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ロッド・スチュワート「胸につのる想い」 〜 歌詞和訳

オランダ訛りの胸の大きなレディ 〜 胸につのる想い

のっけからオヤジギャグをかましてしまうけれど(確かオヤジギャグを英語で言うなら "corny joke" という言葉があるんだけど、c を H に代えて "horny joke" にするとエッチな冗談って感じ、でもまぁ今から書くことは特別卑猥なことなんかじゃありませんぞ、括弧は長かったけど!)、この歌の原題は "You're in My Heart (The Final Acclaim)" で、副題らしき括弧部分は時々落とされて "You're in My Heart" と紹介されてたりもする。筆者はこの曲が収録されたアルバムをリリース当時の 1977年に買っていて、特に理由もなくこの曲はその高校2年の時以来ずっと "You're in My Heart" (発音は日本語訛りかもだけど、笑)、だけど邦題「胸につのる想い」については、あれはあれでけっこういいタイトルだなと思ってる。

あ、冒頭で「のっけから」と書いたけど、いつも通りの「もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵」(椎名誠さん、タイトルいただき!)で、読み過ぎならぬ書き過ぎしたので、段落を変えて、その「胸につのる想い」という邦題の件。

この歌の歌詞の中で歌われている女性って、歌詞からそのまま引用すると "The big bosomed lady with the Dutch accent" なんだよね。邦題の「胸につのる想い」って、まさか彼女に恋した自分の「胸」に彼女への想いが募ってるってことじゃなくて、「(オランダ語訛りの英語を話す)胸の大きなレディ」のその大きな「胸」に(対して!! 感嘆符2つで両胸!!)自分の想いが募ってるって、そういう意味じゃないよねぇ。というわけで "horny joke" というほどでもない、"corny joke" でした!

さて、「活字」だけじゃイメージが沸かないというあなた、あなたの為に、イメージ画像を掲載しましょう。イメージ、あくまでイメージですぞ。

本 note 投稿のタイトル上の写真の人、その人こそ、"The big bosomed lady with the Dutch accent", そうです、a Dutch model, Dioni Tabbers なのだ。

まぁオランダ語訛りの英語を話すのかどうか確かめてないけれど、オランダ生まれのオランダ人モデルで、イギリスでも活動してるから、たぶん "The big bosomed lady with the Dutch accent" と言っても間違いないのでは? "The big bosomed lady" の方も大丈夫だと思うぞ。

そうだ、もはやあまりに昔、ジュラ紀の頃か、この地球上にクロマニヨン人が住んでた頃ほどの時代の昔話だけど、「胸につのる想い」収録アルバムを買ったときは上に書いたように拙者(筆者!)は高2で、それは高1の終わり頃から同じ高校の女の子と付き合ってたその後半期だった。拙者は胸が大きいとか小さいとかほんと正直どっちでもいいんだけど(マジで!)、その彼女はたまたま big bosomed girl (^^;(^^♪ で、まぁ何というか自分とは全然タイプの違う女性だったので、期せずして "who tried to change my point of view" みたいな感じもあったかもしれない。だからあの歌の歌詞は当時そこそこダイレクトだったかもなぁと。日本人だからオランダ語訛りじゃないし(そもそも日本語だけど、笑)、彼女のアドリブのセンスがよかったかは分からないけれど、若気の至りだからねぇ、"my heart cried out for you" という感じはあったんだと思う、要するに、「胸につのる想い」が強過ぎたのか(笑)、1年そこそこで別れてしまった、ああ青い春の、単に懐かしい思い出。たまに同窓会で会ったりすると思い切り笑い話できる相手なので、まぁここで匿名で書いても NP です。

さて、こちらは Dioni Tabbers さんですぞ。

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上の写真は "The big bosomed lady with the Dutch accent" ♫ の歌詞のイメージに合うと思うけど、下の写真はちょっとワイルド過ぎかも。

[ 2021年2月8日午後7時30分頃、イメージ画像1枚 note「利用規約に違反をしていたため公開を停止」となる:拙者、その「禁止事項」規定に抵触していると認識せず掲載したものの、note 事務局よりその旨判断された以上は従うほか選択の余地なし。Facebook だと異議申し立て可能だが、note はそれがないし、特に note に関しては今後ともここで書いていきたいので、規約をこれまで以上に厳密に解釈していこうと思っている。以上、この極めて真面目な話部分については、2021年2月8日午後8時25分、加筆公開。なお、この部分の前後については編集せず、当初公開当時のママである。]

ええい、もう一枚!

