親になるということ。10歳になったあなたに贈る言葉たち
長女が10歳の誕生日を迎えました。書くことが仕事になったわたしは、それ以外の時間に書くことはなかなかできなくなってしまったけれど、子ども達の誕生日だけは記録を残しておきたいと思っています。
いつか彼らに困難が訪れたときに、なにかの糧になってくれたらいいなと願うからです。
この願いは、きっとわたしだけが持っているだけのものではなく、親である多くの人が持っているものだと思います。
長女に宛てたメッセージは、もしかしたら長女だけでなく、「子ども」だったり、「子ども」であった人たちにも同じようなことが言えるかもしれないなと思い、ここに残しておきます。
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10年前に言葉を持っていなかったあなたは、語尾を上げて女子高生のように話すようになりました。
9年前に歩けなかったあなたは、運動会で早く走れるかを気にするようになりました。
8年前に男の子のお友達にチューしてたあなたは、みんなの前で話すのはちょっと恥ずかしいと言うようになりました。
7年前にはじめて弟ができたあなたは、その弟を小学校に連れて行ってくれるようになりました。
6年前にエルサが大好きと言っていたあなたは、プリンセスはもう違うと言うようになりました。
5年前にふたりめの弟ができて小さくてかわいいね、と言っていたあなたは、ときに弟なんかいらないと言うようになりました。
4年前に卒園式で大泣きして卒園を拒んでいたあなたは、小学校も結構たのしいと言うようになりました。
3年前に誕生日プレゼントはレゴのセットがいいと言っていたあなたは、洋服が欲しいと言うようになりました。
2年前に〇〇くんが好き、と言っていたあなたは、好きとかそういうのはわかんない、と言うようになりました。
1年前にひとりで留守番するのは嫌だと言っていたあなたは、家で待ってるから行ってきて、と言うようになりました。
変わりゆくあなたを側で味わさせてくれて、今まで知らなかったいろんな感情に出会わせてくれて、いろんな感情に出会うあなたを見させてくれて、ありがとう。
なにかができるとかできないとか関係なく、ただいてくれるだけで嬉しいものだということや、好きな人が楽しそうにしてるだけでとても幸せな気持ちになるということを知れたのは、あなたが10年前に生まれてきてくれたからだと思います。
お誕生日おめでとう。大好きだよ。たくさんの幸せがあなたに降り注ぎますように。
書けども書けども満足いく文章とは程遠く、凹みそうになりますが、お読みいただけたことが何よりも嬉しいです(;;)