子どもは大好きだが、育児は趣味ではないんだな
子どもが産まれてもうすぐ3ヶ月。
仕事から帰ると、息子は妻の腕の中で笑顔で迎えてくれる。
ここ2週間ほど前からできるようになったその表情は、生まれてすぐのほほの筋肉反射とは違い後光が差すような神々しさである。
純粋無垢な優しい眼差しは、出勤時からガチガチに着込んだ心の鎧を温かく包み一瞬で溶かしてくれる。
その鎧は心とサラリーマンとしての立場を守ってくれるが、ひどく重たく疲れる。そして、時に鉄のように冷たく心を凍えさせる。
そんな心を一瞬で救ってくれるのだ、天界から心の荒んだ私を救いにきた天使ではないかと疑ってしまう。
時々可愛すぎて目を逸らしてしまう、眩しくて直視できないのだ。
それだけ私が疲れているのか、それともただの親バカなのか。
おそらく半々なのだろう。
もちろんガン泣きしてる時はかなり参ってしまう。
退院した直後は“ふぇええッー“と可愛らしく泣いていたが、今は〝ギィやあぁああーッ!!“と命の危機を知らせるように背中スイッチを発動させる。
その声量たるや耳がキンキン震え、突然頭の中でマキシマムザホルモンを流されたような威力である。
この小さな体のどこにそんな力があるのか。
しかし、恐ろしいのは声量だけではない。何か悪いことをしてしまったような罪悪感が波のように押し寄せるのだ。
さっきまであんなに笑顔だったのに!
あの天使のような笑顔が、腕から下ろしたばかりに泣き顔に…。
恐ろしいのはそれだけではない、妻も苛立つのだ。
ビリビリビリ大地が揺れる、ズキズキズキ腕が痛む、ビリビリビリ大気がウネる
ヤバさを感じて抱き上げるも、横抱きでは満足してくれない。しょうがないので縦抱きをするがこのだき方は筋力の消耗が激しい。
利き腕はボロボロで、まるでセル戦終盤の悟飯状態である。
なんとか持たせようと一旦ソファーに座るもお気に召さないのか必死にヘッドバンキングし始める。
首も座ってないのでめちゃくちゃ焦る。
仕方ないから立ち上がり逆の腕でお尻をささえるがあっという間に筋持久力の限界を迎える。
…みんな、こんな思いをしているのだろうか?
いや、きっとしているに決まっている。
うちはまだまだなんだろう、まだまだきっとコンナモンジャナイ…。
悟空みたいに世の中には強え奴がたくさんいんなぁオラわくわくすっぞ!って言ってみたいけど、手がガタガタ震えてとても言えない。
もっと筋トレしとけばよかった!
今ならあの父さんを超えてしまったとか言って筋肉ダルマになったトランクスの黒歴史姿が羨ましく思う。
実は父さん、残業少しでも減らす為にベジータ戦の界王拳4倍ばりに負荷かけたスケジュール組んじゃって家帰ってきた時にはすでにヘトヘトだったんよ。
そして、やっと寝落ちしたのを見計らって縦抱きしながらソファーに座ってこれ書いてる。
しばらくここで様子を見て、ベッドに下ろすよ。
なんかね、そんな時にふと思ったんよ。
時間空いたら気分転換したいと。
そして、ほぼ同時に“何をしよう?〝という疑問が生まれた。
自分が何をしたいのかわからないのだ。
ドラゴンボールを必死に読んでた子どもの頃ってやりたいこととか、好きなこと腐るほどあった。
しかし、今の自分はとっさに思い出すこともできない。
これはまずい。
私が尊敬する会社の大先輩が言っていた
「大変なことがあったら、それに負けないぐらい好きなことしないと」
これは家でも仕事のことを考えてしまうと悩んでいたかつての私に、その大先輩がかけてくれた言葉だ。
いまは仕事だけじゃなくて育児も頑張らないといけない。
そう、妻にばかり任せるわけにもいけないしそもそもできない。
二刀流なのだ。
正直慣れない日々で苦戦している。
だからこそ、時間ができた時に少しでも好きなことをしたい。
そういう自分時間を大切にしたい。
その為に、気がついた時にここにメモしていこうと思う。
…精神と時の部屋があれば良いのに。
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