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実際、ロンドン辺りにも出没(下にリンクを貼った、そんなでもないのに年齢制限が付けられてしまってるヴィデオ、お相手はフランス系カナダ人モデルの Charlie Dupont) ... だけど少なくとも Dioni Tabbers さんは近年はあまりモデルとして活動してないかも。単に最近の彼女のインスタ投稿が少ないから推測してるだけで詳細不明(幸せそうな写真投稿を見たのでちょっとひと休みかも)。

どんどん脱線するけど(笑)、幸せそうな写真投稿というのは、この人 Dioni Tabbers さんの最新のインスタ投稿のことで、昨年9月5日付(しかも昨年の投稿はその一つだけ)、仲睦まじい恋人との写真10枚にテキストが添えられていて、"My love and best friend, today was supposed to be the day we said YES! Looking forward to becoming mrs Chuter next year." と書かれ、相手のものと思われるアカウントにタグするとともに、"betterlatethennever",  "loveisintheair" といった素敵な言葉にハッシュタグが付けられている(因みに彼女は 1991年生まれだと思う)。

"My love and best friend" というのは、今日取り上げる歌 "You're in My Heart (The Final Acclaim)" の歌詞の中の "You're in my heart, you're in my soul. You'll be my breath should I grow old. You are my lover, you're my best friend. You're in my soul." ♫ に通ずるところがあるなぁと。

脱線し過ぎだけど、以下の 2つのヴィデオ(くどいようだけど、二人のファッションモデルが出演するヴィデオ、特別に「年齢制限」つけるほどとは思えないんだけど)のうちの後者は "London Calling" って名付けられたキャンペーンのヴィデオだから、その下につい、あの "London Calling" ♫ を付けてしまいたくなる。

"London Calling" 〜 a title track from the third album by The Clash, released in the United Kingdom in December 1979


ワン・アンド・オンリーのラヴ・ソング, 「胸につのる想い」 〜 You're in My Heart (The Final Acclaim)

さて、前章の最後に The Clash の "London Calling" を載せてしまって雰囲気が物騒になったけど、気分を戻して(戻しましょう!)ここから先はまた、Rod Stewart の "You're in My Heart (The Final Acclaim)" についての話。

早速だけど、この歌がどうしてラヴ・ソングとしてワン・アンド・オンリー、唯一無二、唯一無比(という言葉は実は非公式なんだけど!)なのか、ということは、歌詞と筆者による和訳歌詞を載せた次章の中に書いた。

本章の見出しに書き込んだことなのにその理由はだから次章に譲るとして、この歌、実はちょっとだけ謎がある。

"I didn't know what day it was when you walked into the room. I said hello unnoticed. You said goodbye too soon." で始まるこの歌、次のヴァース(節、連というべきか)は "Breezing through the clientele, spinning yarns that were so lyrical. I really must confess right here. The attraction was purely physical.", 

で、ここまでをとりあえず、次章で載せている筆者による和訳歌詞から先に引いてしまうと、「いつのことだったかはもう分からなくなってたよ(直訳すると『何曜日だったのか知らなかった』ということにも?)。君が部屋に入ってきた日のことさ。僕はやぁって言ったけど気づかれなかったし、君はあっという間にさよならだったね。常連さんたちを難なく片付けていくのがまるで糸を紡ぐよう、叙情詩みたいでうっとりするよ。でもここで自白しておかなきゃね。最初はまったくの体目当てだったんだ」。

