見出し画像

ゾンビから身を守る方法

昨今、ゾンビ映画が世界的に根強い人気を集め続けている。
死者が蘇り、生きた人間を襲ってその人肉を食うという世紀末的世界を舞台に、生き残った人間たちが過酷なサバイバルを繰り広げるという設定はどの作品もほぼ同じなのだが、何故か飽きられることなくその人気は近年さらに高まっている。

画像19


ゲームから派生した『バイオハザード』や海外ドラマの『ウォーキング・デッド』は最も有名なゾンビ映画・ドラマだが、最近では韓国映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』や邦画『アイアムヒーロー』など、今やゾンビは全世界にまで感染している。
さらに、『アナと世界の終わり』や『デッド・ドンド・ダイ』など、最近は「ゾンビ映画=ホラー」という概念を覆す「ゾンビ×コメディ」を掛け合わせた作品が増えてきている。

そして大人になった今、改めて真面目に真正面から”ゾンビ”について考えてみた。
「彼らはなぜ人を喰うのだろうか?」
「ゾンビが襲ってきたらどのようにして逃げようか?」
「ゾンビパニックなったら信頼できる人は誰だろうか?」

そこで、私なりの「ゾンビマニュアル」を下記に記したいと思う。

本記事のルール

その1 舞台は現代の日本
当たり前であるが私は日本人だし、いるかどうかも分からない読者も恐らく日本在住か、日本人だろう。
本記事に登場する武器や立てこもる場所も現実にある日本を舞台にしている。
アメリカのように銃が身近にある国ならば、もっと面白い妄想が出来たかもしれないが。

その2 身体能力は一般男性程度
本記事は銃の扱いに長けていたり、特別強固な肉体を持っている人には向かないかもしれない。
そのような人にはヒーローとして活躍してもらいたいが、別の道でゾンビから身を守ることが出来るだろう。

その3 無法地帯になっている
すでにゾンビパニックが起きており、警察も政府も機能していない状態である。
機能していたら「110番する」、「自衛隊に頼む」が使えてしまうため、楽しさが半減してしまう。

ゾンビの種類

画像2

ゾンビと一言にいっても数多くのモノが存在する。
作品によっては武器を使いこなすゾンビもいるし、言葉を操るゾンビも登場するのだ。
だが、大きく分けてゾンビの種類は以下の二つだろう。

走れるゾンビ  or  走れないゾンビ

『ワールド・ウォーZ』に登場するような走れるゾンビは正直言って現実的ではないと考える。
「ゾンビ自体が現実的じゃないだろ」という声を無視して書くが、走れるゾンビはあくまでフィクションの存在である。
今回登場するゾンビの定義は「ノロノロと歩く典型的なもの」とする。

立てこもる場所を決めよう

さぁ、ゾンビパニックが起きたぞ!

兎にも角にも、最初は身を潜める場所を探さなければならない。
私は以下の場所を提案する。
メリット・デメリットも記載するため、自分に合った場所を選んでほしい。

・自宅

画像3


まず最初に考えつくのが自宅である。
家族がいる人も、そうでない人も一番安心できる場所はやはり自分の家だろう。
自宅にいればテレビやラジオ、パソコンを始めとする電子機器、ある程度の水と食料などライフラインも充実しているはずだ。
もし備えがないなら早めに別の場所に移動しなければならないが。
窓にバリケードを貼り、ゾンビの侵入を防げば長時間立てこもることが可能。
なるべく音を立てずに潜んでいてほしい。

デメリットとしては長期化した場合の食料である。
恐らく水や電気、ガスも止まっているだろうから、衛生面でも不安が募る。
そうした場合はできるだけ早めに食料の調達に向かわなければならない。

・コンビニ

画像4


コンビニやスーパーには食料が充実しており、少人数であれば長期的な立てこもりも可能である。
しかし、ゾンビが発生したばかりの頃は人が殺到してしまうだろう。
その中に一人でも感染者がいた場合は、残念ながら…
立てこもりに成功したとしても、コンビニは窓ガラスに自動ドアなど防御力の面で優れているとは言い難い。
ゾンビに囲まれてしまったり、誤作動で自動ドアが開いてしまったら終わりだ。
というワケで候補には入るが、オススメはしない。

・ショッピングモール

画像5

映画では立てこもり場所の定番である。
ゾンビ作品に触れてきたことがある人は承知の通り、ショッピングモールには仲間割れが付きまとう。
結局恐いのはゾンビよりも生きた人間。
仲間同士で争ってしまっては意味がない。
そして出入り口が多すぎる点も考慮し、コンビニ同様強固な守りが出来るとは言えないだろう。

しかし食料や武器、日用品に至るまで物資の面では相当に充実している。
その点で見れば、これほど安全な場所はないかもしれない。
もちろん物資の奪い合いが内部で起きなければの話だが。

