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【54枚目】Talking Heads『Remain in Light』

Talking Headsの4枚目のアルバム『Remain in Light』(1980)

Talking Headsの最高傑作と名高い『Remain in Light』ベタにこのアルバムが一番好きです。

Talking Headsの元メンバー、デヴィッド・バーンのライブ映画『アメリカン・ユートピア』が現在公開中で評判良いみたいですね。見に行こうと思いつつ、もう6月も終わりです。時の流れが早すぎる。

トーキング・ヘッズ (Talking Heads) は、1974年に結成、1991年に解散したアメリカ合衆国のロックバンド。トーキング・ヘッズは、ニューヨーク・パンクの拠点となったライブハウス「CBGB」出身のバンドで、1970年代半ばから1980年代後半にかけて活動した。メンバーは名門美術大学、ロードアイランド・スクール・オブ・デザインの出身で「インテリバンド」と呼ばれることが多く、初期はパンク・バンドとされていたが、ボーカルのデヴィッド・バーンがアフロ・リズムに傾倒し、それを大胆に楽曲に取り入れるようになると、ポスト・パンクとされるようになった。

美大生のインテリバンド。芸術的で難しいバンドと思いきや情熱的で割と聴きやすいです。気持ちのいいリズム、グルーヴ。芸術家の狂気のようなものも垣間見える。延々と繰り返されるビートの追求、バンド編成の変化がメンバー間の不仲につながっているそうで。リズムやらグルーヴやらビートに重きを置いてるバンドの音楽制作、演奏って辛いんだろうな。音楽への情熱とバンドの破綻はセットですね。悲しいかな。

『Stop Making Sense』の「Life During Wartime」のライブとかすごく楽しそうです。デヴィッド・バーンの奇天烈なライブパフォーマンスを堪能できます。ティナ・ウェイマス(B)が可愛い。

1980年のアルバム『リメイン・イン・ライト』前後から、サポート・メンバーを大々的に起用し、ビッグ・バンド編成でライブを行うようになった。1981年からはライブの最中にバンド内バンド「トム・トム・クラブ」のコーナーを組み込むようになった。

『Remain in Light』はブライアン・イーノをプロデューサーに迎えた3作目の作品。1、2作目の『More Songs About Buildings and Food』『Fear Of Music』も人気ありますね。イーノと組んだことでバンドはアフリカ音楽、アフロビートを追求するようになったんだとか。原始的リズムとインテリのセンスが悪魔合体。「ポスト・パンク」で「ニューウェイヴ」で「ファンク」で「オルタナ」。1980年には衝撃的な音だったんでしょうか。今聞いても尖っててかっこいいです。

『Remain in Light』は前半は本能的にノれる音の繰り返し。後半は落ち着いて、意識高い感じがありますね。前半が強すぎて後半がちょい弱いって意見はまぁわかる。その点で他のアルバムのほうがトータルで優れてるって意見も見ました。個人的には後半も悪くないけど前半のノリも残した方が良かったんじゃない?って感じです。あと赤面したジャケットが好き。これってビートルズの『Let It Be』のパロディになるの?

【収録曲】

1.Born Under Punches
「アアッ!」イントロの雄たけびがカッコいい。原始的、デジタルな面が合わさって個性的な曲。リズムがどちゃくそ気持ちいいですね。チャカチャカしたギターに鋭いベースのスラップ。ピピピって電子音が欲しい時に来る。音の密度が楽しい。くり返す このポリリズム。2:45~ブライアン・イーノのシンセがチープでSFチック。宇宙的でブッ飛んでます。

2.Crosseyed and Painless
1曲目より忙しい。裏でピピピピなってる音が急かすよう。神経質、尖った感じでかっこいいです。チャカポコしてるパーカッションがおちゃらけてて丁度いい。シリアスにならないラインを攻めてる。1:50~の音を残して通過してくような感じ?とか好きです。

3.The Great Curve
2曲目よりヒートアップしてる。カッティングの切れ味が良い。パーカッションが駆り立てる。ボーカル、コーラスもノリノリ。アツい。2:00~キング・クリムゾンの元メンバー、エイドリアン・ブリューのギターソロが唸るエレファント奏法っていうんですかね?ボルテージが高まりきったアウトロで入るギターが痺れますね。

4.Once in a Lifetime
ここからB面。キラキラしてて何処か怪しい。酩酊状態。病的。デヴィッド・バーンの張り上げる声が妙に明るい曲にハマってる。このコール&レスポンスな感じが楽しいですね。コーラスとベースの「ンダダ」って低音も変で心地いいです。

※可笑しなMV。壊れたロボットみたいな動きがズルい。

5.Houses in Motion
ファンキー。アングラ。ダーク。ぐにゃっとした音作りにじわじわハマる。サビのギターがフワフワした掴みどころのない音で絶妙。ドラムのツッタ、ツッタって演奏が小気味良い、クールでかっちょいいです。地味めな一曲ですがダラっと聴けて割と好き。

6.Seen and Not Seen
「野性味あふれるリズム」×「インテリ要素」で不思議な曲。秘境を探検しているよう。未知との遭遇感。ふわっと浮かんでは消えてく音が綺麗。デヴィッド・バーンの語りがスピリチュアル。

7.Listening Wind
この曲もスピリチュアル。6曲目に比べて危うい。秘境の探検も奥深くに来てしまった感じ。反復する機械的な音。綺麗で怪しい音が漂う。

8.The Overload
不穏なスタート。前半のノリはどこへ?って感じで陰鬱。デヴィッド・バーンの呪詛のような語り。ぬるっとしたベースが印象的。曲全体を闇が薄っすら包んでる。「Joy Division」っぽい。

※Talking Headsのバンド名の由来は「有事に備えCGで世界中の政治的リーダーの顔と会話をシミュレートしようとするマサチューセッツ工科大学の研究プロジェクトからとられた。」らしい。しっくり来るいらすとがなかったので「頭(Heads)」で検索した「頭の体操」のいらすとです。妙にシュールで気に入りました。

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