AI時代のプレゼン素材の作り方
◾️プレゼンも変わる
2024年7月4日のFigmaイベント
Changing Perspectiveで、生成AI時代のクリエイティブについてプレゼンテーションしました。
プレゼンのオープニングで使用した動画がありますので、まずはご覧ください(1:56 カット編集Ver.)
このFigmaイベントが能楽堂で行われることを聞いた瞬間にムクムクとインスピレーションが湧いてしまった。
伝統的な舞台の横に大きなディスプレイが置かれる。
こんな場所でプレゼンテーションですか?!凄い‼︎
AI時代は確実にクリエイティブは変わることを伝えたい。我々全ての人に関係する、この変化を感じてもらえるプレゼンテーションをしなければならない…
人間とAIのインタラクションを表現できないか⁈
とは言え、工数もテクニックも不足、。
それでもやってみると、ギリギリ合格のところまでは到達できる。これもAI時代に起きている変化だと思う。
「どうやって動画を作ったんですか?」
質問も多かったので、制作舞台裏の話しです。
AI対話動画の作り方プロセス公開
◾️コンセプトのシナリオをつくる
最初のシナリオは自分で書きました。
今回は、”Interactive Intelligence” と”Positive Hallucination Approach” の考え方を伝えたく、文章にしました。最初の思考は益々大事になると思います。
その文章を、今度はChat GPTで人間とAIの掛け合いを想定したシナリオに書き換えてもらいます。
これがなかなか秀逸で、しっかりと対話型の文章になります。
すると、今まで伝えようとする自分と聴く側という1対1の向き合った関係性が、対談を聴いている第三者に変わるのです。これは非常に伝わりやすいフォーマットだと言えます。テクニックとして覚えておいて損はないです。
同時に英訳。これも助かる。。
◾️劇場型の対談音声は…実は音楽🎵
次に、Suno AIでこの掛け合いシナリオを歌に…ではなく、喋らせたい。時々セリフがある曲もあるから、出来るはず。。と思ってやってみたところ
“Spoken-Dialogue” というシンプルなプロンプトで出来そうなことがわかったのです!
ここが今回のブレークスルーポイントでした。
これに映像付ければプレゼンネタになりそうだと。。
掛け合いシナリオに[Human male voice]と[AI female voice]とラベルを付けました。
しかし100%はそうはなりません。
途中から、ラップになったり歌い出したりすることもあります。良いものが出るまで、何度もガチャを引く感じにはなってしまいます。
ちなみに、英語だとそれなりに喋ってくれるしバリエーションも色々と出るのですが、日本語はサンプルが少ないのか、今のところカタコトロボットボイスになります。
こうやって、ツールでできることを探るのも面白いものです。
◾️画像生成
次に、喋っている人とAIのイメージ(2種)を作ります。
これはMidjourneyを使用しています。ちなみに、Futureオジサンは自分の写真を解釈させて再生成したものですが…なぜか必ず出てくるアジア系オジサンなんですね。
もう自分のどの写真を使っても、どんなpromptを入れても同じオジサンの顔が出てきます。
仕方ないので、そのままマンガ表現で手を打つことにしました。
AIイメージはPromptを工夫して出します。
◾️口パク動画はRunwayのリップシンク
Sunoで作った音源をセクションごとに切り取ったものと、Midjourneyで作った顔画像をRunwayで合成します。動画からのリップシンクも可能ですが、あまり顔が動き過ぎたりすると上手く生成されないようです。
他の挿入イメージ動画もRunwayでつくりました。
◾️iPhoneで動画編集
その後、iMovieで動画素材を並べて編集。
今のところ動画のトーンを合わせるのは至難の技なので、白黒のフィルターを使いました。
ここまで全てiPhoneで作業しました。通勤中の山手線の中でつくれます。集中し過ぎて2度渋谷まで乗り過ごしましたけども。。
◾️字幕を入れる
iMovieはタイトルは入れられるものの、字幕はコントロールしにくいです。最後だけ、席についてPC作業。Adobe Premiere で字幕を入れました。流石プロツール…文字起こしも自動です。キャプション文字を切り取ると動画も削除されるようになってます。今回は使いませんでした。
ちなみに縦書き日本語字幕にするのはキャプションのグラフィック変換が必要でした。
アウトプットレベルは70点〜80点
これが何を意味するか?
自分としては思いついたアイデアをこの短時間でそれなりのレベルでアウトプットできたことは、クリエイションスキルの幅が確実に拡がったと感じます。
完成度は70〜80点だとしても、プレゼンでアイデアを伝えるための用途であれば、充分に機能するものかと思いますし、企画スタート時にこのレベルでアイデアを見せることができる破壊力は計り知れません。
今回はオープニングの"つかみ"のためでしたが、その役目も果たせたのではないでしょうか。
AI vs 人間は間違い
AIが人の仕事を奪うことは無いと確信しています。
AI時代とはいえ、例えばこの動画を作品レベルまで引き上げる大変さはまだまだ残ります。最終アウトプットの解像度を極限まで引き上げることは、プロフェッショナルスキルが必要な部分です。
初期アイデアの発想加速(独創的なアイデアを見つけられるか?)と、仕上げの解像度を上げるところ(五感を満足させるクォリティ追求)
ここがAI時代に集中すべき領域でしょうね。
詳しい解説はまたの機会に。。
おまけ
Interactive Intelligence
Spoken-Dialogue フルバージョン
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