見出し画像

【文化財紹介】ジブリのアニメにでてきそうな駅

大阪歴史倶楽部です。

大阪市内の南部にあります、ジブリのアニメにでてきそうな阪堺電車はんかいでんしゃの駅を2つご紹介いたします。

阪堺電車とは
阪堺電車はんかいでんしゃ(正式名称:阪堺電気軌道はんかいでんききどう)は、大阪市内の南部と堺市とを結ぶ1910(明治43)年創業の私鉄路線です。大阪府下では唯一残っている路面電車の路線で、地元の人たちは親しみをこめて「ちん電」(ちんちん電車の略)と呼んでいます。また、この阪堺電車には現役で日本最古の電車が走っています。

阪堺電車の路線
阪堺電車の路線は、大阪市阿倍野区あべのくにある超高層ビル「あべのハルカス」の麓の「天王寺駅前てんのうじえきまえ」駅から出発する路線(上町線うえまちせん)と、大阪市浪速区なにわくにある通天閣つうてんかく新世界しんせかいのすぐそばの「恵美須町えびすちょう」駅から出発する路線(阪堺線はんかいせん)の2つがあります。この2つの路線は途中の「住吉すみよし」駅で合流して大阪府堺市さかいし浜寺公園はまでらこうえんゲート前の「浜寺駅前はまでらえきまえ」駅までを結んでいます。

豆知識
路面電車の駅のことを正式には「電車停留場でんしゃていりゅうじょう」と言います。そして少し古い言いかたですがこれを略して一般的には「電停でんてい」と言います。以下「電停」として記述を進めさせていただきます。

姫松電停
姫松ひめまつ」電停は、阪堺電車の上町線うえまちせんにある停留場で、大阪屈指の高級住宅地である北畠きたばたけ帝塚山てづかやまエリアにあります。ここにはジブリのアニメに出てきそうな木造のかわいい待合所が設置されています。中の椅子いすも木製で昔のままです。

阪堺電車「姫松」電停の待合所
待合所の内部(椅子も古い!)
待合所内から外を見た風景


住吉電停
住吉すみよし」電停は、阪堺電車上町線うえまちせん阪堺線はんかいせんが合流する地点で、住吉大社すみよしたいしゃのすぐ北側にあります。ここの待合所もジブリのアニメに出てきそうな木造のかわいいい建物です。

阪堺電車「住吉」電停の待合所
「住吉」電停待合所のアップ

これらの電停待合所の年代について
姫松ひめまつ」と「住吉すみよし」のどちらの電停の待合所もよく似た造りです。大阪歴史倶楽部が時間をかけて調べてまいりましたが、まだ建てられた年代を特定するまでには至っていません。

現状ではきれいに塗装されていて、屋根も建築当初のものではなくて後に新しく替えられているようですが、本体の構造などからどちらも戦前(昭和初期)の建物ではないかと思います。

文化財データ
阪堺電気軌道上町線「姫松」電車停留場
大阪市阿倍野区帝塚山1丁目
木造平屋建て
戦前(昭和初期)の建物か?

阪堺電気軌道上町線・阪堺線「住吉」電車停留場
大阪市住吉区長峡町1
木造平屋建て
戦前(昭和初期)の建物か?

写真(全て):2021年8月 大阪歴史倶楽部 撮影

おわりに
ここで紹介いたしました電停の待合所を見学したり写真や動画などを撮影されるときには、阪堺電車はんかいでんしゃさんをはじめ電車のお客さまや歩行者のご迷惑にならないよう、ご配慮をお願いいたします。

許可なく他の人の敷地内に入ったり、むやみに電車の線路内に入ったりしないようお願いいたします。また路面電車の停留場ですので、とくに行き交う自動車や接近する電車にはじゅうぶんに注意をしてくださいますようお願いいたします。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

(『大阪歴史倶楽部』第2巻 第6号 通巻16号 2022年2月5日)

©2022 大阪歴史倶楽部 (Osaka Historical Club)
無断引用・無断転載等を禁じます。