この歌で歌われている女性はどういう人で、元々どういう関係だったのか。

これははっきり書かれていないから想像する他ない。最初の "the room" がまず何なのか明瞭ではないけれど、"clientele" は当然ながら client と語源は同じで、レストランとか商店とかの「常連」を指す言葉。ただ、訴訟に関する依頼人という意味で使われる時もある。

(ただし、例えばここでの "clientele" に関しては、常連とか依頼人といった意味になるこの言葉を、単に「声をかけてくるいつもの男たち」を意味するもとして暗喩的に使っているのかもしれないのだが ... この括弧、2021年2月7日加筆)

"clientele" の意味の後者の方を先に取ると、揉め事起こしてちょくちょく訴訟の依頼人としてやってくる連中の相談を「難なく片付けていく」、オランダ生まれオランダ育ちでオランダ訛りの英語を話し、ロンドンの法律事務所で働く辣腕の女性弁護士、それでいて(それでいても何もないけど、笑)"The big bosomed lady"!!

胸は膨らまないが、想像はいくらでも膨らませてよい。

一方で、上に引いた部分の歌詞の中身や "clientele" について書いた意味の前者を踏まえると、もしかしたら、あくまで 'もしかしたら' だけど、娼婦に恋したのかな、という気もして来る。それだって構わないよね、もちろん。娼婦と娼婦の相手はそこにとどまる限り平等な関係とは言えないんだろうけれど、それを超えたら結局、全ての恋愛は等価値だ(具体的なことは自分の経験で書いてるのではない、念のため!)。

誤解されたくないが、くどくどとは書かない。要するに、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」だって単に身分のことだけ言えば平等じゃない。しかし、その程度の意味の対等な関係でしか恋愛感情が起きないとか、最初から平等もしくは対等な関係の中で始まった恋愛しか恋愛じゃない、なんてことは有り得ない。

当然、映画とか歌とかフィクションの小説とかで描かれるものには脚色があるけれども、それが現実世界で全く起きないのかと言えば、そんなことはないと思う。

ほんの一例だけど、映画では「プリティ・ウーマン」(1990年アメリカ、リチャード・ギアとジュリア・ロバーツの共演)。

映画だけじゃない。もちろん歌にもある(まぁそもそも上の映画の主題歌も大ヒットしてるけど)。

例えば、ドゥービー・ブラザーズの「サウス・シティ・ミッドナイト・レディ」。まぁこれはラヴ・ソングとまでは言わないかもしれないけれど、この歌の歌詞が織り成す物語の主人公であるところの「自分」を救った娼婦のことを歌っていて、彼女への想いが美しいメロディとともに表現されている。

South City Midnight Lady 〜 from "The Captain and Me", the third album by The Doobie Brothers, released in March 1973

*一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)より「著作権を有する音楽著作物の著作権を侵害している」旨, 指摘を受けた為, 当初 私の誤認識によりここに掲載していた英語歌詞を削除しました。歌詞に関心のある方は, 公式サイト等に掲載されているものを確認してください(2022.9.2 加筆/削除/編集)。

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ここまで、本 note 投稿の主題で取り上げる歌とは違う歌、3曲もピックアップしてしまった ♫ ("London Calling", "Pretty Woman", "South City Midnight Lady")

"You're in My Heart (The Final Acclaim)" by Rod Stewart 〜 歌詞和訳

前章の冒頭の方でも書いたけれど、「胸につのる想い」という邦題をつけられたこの歌 "You're in My Heart (The Final Acclaim)" は、見ての通りで括弧書きで副題らしきものが付いていて、"You're in My Heart" の方は逐語訳すれば「君は僕の心の中に」なんだろうけどそれじゃ日本語としては何だかカッコつかないし、その意味で「胸につのる想い」はしっくりくるからいいと思うけれど、さてカッコつけた(筆者の駄洒落ですよ!)"(The Final Acclaim)" の方はどうかというと、これは直訳すれば「最後の称賛」もしくは「最後の絶賛」もしくは「最後の喝采」。

喝采というのは、声を上げて褒め称えることですね。つまり、"The Final Acclaim" というのは、「もうこれで最後だよ」、「絶大なる、しかし最後の賛辞だよ」、要するに、「もうこれ以上は言わせるなよ」ってこと。

