感性を磨くのは日常かな。   ー文学ご紹介シリーズNo.1ー

 学生時代、国語が大好きでした。毎日本1冊読むことも。今でも忘れられない詩を3つご紹介したいと思います。今回はまず1つめ。

 今でも思い出して笑ってしまうのがこちら。中原中也の作品で「サーカス」

幾時代がありまして 茶色い戦争がありました

幾時代がありまして 冬は疾風(しっぷう)ふきました

幾時代がありまして 今夜此処(ここ)での一(ひ)と殷盛(さか)り  

幾時代がありまして 今夜ここでの一殷盛り  

サーカス小屋は高い梁(はり) 

そこに一つのブランコだ           

見えるともないブランコだ 

頭倒(あたまさか)さに手を垂れて

汚れ木綿の屋蓋(やね)のもと

ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん 

それの近くの白い灯(ひ)が 安値(やす)リボンと息を吐き

咽喉(のんど)がなります牡蠣殻(かきがら)と

ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

屋外(やがい)は真ッ暗閨(くら)闇の闇

夜は劫々(こうこう)と更けまする

落下傘奴(らっかがさめ)のノスタルヂアと

ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

 さて。この詩から、当時国語の先生は生徒たちにある課題を出しました。「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」はサーカスのブランコの擬音。では皆さんがブランコの擬音語を考えてください。

 詳細は忘れてしまいましたが、私が提出した擬音語は「ギシッ ギシッ キキィー キィ」というくらい汚い音。だって思い出のブランコは錆だらけだったんだもの。

 先生は、皆の中から優秀賞と面白い賞を名前は伏せて発表しました。優秀賞の方は、これまた詳細は忘れてしまいましたが「カコン カクン カクンクン」というようななんとも美しい音。そして、皆に笑われた面白い賞が私の作品だったのです。。

 当時は恥ずかしくて、自分が作ったとは言えませんでした。今になっては、これもある意味才能かも⁈と前向きに捉えています。

 自然や美しいもの、良いものに触れ、感性は磨かれるのかなと思う今日この頃。日々美しいものに触れ、綺麗な言葉を使っていきたいものです。

 良かったらあなたも考えてみてくださいね。




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