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【61枚目】King Crimson『Earthbound』

King Crimsonのライブ・アルバム『Earthbound』(1972)

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またまたキング・クリムゾンのレビューです。Spotifyでライブ・アルバムの『Earthbound』が聴けるようになってたんで聴きました。オリジナルのアルバムも聴かせてくれんか。

1972年にレコーディング、リリースされた本作。音質が悪すぎて笑えますね。カセットで録られた音源を元にしてるんだとか。初めて聴いたけど想像の5倍は音質が悪かった。ただコレ聴いてるうちに音質の悪さがクセになりますね。音質の悪さが生々しくて、演奏の気迫が出てるというか。荒い、暴力的な演奏がかっこいい。来日ライブで見た正確で美しい演奏とはまた違った魅力があります。剥き出しの狂気、熱量が感じられるライブ・アルバム。

カセットで録られた音源を元にしており、劣悪な音質で知られる。

そこでより鮮明になるのはフリップとウォーレスやバレルのリズム・セクションが持つ資質の根本的な違いで、フリップの求める構築性とインプロヴィゼーションが複雑な絡まり合いを繰り返しながら変幻多様な音空間を創出するという点では、彼ら二人は明らかにスタイルが合わない。

黒っぽいフィーリングで勝手に暴走する3人とフリップの間の亀裂があからさまに見える本作は、当時のバンド内人間関係の険悪さを思い出させる記録だからか、フリップはずっと嫌っていたと思われているが、他メンバーの反対を押し切ってこのカセット音源をリリースしたのはフリップだった。

wikiにはポジティブな内容があまり書かれてませんが、個人的には愛せる変な作品だなと思います。メンバーのスタイルの違いとか集中して聞くと面白いかもです。調べてみると2017年に「40周年記念盤」が出てるそうで。7曲追加の12曲収録。音質も良くなってんのかな?1回聴いてみたいすね。

今作のメンバーは下記です。

ボズ・バレル - エレクトリックベース、リード・ヴォーカル
ロバート・フリップ - ギター、メロトロン
メル・コリンズ - サックス、メロトロン
イアン・ウォーレス - ドラム
ハンター・マクドナルド - VCS3、エンジニアリング

1.21st CENTURY SCHIZOID MAN

バリバリの音質が曲の狂気を増幅させてるような。ボーカル:ボズ・バレルの叫びに鬼気迫るものがあります。6:20〜、サックスの音が怪しくて良い。8:55〜、FOO!って掛け声がテンション上がって好きです。原曲により刺激を求める人はこっちのほうが好きかも。

2.PEORIA

ジャズ?ブルース?か微妙なジャムセッション。洒落てるサックスが曲を引っ張ってく。リズム隊が心地いい。4:00あたりでサックスとボーカルが交代。危ない感じのボーカルがサックスとはまた違う良さあります。オリジナルには未収録の一曲。

3.THE SAILORS TALE

イントロのドラムがドカドカしてて熱い。ギターがマイペースにのらりくらり進む感じ。「船乗りの話」って曲名にあってる。どこか中華っぽい雰囲気。4:25~、クライマックスが大げさでなんか面白い。

4.EARTHBOUND

ライブの盛り上がりが伝わってきます。重量のあるドラムの音が落ち着く。3:40~、wikiにあった黒っぽいフィーリングとフリップ先生のギターの絡みの部分かな、独特でおもろい。4:50〜、ブチ切れた演奏をしてる。

5.GROON

ノリノリで変なイントロが好きですね。クールに進む曲かと思いきやハードで熱い。唸るサックス。荒れ狂うドラム。7:00~のドラムソロは暴れまくり。5:25~、裏で叫び声が聞こえながら滅茶苦茶な熱い演奏。11:00~、唐突に爆音で宇宙みたいな音が流れるのがおもしろポイントです。

※2021年の年間ベストアルバムの記事を楽しく読んでます。来年は新譜を積極的に聴いたり、noteの更新頻度をもっと上げたりしたいです。

皆さま、良いお年を。

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