この歌はラヴ・ソングと言えばラヴ・ソングだけど、その意味でごく普通の、ありきたりのラヴ・ソングじゃない。何しろ、「俺の気持ち、分かるだろ?」、「もうこれ以上は言わせないでよ」なんだから。

この歌、実際、そのくらい、これでもか、これでもかと、相手のことを褒めそやし、愛と感謝のメッセージを送ってる。

稀代の色男、言い換えれば「いい意味で」遊び人(「いい意味で」遊び人ってどんな意味だ、笑)、モテ男(のイメージがある、笑)、ロッド・スチュワート一流の口説き文句のオンパレード。

だから、そういう種類の、つまり、これ以上ないくらいに素晴らしい、世にも稀な、極めて美しい、この世のものとは思えないほどに流麗な、リチャード・ギアとジュリア・ロバーツの「プリティ・ウーマン」よりも、いやシェークスピアの「ロミオとジュリエット」よりもロマンチックで、まさにこれは "Final Acclaim" だぜ、だからもう「これ以上は言わせるなよ」と言いたくなるくらいの、極上のラヴ・ソングなのです(笑)。

ロッド本人の作詞作曲。イントロのアクースティック・ギターからして既にリスナーの心を引き込む(恋する相手が聴いたらうっとりするような)魅力があるけれど、あれを弾いているのはスティーヴ・クロッパー(Steve Cropper, Booker T. & the M.G.'s)。

YouTube 上にスタジオ・ヴァージョンの音源がたくさん上がってるけれど、とりあえずこの曲が収録された彼の 8枚目のアルバム "Foot Loose & Fancy Free" (アルバムの邦題「明日へのキック・オフ」はとても acclaim などできないレベルだよねぇちょっと酷すぎ、因みに辞書引くとさっと出てくるけど "foot loose and fancy free" は「全く自由で何の制約もない」といった意味、嗚呼カッコつかない括弧の長さ!)のカヴァーが使われているものを使って、その下に英語歌詞と筆者による和訳歌詞を載せます(あ、いつの間にか「ですます」調になってる、笑)。

歌詞は 2016年の夏に訳して、その後、時々それを Facebook に投稿したりしてきたんだけど、今日、少しだけ(本人的には)「改良」して、note 掲載に至った。

You're in My Heart (The Final Acclaim) 〜 from "Foot Loose & Fancy Free", the eighth album by Rod Stewart, released on November 4, 1977

*一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)より「著作権を有する音楽著作物の著作権を侵害している」旨, 指摘を受けた為, 当初 私の誤認識によりここに掲載していた英語歌詞を削除しました。英語歌詞・原詞は公式サイト等に掲載されているものを確認してください(2022.9.2 加筆/削除/編集)。

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You're in My Heart (The Final Acclaim) 
胸につのる想い(これ以上は言わせないでくれ)

いつのことだったかはもう分からなくなってたよ(*1)
君が部屋に入ってきた日のことさ
僕はやぁって言ったけど気づかれなかったし
君はあっという間にさよならだったね

常連さんたちを難なく片付けていくのが(*2)
まるで糸を紡ぐよう 叙情詩みたいでうっとりするよ
でもここで自白しておかなきゃね
最初はまったくの体目当てだったんだ

君の癖とか習慣とかは全て受け入れたよ
最初はかなり難しかったけどね
でもファッション・センスもビアズリー柄も(*3)
今は経験させてもらったって思ってる

オランダ訛りの英語を話す胸の大きなレディ(*4)
君は僕の考え方や価値観まで変えようとしたね
アドリブは実は周到に準備されたものだったけど(*5)
それでも僕の心は君に向かって叫んだのさ

君は僕の心のなかにいて、僕の魂のなかにいて
ともに歳を重ねていく僕の息づかいそのもので
僕の恋人で、僕の最高の友で
そうさ 僕のソウルのなかにいるのさ(*6)

