環境と才能とその他いろいろ
先日。まだ春休みを謳歌中の平日の話。
ちょうど昼ごはんを食べたタイミングで、母から電話がかかってきた。
「ねぇねぇ、今家にいる?徹子の部屋、見てみて!」
何年振りかに見た徹子の部屋、ゲストは、
Cateenこと角野隼斗さんだった。
おー、さすが母。私の好み分かってる。
今まさに隣の部屋でゲームを始めようとしていたボーイズを呼びかえして、今日は自主勉強しなくていいからこの人のピアノを聴きましょう!いや、聴きなさい!と指示。(ボーイズ、毎日午前午後とゲームしたいなら、1ページだけでいいから自主学習するということになっていたのに、その日も朝からなーんにも鉛筆持つ様子がなく、しれっとゲームだけしていた。)
へーいと戻ってきた二人。テレビの前に三角座りして芸術鑑賞を始めた。
ほーとかスゲーとか言って見ていたが、トークが始まると再びゲームの前へと走り去っていった。
以前も一度noteで書いたことがあるが、彼はすごい才能の人である。東大の理科一類を卒業して大学院で学びながら、国内最大規模のピアノコンクールでグランプリ受賞。その後音響の研究でフランスに留学し、並行してピアニストとしての活動を開始。YouTubeでの活躍もめざましい。2021年、ショパン国際ピアノコンクール出場。
勉強がすごくよく出来る人、というだけなら感心はするけど、感動はしないかも知れない。でもこの人は、何よりその演奏に人の心をつかむ力がある。技術的なことはもちろんのこと、私は角野さんの音楽的感性が好きなのだと思う。子どもが見ても楽しめるアレンジだったり、クラシカルでないジャズの要素が施された編曲だったり。
徹子さんもキラキラした目で、ピアノの感想を述べていらした。
角野さん、27歳ですって。
大谷翔平さんが、28歳。
私その頃どんなんだったかな‥
人と比べては、いけません。
その日の夜。
夕飯の後で次男が突然言い出した。
「今日のルパンの曲、すごかったなぁ!ティレレレレッて!」
‥ルパン?
ルパンなんて見ても聞いてもないけど?
「見たやん!テレビで。すごかったやん。手が、ティレレレレレレって‼︎」
次男、ピアノの前で再現し出した。(ちなみに彼の持ち曲はチューリップとキラキラ星である。)
あれか!
ショパンやん!
ショパンの、「木枯らしのエチュード」だった。
ルパンちゃうやん。
惜しいけど。
ちなみに、角野さんのお母さんはピアノの先生で、幼い頃はお母さんからピアノを習ったらしい。
お父さんは算数が得意で、すきま時間に面白い算数の問題を出してくれたり、仕事に行く前に勉強を見てくれたりしたらしい。
家にピアノがあって、お母さんが教えてくれて。
算数が好きで、お父さんが教えてくれて。
おや。どこかで聞いたことあるような。
うちも似た感じなんだけど?
おかしいな。
人と比べては、いけません。
ルパンの曲もカッコいいよね。
次練習するのは、ルパンにしようかな、ショパンにしようかな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?