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導入成功事例は最強の営業ツールである

こんにちは。
カイロスマーケティングで代表を務めております、佐宗(さそう|@dsasoon)と申します。

先週は東北新幹線に乗ってお客さまの事例取材に行ってきました。

事例は法人のお客さまの購入プロセスにおける社内稟議で重要な役割を果たします。稟議において重要な「商品の概要」「実績」「事例」の三種の神器のの一つに該当するからです。

それだけでなく、事例はお客さまへの商品説明でも非常に役に立ちます。


そもそもお客さまは商品を買わない

営業活動では、営業が熱心に自社の商品説明をします。自社の商品の特徴や他社との差別化のポイントをお客さまに伝え、興味を持ってもらうた目に時間をかけて説明します。

しかし、お客さまから「ピンとこない…」となどの理由で商品に興味を抱いていただけなかったり、購入を見送られたりすることの経験が営業経験者なら誰でもあるでしょう。

これはお客さまは商品そのものを買おうとしていないために起きるのです。お客まは表面上は商品を買おうとしていますが、実際には商品そのものではなく、商品を購入後にどのように活用するか、もしくは、活用できるかというイメージを買っているのです。

ここに売りたい営業側と、購入を検討するお客さま側に認識の差異があります、


法人の購買は合理的だが非合理的な側面もある

法人の購買は、費用対効果を中心に合理的な組織的意思決定をすることが特徴です。費用対効果とは、ある施策に費やした費用に対して得られる効果のことです。

しかし、得られる効果を購入前に知ることはできません。実際に購入して使ってみて初めてその効果を実感できます。

営業活動の段階では、購入後の効果や成果を購入前のお客さまが知ることはできません。だからこそ、営業の人柄や専門性など、購入後のイメージを膨らませる要素が重要になるのです。

法人の購買は合理的な意思決定をすることが特徴であるとも言われますが、非合理的な要素は個人の購買と同様に含まれていることも特徴として考えても良いでしょう。


事例は購入後のイメージを提供する攻めの営業ツール

事例とはお客さまが購入前に抱いていた課題、購入に至るまでの意思決定プロセス、購入後の成果や課題の解決度合いなどを示すことが一般的です。

事例を購入前のお客さまに対する営業トークで活用すれば、購入前のお客さまに購入後の成果や効果のイメージを持ってもらいやすくなります。特に法人向けの営業ツールとしては欠かせないものです。

お客さまが抱く「うちでもできるのかな?」という不安の解消にもつながります。商談の場では、営業に事例を活用してもらい、お客さまが購入後の状態をイメージしやすくなる効果を狙いましょう。


事例は営業部員のトークを底上げする

事例を用いた営業トークは、お客さまに購入後のイメージを持ってもらうだけでなく、営業トークの底上げにもつながります

事例にはお客さまの情報に加えて、購入前に抱いていた課題、選定の際に留意したこと、購入後の成果や効果などが含まれています。そのため、どの営業が事例について説明しても、説明内容にあまり差異がなくなります。結果として、営業トークを均質化することができ、経験の浅い営業を育成することにも役立ちます。

また、事例に沿った営業トークをすることで、その事例のお客さまの商品の選定ポイントなどをお話しすることになるので、結果として差別化のポイントや特徴・効用をお客さまに伝えることになります。

事例を営業活動で活用することによって、単なる商品説明よりも強力な営業トークが可能になるのです。


事例のつくりかた

営業活動で使う事例を自社で勝手に作るわけにはいきません。お客さまにインタビューし、その内容を文章にまとめ、お客さまに確認してもらう必要があります。

インタビューでは写真を入れるなどして、事例を読んだお客さまがその意思決定のシーンを鮮明にイメージできるように工夫します。

お客さまの事業が下請け業務などで、クライアントの機密事項を取り扱うため、事例取材を拒むこともあります。その場合は、クライアントの社名を伏せたり、取材を受けている会社名をA社と表現する緩和策も可能です。

事例は営業活動において非常に有益なツールですので、可能な限りできるだけ多くの事例を集めておくことが重要です。


どの会社に事例取材をお願いすべきか?

最初のうちは事例取材先を選べないこともあるので、すべての企業にアプローチしても良いでしょう。事例取材をお願いする順番があるとすれば、「会社同士が友好関係にある」「商品の利用度合いが高い」という2つの要素を軸に選ぶことをお勧めします。

会社同士が友好関係にある場合、商品に加えて、それ以外の点も気に入ってくれている可能性が高いです。その上で、利用度が高く取引量も多い会社はいわゆる「ロイヤル顧客」です。

ロイヤル顧客が事例取材に協力してくれやすいという理由もありますが、事例取材を通じて購入の意思決定の流れを把握することで、ロイヤル顧客になった理由を明らかにすることもできます。

事業を拡大するためには、ロイヤル顧客の存在は欠かせません。お客さまがロイヤル顧客になる過程を、事例取材を通じて調査することは非常に重要です。


まずは事例取材に挑戦してみよう

事例取材には特殊な能力は必要ありません。お客さまからいただいた情報を文章にまとめる能力があれば十分です。一般的には基本的なビジネススキルであるとも言えます。

業者に依頼すると、出張費用や文章作成費用などで30万円程度かかることがあります。その上、内容の確認や修正作業で社員が関わる必要があるため、まずは社員だけで事例取材を試みてはいかがでしょうか?

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