僕の君への愛は計り知れないほどだし
君への尊敬は広大だし
君は歳を取らないし、永遠だし、レースのように品があって全く見事だよ(*7)
そのうえ綺麗で 優雅そのものなんだ

君はラプソディ(叙事詩、狂詩曲)で、コメディ(喜劇)で
シンフォニィ(交響曲)で、プレイ(戯曲)で
しかもこれまでに書かれた全てのラヴソングで
だけどハニー、君は僕のなかには何を見てるの?(*8)

君は僕の心のなかにいて、僕の魂のなかにいて
ともに歳を重ねていく僕の息づかいそのもので
僕の恋人で、僕の最高の友で
そうさ 僕のソウルのなかにいるのさ

君はグラマーな(魅力的な)エッセイで
でもグラマー(文法)は勘弁してね(*9)
君は全てのガキどもにとって夢のような存在だし
セルティックだし、ユナイティドだし、いや僕は決めたよ
君は今まで観てきたなかで最高のサッカー・チームさ(*10)

だけどいろんな出来事があったよね(*11)
僕は何度も君から離れようとしたけど
結局は唇を噛みながら振り返ってしまうのさ
なぜって 君は僕が出会ったなかで最高に温かい女性だからさ(*12)

君は僕の心のなかにいて、僕の魂のなかにいて
ともに歳を重ねていく僕の息づかいそのもので
僕の恋人で、僕の最高の友で
そうさ 僕のソウルのなかにいるのさ

君は僕の心のなかにいて、僕の魂のなかにいて
ともに歳を重ねていく僕の息づかいそのもので
僕の恋人で、僕の最高の友で
そうさ 僕のソウルのなかにいるのさ

君は僕の心のなかにいて、僕の魂のなかにいて
ともに歳を重ねていく僕の息づかいそのもので
僕の恋人で、僕の最高の友で
そうさ 僕のソウルのなかにいるのさ

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注釈

*1 "I didn't know what day it was" だから、直訳すれば「何曜日だったのか知らなかった」にもなり得るのかな。まぁこの辺の細かいことはあまり気にしなくていいような(気がする!)。

*2 "clientele" は client と語源は同じで、レストランとか商店とかの「常連」、もしくは「訴訟に関する依頼人」。彼女は何をしている人なのか、その辺は前章「ワン・アンド・オンリーのラヴ・ソング, 『胸につのる想い』 〜 You're in My Heart (The Final Acclaim)」に書いたでの、先にこっちの歌詞和訳の章をご覧になっている方は、前章も覗いてみてください。

*3 "Beardsley prints", 「ビアズリー柄」については正直、お手上げ。ファッション・モデルについては多少知っていても(笑)、ファッション関係に疎い筆者は(おお、しかしながら、そう言えば 1990年前後に妻と一緒に東京ベイNKホールでの The Manhattan Transfer の来日公演を観に行った時、そのオープニング・アクトがイタリアのファッション・ブランド Fendi によるファッション・ショーだった!)、「ビアズリー柄」が何なのか、よく分からない。

もしかして Aubrey Beardsley に関係あり?

*4 まぁここは「オランダ訛りの英語を話す胸の大きなレディ」とまで言わなくとも、「オランダ語訛りの胸の大きなレディ」とか「オランダ訛りの胸の大きなレディ」とかでいいかもしれないけれど。

*5 「アドリブは実は周到に準備されたものだったけど」と訳したところ、英語の歌詞の方は "Her ad lib lines were, well rehearsed" となっていて、この歌の歌詞では相手のことはほとんど "You" という呼びかけ的な二人称なのに、ここでは "Your" でなくて "Her" になっている。

要するに、「アドリブのように見えた仕草やそんなふうに聞こえた言葉は実は周到にリハーサルされたものだったけど」というこの部分だけは、あえて相手に直接語りかけるような表現を避け、意図して三人称にしたんじゃないかなと思う。

