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今最も観るべき映画! 『コンテイジョン』

ウイルスの恐怖

生存競争の激しい地球で、もっとも進化を遂げ、我が物顔で他の生物を餌食にしているのはウイルス
私たち人類は常にウイルスとの闘いの最前線にいます。
1918年~19年に猛威を振るったスペインインフルエンザは世界人口の約50%が感染し、25%が発症し、死亡者は2,000万人以上と言われています。
世界人口が18~20億人の時代に、なんて大きな数字でしょう。
そして、2002年から2003年にかけて世界を震撼させた重症急性呼吸器症候群(SARS)の致死率は14~15%、悪名高いエボラ出血熱の致死率はなんと50~89%にまで上ります。
さらに、何と言っても今猛威を奮っているのは「新型コロナウイルス」。
海外ではロックダウンし、国内でも緊急事態宣言を出すなど、その感染力は恐ろしいものです。
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、2011年の映画『コンテイジョン』で描かれた状況が、今の世界に良く似ていると注目が集まっています。

人々の予測は困難

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劇中で「ジョーズを恐れて海を避けても、平気でタバコを吸う」と人の行動パターンの特性について語られています。
死亡率として考えれば、一生のうち海で人食い鮫に出会うことは滅多にありません。
逆にタバコを吸い続けることの疾患は科学的に証明されています。
しかし、人はジョーズの方を恐れてしまいがち。
それぐらい人の恐怖とは曖昧なものなのです。
我々も、感染率が増えていると言っても、日本はまだ大丈夫だという甘さがあります。
どこかアメリカのようにならない、自分が出かけるぐらい大したことにはならないはずと考えている。
人々の動きを予測して予防するというのは、それだけ難しいのです。

無意識の行為

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“感染の媒介物”に関する説明も劇中の中で分かりやすく説明しています。
人は1日に2000~3000回も顔を触り、起きているときには1分間に3~5回顔に触る」とエリンは保健局スタッフに説明をする。
別のシーンでは、感染症に慣れているはずのCDCのスタッフも顔を触る癖があり、エリンに「顔を触る癖をやめて」と指摘を受けるのです。
感染症のプロですら顔を触ってしまうのだから、専門家ではない一般人はもっと触るに違いない。
だからこそ、手洗い含め、何に触るか意識して行動しなくてはいけないのだと改めて認識させられました。

現在の状況とリンク

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他にも、本作では学校閉鎖案に対して「何を言っているの?子供の世話は誰がするの? 親は社員だったり、公務員だったり、医師だったりするのよ」という台詞があったり、「感染しているかもしれない、検査をしてほしい」と病院の受付に押し寄せる人たち、買い占めや略奪で荒れていく街、バイオ兵器なのではないかと疑う声など、実際に今回の新型コロナウイルスで取り上げられている指摘や問題が色々と描かれています。
そして、映画の中の登場人物たちも感染現場に入り、必死に感染拡大を食い止めようとしています。

まとめ

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クラスターを突き止めるため、感染者に接触し行動を細かく聞き続ける感染症調査員、危険を感じつつウイルス培養にチャレンジする科学者、感染が拡大する中休みなく治療をする医師たち、感染の危険もあるワクチン開発を繰り返す研究者。
彼ら自身も感染の恐怖に怯えながら仕事をしているのです。
新型コロナウイルスへの対応やマインド、医療者に対する思いはもちろんのこと、感染症を生む環境とは何か、私たちが今後できることはあるのか、そんなことを考えさせられる作品でした。
皆様もコロナに気を付けてお過ごしください。

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