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日本の映画料金は世界一高い?

ここ数年、長らく叫ばれてきた「映画離れ」という言葉を、あまり聞かなくなった気がします。
これは映画離れがすでに定着してしまっているのか、映画に人が戻ってきたのか、はたまた映画に対するメディアの執着さえもなくなってしまったのか。

ちなみに映画館の入場者数は1958年がピークで11.27億人、対して最も少なかった時期が2000年の1.35億人。
つまり、映画館の入場者数はピーク時の10分の1近くにまで落ちているのです。

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直近10年の映画館入場者数推移を見てみると、2011年の震災で一時的に凹んではいるものの、やや右肩上がりに推移し、2016年には1.8億人の大台を回復しています。
これは日本の映画人気が回復したと言える兆しなのでしょうか。
また、今後の映画市場は入場者数の増加、興行収入の増加は見込めるのでしょうか。

日本の映画料金の推移

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2019年6月1日、映画会社系列のシネコン(シネマコンプレックス)大手3社が、横並びで一般入場料を1800円から1900円へ値上げしました。
一般料金が1800円になったのは1993年。
当時は消費税が3%でしたが、その後5%、8%と上がっても料金は据え置きでした。
今回の値上げは実に26年振りとなっています。
しばらく1800円で定着していた映画料金がなぜ今回上がることになったのか。
3社とも料金改定の理由として、アルバイト人件費を中心とした運営コストと、設備投資への負担増を挙げています。
コストカットなど、企業努力を行った末の決断として、利用者に理解を求めているようです。

世界の国の映画料金

では、日本の映画料金は、他の主要国と比較して高いのでしょうか、安いのでしょうか。
為替レートにもよりますが、みずほ銀行がまとめたデータによると、日本の映画料金は世界でも飛び抜けて高いことがわかります。
以下は、子ども料金、割引料金含む1人あたり平均の映画料金です。

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グラフから読みとる限り、各国の映画料金は以下の通りです(50円区切り)。

オーストラリア|約1200円
オランダ|約1100円
ドイツ|約1000円
カナダ|約1000円
イギリス|約950円
イタリア|約900円
フランス|約850円
アメリカ|約800円
韓国|約700円
ポルトガル|約700円
ロシア|約700円
シンガポール|約600円
ブラジル|約550円
タイ|約450円
中国|約400円
南アフリカ|約250円
インド|約100円

ちなみに調べると、北欧は映画料金が高いようでスウェーデン、ノルウェーなどは大人1人1700円前後だそうです。
そして、それよりも高いのが日本の1900円(平均は1500円)ということになります。

日本の映画市場の今後は?

日本では入場者数も伸び悩んでいる中、映画館入場者数を増やすためには料金値下げが必要な施策だと言われています。
確かに、映画料金の値下げをすると映画館入場者数は増えるかもしれません。
但し、同時に興行収入が減少するというジレンマを抱えています。
そのため、イチ映画好きの意見からすると映画料金は下げて欲しいところですが、それが日本の映画市場の衰退につながることは本意ではありません。

1900円は庶民の気軽な娯楽にしては少々高い気がしますが、このような背景から今後も映画料金が下がることはないでしょう。
もし、日本が今後も現在の興行収入の水準、映画館入場者数の水準を保ちたいのであれば、近年のペースでヒット作を出していくこと以外無いということになります。

以上を総括すると、こういうことです。
皆さん、インドで映画を観ましょう!

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