうまくいってると思った。
朝の愛の物語として。

3人の女の物語とかバカなことになってなくてよかった。

あと安易に「かわいい」てセリフがなかったのがすごかった
わたしは劇場で100回は言ってた 言うな
かわいいって言わないんだ、ておいてけぼりくらって
そのたびに、若人の存在をそのように消費することを許さないんだなと感心した。
だって高校の制服きてくるくるまわっててもかわいいって言わないんよ?!
かわいいでしょうよ
それを言葉を扱う職業の槙生がつかわないことへ深い意義があると思った
笠町くんも醍醐奈々も同じくそういう大人が槙生のそばにいた

原作って高校3年間をゆっくり描いた長い物語で
それをこの劇場映画の尺で
包団も笠町くんもちゃんとえがいて
あとサイン会で朝がやっぱり列から外れるのもすごく真摯でいいなとおもった。
原作との深度がよかった!

ただ未読のひとが槙生ちゃんのことどう思うんだろとはおもったけど
まあなにごとも解決しないままものごとって進むしかないしな
日々は続く…







とはいえあのオチはちょっといただけなかったかな…
あそこは首ひねりながら劇場出た…
ここまで丁寧にこまやかであったものが
とつぜんの…
あのシーン、ねむる朝を振り返ってパソコン向かうとかだけでよかったとおも…おもいます
しかも起こす…??????
あのシーンだけ、ほんとあのシーンだけはいただけなかった…ダントツ1位
次点でアイス
そのつぎ遺体袋
原作読み返してこのシーンあったんかよだったらごめんなさい

よかったよ!
早瀬憩さんの未来たのしみです。



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