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【22枚目】鈴木茂『BAND WAGON』

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鈴木茂の1枚目のアルバム『BAND WAGON』(1975)

今月のギターマガジンの特集がおもしろかったです。
「ニッポンの偉大なギター名盤100」日本のギタリスト555人が”ギターがカッコいい日本のアルバム”を選定して集計するという企画。名盤ランキングって好きなんですよ!音楽に優劣をつけるのはナンセンスなんて意見もありますが皆の選ぶ良いものって気になりますよね。この『BAND WAGON』はもちろんランキング上位!皆に愛されるアルバムです。

※誰が何のアルバムを選んだか知れるのがいいですね。マーティ・フリードマンのギター名盤1位は美空ひばり全曲集だそう。クセつよいな。

説明しよう!鈴木茂とは

鈴木 茂(すずき しげる、1951年12月20日 - )は、日本のギタリスト・作曲家・編曲家である。はっぴいえんど、ティン・パン・アレーなどのメンバーとしてギターを担当した。

レジェンドですね。日本ギター史の至宝だとか。
縦横無尽に駆け巡るスライドギター、カッティング、最高です。
ギターマガジンの引用になりますが、
繊細さ、緻密さに優れた”音楽の快感”があるギター。痺れる。

『BAND WAGON』は鈴木茂のソロ1作目、単身渡米して制作に取り組んだとのこと。コーディネーターの手違いから予定していたメンバーを手配出来なかったそうですが、当時の米国西海岸において注目されているミュージシャンが多数駆けつけたことで結果的に豪華なメンバーになったとか。いいエピソード。個性が爆発しているギター、グルーヴ感満載の魅力的な作品。今の時代に聞いても色褪せない名作ですね。

【収録曲】

1.砂の女
軽快でポップな曲ですね。ドラムのソフトなタッチが心地いい。スラスラ流れるようなギターのフレーズが爽やか!絡みつく音、グルーヴ感。演奏を邪魔しない通った声も曲にピタッとハマっている感じ。シティ・ポップ調な曲?聞いていてワクワクする。

2.八月の匂い
けだるさが滲みでてる。ファンキー。ギターのねっとりした感じが八月の空気を表しているよう。管楽器が効果的にパッと入ってきて締まる感じ。ピアノもおしゃれに刺してきて好きです。ベースのフレーズも良い!

3.微熱少年
この曲は不思議な曲というか...けだるいんだけど明るい妙な曲ですね。高揚感。1、3曲目を足して割ったような印象を受けました。「微熱少年」というタイトルが最高。歌詞に日本語の良さを感じる。ギターのワウのふわふわした感じにアップテンポなドラム、ベースが絡んで夢心地。

”俄か雨降る午後に 体温計を挟み
天井の木目 ゆらゆらと揺れて溶けだした”

4.スノー・エキスプレス
インスト。ギターの独壇場みたい。ギターのぐにゃっとした音がストレートにぶつかってくる。リズム隊もギターに負けず熱い演奏。パーカッションの音が楽しい、駆り立ててくる。90年代クラブの人気曲だそう踊れますね。

5.人力飛行機の夜
渋い...ズンズン沁み込んでくる曲ですね。声が荒くて泥臭い感じが印象的。ギターはそんな声の上でふわっと跳ねてる感じ。ピアノが前にでてきて楽しい演奏をする部分がかっこいい。

6.100ワットの恋人
都会的な感じ。スマート。改めてドラムのリズム感、ノリが最高。曲を支えている安心感があります。スライドギターによる伸びやかな音の解放感。前曲通してギターは当然としてドラムもすさまじいですね。歌詞から男性の情けなさや女性の華やかさを感じとれて良い。

”春のウィンドウに映してみたけど 流石にきまった一張羅のスーツ”

7.ウッド・ペッカー
インスト。陽気、気楽ですね。ギターのチャッチャって感じのカッティングのノリが良い。リードギターは相変わらず駆け巡ってる。中盤から管楽器が前にガンガンでてきて音が濃い。

8. 夕焼け波止場
変化球な印象。のらりくらり。雰囲気は古風だけど古さを感じない卓越した演奏。イントロのギターのぱぁーっとした音一つで心をつかまれる。ピアノがまた軽快で楽しいです。

9. 銀河ラプソディー
パワーのあるポップソングという印象。サザン・ロック?どの楽器も主役のよう。ゴールに向けて突っ走るような、アルバムの最後まで集中力を切らさずに仕上げた曲に感じますね。この曲は力入っている感じがする。

※今回は鈴木茂を調べるうえで「ローウェル・ジョージ」という名前がよく出ました。ロックバンド、リトル・フィートの元ボーカル、ギタリスト兼リーダーだそう。リトル・フィートも気になるけど聞いてないバンドですね...鈴木茂に匹敵するギタリスト。期待大です。

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