*6 "You're in my heart, you're in my soul ... You're in my soul.", 「君は僕の心のなかにいて、僕の魂のなかにいて ... そうさ 僕のソウルのなかにいるのさ」、もちろん後の "soul" も「魂」で構わないんだけど、ソウルって言葉はクールだし、カタカナ英語でもそこそこ通じるから、ここは「魂」を繰り返さないで訳し方を変化させてみた。「ソウル」にしたのは、ただそれだけの理由。

*7 "You're ageless, timeless, lace and fineness", 「君は歳を取らないし、永遠だし、レースのように品があって全く見事だよ」、この "lace" をどう訳すかについては、*3 の "Beardsley prints" よりももっとお手上げだったかも。

"lace" に普通使われる以外の何か特別な意味があって、この部分の歌詞の和訳に使えたりしないかとググってみたんだけど、しっくりくるものがないのだ。

筆者はせいぜい、レースのカーテンとかレースの下着とかを想像する他ない。

とかいってググらせながら(誰もしない? 笑)、ここでの "lace", もしかしたら特に意味はなく、単に韻を踏むために選んだ綺麗な語感の言葉という程度なのかもしれない(歌の歌詞とかには時々そういうものがあったような .. なお、*7 の中の 'Google 検索' の下の部分については 2021年2月7日加筆)。

*8 "You're a rhapsody, a comedy. You're a symphony and a play. You're every love song ever written. But honey, what do you see in me?" ... この畳み掛けるような大絶賛。まさしくこの歌のサブ・タイトル、"(The Final Acclaim)", つまり「最後の称賛」、「最後の絶賛」、要するに「これで最後だよ、これは絶大なる、しかし最後の賛辞なんだ、だから分かるだろ、もうこれ以上は言わせるなよ」(あのサブ・タイトル、日本語に訳すとこんなに長くなるのか、笑)の面目躍如!

ところがどっこい、稀代の色男、モテ男のロッド・スチュワートはこの後も彼一流の口説き文句を続けている(爆)。

とりあえず、ここの部分、これでもかこれでもかと(あらためて)口説きまくる歌詞を、綺麗に韻踏みながら歌ってるので、カタカナ表記は残す選択しかない。

だから、「君はラプソディ(叙事詩、狂詩曲)で、コメディ(喜劇)で、シンフォニィ(交響曲)で、プレイ(戯曲)で、しかもこれまでに書かれた全てのラヴソングで、だけどハニー、君は僕のなかには何を見てるの?」で決まり。

*9 "You're an essay in glamour, please pardon the grammar.", 「君はグラマーな(魅力的な)エッセイで、でもグラマー(文法)は勘弁してね」。引き続き、自分が恋した女性をひたすら褒めまくるロッド、前項 *8 で取り上げた「ラプソディ」、「コメディ」、「シンフォニィ」、「プレイ」、「これまでに書かれた全てのラヴソング」でもまだ足りないのか、今度は「エッセイ」だと宣う。これがまた洒落ていて、"essay in glamour" と言っているのだが、ここでの "glamour", 日本の現時点・おっさん世代ならよく使ってきた「グラマー」という言葉の英語だけど、英語の方のそれは何もセクシーな意味合いのそれだけでなく、とにかく人を幻惑させるような魅力だとか、魅力的な美貌だとか、意味の幅は広い。外見だけでなく、生き方などが魅力的な場合とかでも使える。

で、"grammar" の方はもちろん、多くの日本人がこれまでの学校の英語教育でうんざりしてきた、あの「文法」のこと。

ここで若干、あれ?と思うのは、筆者を含む大多数の日本人は "l" と "r" の発音の区別は大のつく苦手だから要するに聞き分けも難しく、「グラマー」「グラマー」と繰り返す面白さがあるけれど、英語ネイティヴにとっては、"glamour" と "grammar" は明らかに別のものとして聞こえる、発音も違う二つの異なる言葉のはず。

これを並べることが英語ネイティヴの人たちにどれだけの洒落になるんだろうと長年思ってきたんだけど、最近たまたまテレビでこの歌とは全く関係なく "glamour" と "grammar" の関係のことをやってるコーナーを視聴する機会があって、この "l" と "r" ではっきり違う二つの言葉、実は語源を探ると同じところに辿り着いて、どうも後者、つまり "grammar", 学問の方に関係ある話になっていくらしいことを知った。本題から離れるのでここでは詳細割愛!