・山の中

画像6

日本という国はかなり山が多い場所だ。
国土の70%以上が山岳地帯のため、隠れる場所は山ほどある(山だけに)。
しかも高地であればあるほど、ゾンビの侵食も遅れが出ていると予想する。
本記事のゾンビは足が遅いため、上ってくるまでにも相当な時間がかかるだろう。
ただ、人の集まるキャンプ地などには逃げてきた人の中に感染者がいる可能性も少なくない。
自らの足で登り、自らの手でキャンプを設置する必要がある。

問題は食料が限られ過ぎているということ。
さらには土砂災害や熊、イノシシなどの動物にも注意しなければいけない。
サバイバル能力に自信がある人にはオススメしたいが、万人には勧められない場所である。

・島

画像7

現実的ではないかもしれないが、日本には6000以上もの無人島が存在している。
先日発売されたNintendo Switchのゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」でも無人島が舞台となっている。
一度無人島を占拠してしまえば、ゾンビとの闘いには勝ったと言ってもいいだろう。
デメリットとしては他の場所に比べて辿り着くまでの難易度が格段に高いということ。
船を持っていなければ、ゾンビに喰われずに海辺まで移動し、船を手に入れなければならない。
さらには適当に進んで無人島に辿り着くわけでもない。
運良く辿り着いたとしても、そこから先は過酷なサバイバルが待っている。


武器を調達しよう

立てこもる場所が決まったら、次に大切なのが武器である。
武器は主に日本で手に入れられるものを紹介している。
「ショットガンを使えば一発じゃん」なんて考えている人はいないだろうが、シンプルに日本ではショットガンなど手に入らない。
もし、持っている場合はその時点で他の者より優位に立てる。
それくらい銃というアイテムはゾンビとの闘いにおいて強力なのだ。
ゾンビと戦うにはなるべく近づきすぎないのが鉄則。
ある程度の距離を持って戦おう。

・包丁、ナイフ

画像8


自宅やスーパーなどで簡単に手に入れることが出来るが、近距離での使用はオススメしない。
使用するとすれば投げナイフのように投擲武器として使うことだ。
近距離で使った場合はゾンビのパワーや勢いに圧され、噛みつかれる確率が高くなる。
あくまで最終手段として考えておくべき。

・バット

画像9

野球ファンは「バットはゾンビと戦うためのモノじゃない!」と怒るかもしれない。
だが、命を守る時には使わなければならないのだ。
こちらも近距離だと思われるかもしれないが、リーチは長いのでメイン武器として使えるだろう。
上手な人は1000本ノックと称してマシンガンのようにゾンビを倒しても良いかもしれない。
ヒットさせればダメージを与えられるが、バントや空振りの場合はノーダメージとなるので気を付けよう。

・自転車

画像10

格闘家・朝倉未来氏はこう語る。
「自転車は武器になる」と。
確かに幅も広く、一度に複数のゾンビを相手に出来る。
しかし、パワーがなければ振り回すことは到底不可能。
むしろ、乗って逃げるための足として使い、いざとなったら武器にするのが良い気がする。
音にゾンビは反応するため、間違っても警音器(ベル)を鳴らしてはいけない。

・日本刀

画像11

我が国を舞台にしたゾンビ映画なら登場してもおかしくない武器の代表格である。もちろん読者に剣の達人がいるならば、必ず使用することになるはずだ。
今流行りの「鬼滅の刃」や「ONE PIECE」(特にゾロ・ブルック)ファンの方は憧れること間違いなし。
しかし、いくらサムライ魂を持つ日本人とはいえ、全員が刀を使えるわけではない。恐らくほとんどの国民は剣道止まりで真剣を握ったことはないだろう。どうしてもカッコよく使いこなしたい場合は今のうちに修業をしておくことを強く勧める。
すでに全集中の呼吸や清心斬魔流を体得してる方はここぞとばかりに使うといい。

・拳

画像12

「男なら拳で語れ」とよく言うが、ゾンビ相手にも拳で語れるならば語ってほしい。
素手で殴る場合は歯に触れたら一発でアウト。
例えプロボクサーであったとしてもゾンビの群れ相手に拳で語ることは難しい。
普段から鍛えてない人は一度使用したら、数週間使用不可能になる武器でもある。
いざという時でもなるべくは使いたくない。


装備を整えよう

武器だけがゾンビと戦うアイテムではない。
彼らと戦うには相応の装備が必要だ。
「そんな装備で大丈夫か?」と言われないよう、装備もキッチリと固めて挑みたい。
真面目な話をするとゾンビの武器のほとんどは歯である。
しかも先人たちが残した文献や映像などを観ると、不意打ちで倒される人がどれほど多いことか。
ゾンビの持つ「歯」と「不意打ち」を防ぐことが一番大切である。
そこで以下の装備を用意して欲しい。

・頭:フルフェイス・ヘルメット

画像13

さすがのゾンビでもフルフェイス・ヘルメットを噛みちぎることはできないはずだ。
ゾンビに囲まれてしまえばアウトだが、少人数相手なら頭部は完全に守れるだろう。
デメリットがあるとすれば、視界の悪さと息苦しさ。
走って逃げる時には堪らず外してしまう人もいるかもしれない。
その場合は不意打ちに十分注意し、呼吸を整えよう。

