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【20枚目】Marvin Gaye『I Want You』

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Marvin Gayeの14枚目のアルバム『I Want You』(1976)

最近よくマーヴィン・ゲイを聴いています。このアルバムが特に好きでネットで調べてみたらあまり評判が良くない!レビューを見て納得する部分もあるけど。(少し贔屓目な部分はありますが)評価の高い『What's Going On』、『Let's Get It On』に匹敵する作品ですよ。特に表題曲「I Want You」はソウルを代表する名曲だと思う。

説明しよう!マーヴィン・ゲイとは

”マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye、1939年4月2日 - 1984年4月1日)は、アメリカ合衆国のミュージシャン、作曲家。”

ジャンルはR&B、モータウン・サウンド、ソウル系。優しく感情的な歌声が魅力ですね。マーヴィン・ゲイの曲について調べると誰もが「愛」について語っています。ちょっとクサいですが確かにマーヴィン・ゲイの曲には心を揺さぶられる何かがあると思う。

割とナイーブな人柄だったそうですね。濃い人生というか...厳格な父による躾の範囲を越えた精神的虐待、パートナーであった歌手タミー・テレルの夭折、結婚生活の破綻、薬物依存、破産等。あまり良い表現ではないですがドラマティックな人生。その中で自身の感情、愛を歌っているマーヴィンはとても魅力的なんだと思います。そんな彼は自身の誕生日、44歳で生涯を閉じる。悲しい。

”1984年4月1日の12時半頃、自宅で両親の喧嘩を仲裁した際に父マーヴィン・シニアと口論になり、激昂した父が拳銃を発砲、至近距離から放たれた2発の弾がそれぞれ胸部と肩に命中し、病院に運ばれる前に死亡した。その日はマーヴィンの45回目の誕生日の前日だった。また、父が使用した拳銃は生前に息子からプレゼントされたものであった。”

この作品は夜の雰囲気がありますね。「性」の世界を描いた作品だとか。幸福感、高揚感あふれる作品...簡単に言うとセクシーで「どスケベ」ですね。エモいという表現はあまり使いたくないですがエモーショナルな作品。

批判的な声は似たような曲が多い点。作品にマーヴィン・ゲイが主体的に取り組んでおらずモータウンのコンポーザー、リオン・ウェアから譲り受けた作品である点。ですね。確かにマーヴィンの作品とは言いづらく、とってつけた感のある曲もあって完成度は落ちるのかもしれない。個人的には流れるような曲の構成、最後まで保たれる曲のムードが素晴らしいと感じます。大満足。

1. I Want You (Vocal)
最高のソウル。セクシー、ロマンティック、メロウ。「I Want You」という直球な曲名に恥じない情熱的な曲だと思います。色気のある雰囲気がたまりませんね。パーカッションの役割が大きい気がする。パーカッションの駆り立てる感じにマーヴィンの声、ギターのカッティングやヒリヒリしたフレーズが絡み合ってる。この曲は特に声が悲しい感じがして好きです。

2. Come Live with Me Angel
この曲もセクシー。まったり、ドロッとした感じ。湿っぽい。楽器の絡み合い、音の層が厚い。聞いていると深くのめりこんでいくような感覚。ミドルテンポでじわーっとした弦楽器、管楽器が心地いい。

3. After the Dance (Instrumental)
浮遊感のあるキーボードが前面に出てきて印象的。ダサくならずに良い意味でチープな音に感じる。憂いを含んでいるけど割とポップな感じ。

4. Feel All My Love Inside
ささやくような色っぽい声が沁みる。寂しげなんだけど高揚感が漏れ出していて不思議な曲。弦楽器の繰り返しのフレーズが少し不穏で狂った感じがして気になる。女性の喘ぎ声がうるさいけど必要ですね!ねっとりしてる。

5. I Wanna Be Where You Are
1:17秒、短いけどパワーがある。この曲で作品のピークを迎えるような印象。最高潮に達して爽快感に満ちたような感じ。ここがA面の切れ目、確かにここが区切りが良い。
※フルバージョンはデラックス・エディションに収録

6.I Want You (Intro Jam)
タメ。1曲目「I Want You」のインスト。作品を通したテーマのよう。7曲目に入るための助走。

7.All the Way Around
幸福感に満ちた曲。夢心地。イントロが本当に美しい。曲はアップテンポな感じで畳みかけてくる。マーヴィンの多重録音された熱く、優しい声に包まれる。ベースのノリが好き。サックス?のソロが炸裂してる、渋くて聞かせる演奏ですね。

8.Since I Had You
曲の雰囲気が徐々に移り変わる印象。落ち着いてしっとりしたスタートから感情的、爽やかな曲調に変わる。キラキラ零れ落ちるような音はマリンバだそう、良い音。また喘ぎ声がうるさいけど必要なんですね!

9.Soon I'll Be Loving You Again
大人でかっこつけた感じがある。イントロの弦楽器のスレスレな音が琴線に触れる。男性の渋さ、色気を強く感じる。少しジャジーな感じもある。お酒飲みながらゆっくり聞きたい。

10.I Want You (Intro Jam2) 
6曲目のロングバージョン。けだるさがにじみ出てる。ブラスがいいですね。

11.After the Dance (Vocal)
しっとりと〆にかかるような曲。うっとりしますね。曲自体は割とあっさりした印象。ゆったりしたリズムが心地いい、甘いボーカルが乗ってメロウな感じ。アウトロが名残惜しい。

※『離婚伝説』、『Midnight Love』という作品も好きです。最近、ハッチポッチステーションという番組でグッチ裕三がマーヴィン・ゲイの「What's Going on」をオマージュした映像を見つけました。完成度が高くておもしろい。「いつが都合良いの~(What's Going on)」


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