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#067 年度末に社内で起きる見えない情報戦とは


先週は、次年度の事業計画をひたすら書き続ける日々でした。

管理職になると、組織の事業計画を設計する権利を得られるわけで、その活動は非常にクリエイティブであり、携われること自体が大変ありがたいです。

ただ、一方で根回しや社内交渉などあまり表面的に見えない壁や難しさも見えてきたので、そもそもの背景や打ち手も含めて整理してまとめたいと思います。

1.事業計画の作成とは


まずはそもそも論からです。この時期に作成する事業計画とはなにか?

所属する組織によって名称は違えど事業計画はあると思います。ググッてみると下記のような定義のようです。

長期経営計画、中期経営計画、短期経営計画を実現するために、部門的、短期的、戦術的な3つの視点でプランを練っていきます。要するに、経営計画を実現するための具体的なアクションプランを作成するのが事業計画です。(抜粋)

だ、そうです。つまり、平たくいえば

経営方針を加味した自部門のアクションプラン

というものですね。ただ、個人的には、これをしっかり策定できることで以下の効用が得られると思っております。

1年間チームの方針がブレず意思決定が早くなる

つまり、この計画を策定する段階で関連する人たちに合意が得られていれば、その人たちと無駄な対立や意思決定で迷う時間が少なくなるため、非常に合理的に物事が進められるわけです。

そのため、組織/人事発表の前後から次の4月までに、色々なところで水面下で動きが出るのは必然です。なるべく多くの人を巻き込み、意図した計画におとしたいという思惑があっての活動なのかなと思います。

では、ここで何を留意しなければいけないのか。

2.計画作成時の留意点

会社の経営計画をかみ砕いて計画に落とすわけですが、個人的には以下の3点を留意すべきかと思っています。

①チームビジョン(志)
②他部署との連携
③決裁者同士の合意

まず、”①ビジョン”です。

これは、言わずもがなです。自分たちの部は、『何のためにあるのか?』、『何を目指すのか?』、『なぜこの計画をやるのか?』といったそもそも論の定義がないと、意見が対立した際に話がまとまらなかったりします。

特に、個人的には、『なぜこの計画をやるのか?』という問いに対して、”数字が経営からふってきたから”、という回答は避けるべきかなと思います。なぜか。

それは『上から言われたからやろう』と言われても部下は『この人には意思がないな』と思い、1mmもワクワクせず、気乗りしないからです。

今考えると、尊敬できるリーダーは必ず共通項がありました。計画を発表するときも事業を遂行するときも都度都度、やっていることの意味や夢を熱く語っているのです。つまり、留意すべきポイントの一つは

「ワクワクするような意味付け」

これをどう見いだせるかが最大の要因かと思っています。

そして”②他部署連携”です。

これは会社の経営や他部署との兼ね合いです。営業・開発・マーケ、それに伴う予算承認など、運営機能を全てもって自己完結した組織でもない限り、絶対的に本社や他部署との連携する側面がでます。

そのため、他部署や会社の大方針を加味する必要があるわけです。言い換えると、他部署と足並みを揃えたり協働したりする必要があります。

ここで、気をつけたいのが、連携の計画を文言として勝手にいれたところで机上の空論になるということです。一緒に話合い、それぞれがwin-winになって腹落ちし、折り合いがついてはじめて”連携“の土台ができるのかなと思います。

そのためには、どれだけ水面下で交渉やコミュニケーションを行えるかどうかが勝負だと思っております。だからこそ、裏でよくわからない動きがこの時期は多くでるのですね。上記を踏まえ留意すべきポイントの2つ目は

「関連する他部署の事情理解」

ここがどれだけできるかが差になりそうです。

そして最後が”③決裁者間合意”です。

これが個人的には最難関だと思っております。②において、他部署との“連携”を実現する上で、避けられないのが”承認される”というプロセスです。

つまり、承認する権利をもつ、他部署の決裁権者の合意をとりつける必要があります。これが最大かつ最難関テーマな気がします。ではこれがなぜ、最難関なのか。

これは「他の課都合で、うちのリソースをさきたくない、仕事を増やしたくない」という想いが強く、合意に至らないからです。

人員も限られる中で、余計な役割やタスクは出来れば外に出したいという思惑が前提にあり、往々にして歩み寄りません。これを打開するのは、独特な力が求められる気がします。

そのため、如何に上位の経営方針を加味したものかを考え、想いをもって誠実な姿勢で交渉することが重要です。そのため、留意すべきポイントの3つ目は

「緻密に準備して他部署と交渉」

社内政治といわれる領域なのでしょうが、割とそれなりの規模の会社ならある話な気がしています。。

3.今後やるべきこと


では、じゃぁこの3月にどういった行動をとるか。アクションプランはシンプルです。

 ・プランをめちゃ考える
 ・めちゃ聞いて回る

もうこれしかないです。つまるところどれだけ関係者の声をとりこんで情報整理できるかです(事業計画のフレームは調べれば色々出ますので…)。今後は全活動を次年度の計画に寄せて社内の情報戦を勝ち抜きたいと思います。

一年の計は元旦にあり、といいますが、事業の計は新年度にあり、4月に1年の計画を言い切れるかどうかが成否の分かれ目です。それまでに、想いをもって多くの人と対話を重ね意見を加味できるかどうかが成功のカギだと思います。

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