・上半身:革ジャン×2

画像14

先述したようにゾンビの一番の武器は「歯」である。
つまり、歯が通らなければ噛みつかれたとしても感染はしない。
そこで少なくとも歯が通らない服を選んでみた。
ゾンビの顎がいくら強靭でも革ジャン×2を貫通させるのは不可能だろう。
ただし、集団で現れた場合は掴み攻撃も合わさって生存率は格段に下がる。
あくまでも不意打ちと歯に備えた装備だ。

・下半身:ジーパン×2

画像15

こちらも上記と同じ理由で、厚いパンツとなるとジーパンしか思い浮かばなかった。
以上の装備はあくまでも「不意打ち」に備えたもの。
完全なものなど存在しないように、ゾンビ対策も100%はない。
一番の装備は常に周りに気を配る能力と、冷静さを保ち続ける精神力。
年中長袖長ズボンを履いている私はゾンビ対策バッチリである。
また、手袋、籠手、脛当てなどを装備することで部分的に守ることは可能だが、あまり重装備にし過ぎるとゾンビから逃げ遅れてしまうため、装備は慎重に整えなければならない。
さらに補足するならば、なるべく壁や窓には近づかない。
私の研究によると壁や窓に背を向けている時に襲われる確率が高い傾向にある。


もしゾンビに遭遇した場合

遭遇しないことが一番だが、何年もゾンビランドで過ごしていると遭遇してしまうこともあるだろう。
立てこもっていても食料調達や必要物資の補給などで外に出る機会は必ず訪れる。
そうした場合にゾンビと遭遇してしまったらどう対処すればいいのか。

・ゾンビが少人数の場合

画像16

ここでの少人数とは3人か6人程度だと考えてもらえばいい。
対して人間側は1人~3人。
私の予想によれば人間一人と日用品武器に対して対処できるゾンビの数は3人が限界である。
それ以上だと不意打ちを食らう可能性が出てきて、生存率が大きく下がり始める。
また、武器の寿命も考慮しなければならない。
映画やゲームのように同じ武器が永遠に壊れないなんてことは起きない。
大抵の日用品はゾンビとの戦闘を考慮していないため、脆いのも特徴だ。
そう考えるとグループで行動していても対処できる数は6人が限界。
1人ならば3人程度が限界だと考える。
積極的に戦えとは言わないが、対処できるならば数は減らしておいた方が将来のためだ。

・ゾンビが大人数の場合

画像17

逃げろ。まずは逃げろ。
人間側に人数が揃っていようとも、50人を超えるゾンビ相手では混戦になってしまい勝ち目はない。
もちろんマシンガンなどがあれば別の話だが。
先述したように、日用品では6人が限度である。
もし囲まれてしまった場合は一点集中で攻撃を始め、突破口を見出す必要が出てくる。
人間側に人数が揃っていたとしても、バラバラに戦うのではなく、1か所に集中して攻撃を始めよう。

生き残るために必要なのは

これまでは武器がさも一番大事なもののように語ってきたが、それ以上に大切なものが二つある。
・信頼できる仲間
・生きるだけのライフライン
この2つがないと、ゾンビパニックは到底生き残れない。

・信頼できる仲間

画像18

言わずもがな仲間の存在は必要不可欠。
ゾンビに襲われた時でも、サバイバル中でも仲間がいれば生存率は格段に上がる。
話せる人間といればお互いに励まし合ったり、議論を交わしたり、ストレス緩和にも繋がるはずだ。
しかし、信頼できる仲間を本当に見つけるのは難しい。
今付き合っている友人も危機的状況になれば人間が変わってしまうかもしれない。
また、大人数で行動していると必ず争いが起きる。
人間同士の争いはゾンビ以上に怖いものだ。
私は4人程度の少人数でグループを作ることをオススメする。
『ゾンビランド』のタラハシー御一行を思い出してほしい。
信頼し合えば、これほど頼りになる仲間はない。

・ライフライン

画像19

人間は水がなければ5日程度で死に至る。
食べ物がなければ3週間程度が限界だ。
さらには不衛生な場所で生活していると、病気にかかる可能性も出てくる。
自らの命を繋ぐためにも、生きていくうえで欠かせないモノを切らしてはならない。
常にライフラインを気にして過ごす必要があるだろう。
ただ、何れは食料にも限界が出てくる。
映画を観ていると農耕をしているシーンはあまり出てこないが、早い段階で自給自足を考えるべきである。
そして安全性の高い飲み水の確保も重要だ。


最後に

 ・ 装備を揃えて立てこもれ!
・長期戦を覚悟せよ!
・人間を疑え!

以上の事柄に注意すれば、ある程度の脅威には立ち向かえるはず。

まだまだゾンビに対する研究は終わらない...

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?