*10 "You're Celtic, United, but baby I've decided", "You're the best team, I've ever seen", 君は「セルティックだし、ユナイティドだし、いや僕は決めたよ」、「君は今まで観てきたなかで最高のサッカー・チームさ」。

ついにここまで(笑)。ロッド・スチュワートはかつてサッカー・チームを所有したこともあるほどの大のサッカー・ファン。Celtic は Glasgow Celtic のことで、United は Manchester United のこと。

*11 "And there have been, many affairs", "And" で始まっているけれど、ここは単に和訳歌詞の中の文脈上、「だけどいろんな出来事があったよね」。因みに affair は沢山の意味がありますね。短い間の不倫とか浮気とかだって affair, 有名人の色恋沙汰は celebrity affair, いわゆる社内恋愛、同じ職場の人との恋愛は affair across the hall と言ったりするようで。とは言っても domestic affairs だと、家事とかあるいは国内事情、内政といった意味になるし、実に様々。まぁこの歌詞も "many affairs" だし、いろいろ、色々、あったんでしょう(笑)。

*12 "you're the warmest thing, I've ever found", 「君は僕が出会ったなかで最高に温かい女性」という和訳にしたけれど、ここもけっこう難しく、どういう日本語にするのかは悩ましい。hot だと、暑い、熱い、(味が)辛い、最新の、などの他に、俗語で使えば、素晴らしい、イカした、カッコいい、更にはこれはけっこう日本人の間でも伝わると思うけれど、セクシーなニュアンスで魅力的、更には、性的に興奮した気分になって、みたいな意味でも使われる。ロッド・スチュアートならば、その hot の方を使って hottest と言っても逆に妙にいやらしい感じにはならないような気がするのだが、warm の方はというと、これがまた実は、暖かい、温かい、暖かい感じ、などの他に、心の温かい、友好的な、といった意味があるだけでなく、熱心な、更には、好色な、という hot 同様の意味まであるようだ。

ロッド・スチュアートが言う "you're the warmest thing, I've ever found", もしかしたら明るい感じの、ある意味、天然なあっち系の(要するに hot のアレみたいな!)ニュアンスも含まれているのかもしれない。

Bonus track 1-5: "You're in My Heart (The Final Acclaim)" 〜 Various Versions!!

1) これは PV 版。

2) これは 33歳の頃のライヴ。

3) これは 2004年10月のライヴの映像だと思う。Rod Stewart は当時、御年59歳。見た目は確かに年相応に見えるけど、振る舞いは若い。

4) ロッド・スチュワートは 1945年1月10日生まれ。これは 69歳の時。69歳、「ほぼ」70歳のライヴ。「ほぼ」古希、つまり「古来稀なる」年齢の古希に近い歳でこの女好き。いや、ってことでなくてサービス精神やら何やら。その辺についてはこれより 10年前、上の 59歳の時とさして変わらないかも。いろんな意味で、色んな意味で(笑)、凄すぎ。

5) 最後のは "You're in My Heart (The Final Acclaim)" じゃないじゃないかって? なんでこの歌をここで出すんだって? .. それは "I Don't Want To Talk About It"!!

Rod Stewart の母親は North London 育ちの English ながら、父親の方は Scottish, この二人が長男と次男、長女と次女を得た時は Scotland に住んでいた(末っ子の Rod Stewart は両親が North London に引っ越してから生まれた)。

ここでデュエットしている Amy Belle は Scottish singer で、Scotland の Glasgow に住んでいる。本 note 投稿の主題の方の "You're in My Heart (The Final Acclaim)" の歌詞の中にある "You're Celtic, United, but baby I've decided", you're the best team, I've ever seen" の箇所で歌われている、Rod Stewart が贔屓にするサッカー・チーム Glasgow Celtic のホームタウンに住んでる女性なのだった。まぁ偶然だろうけど(笑)。

これは 3) の時と同じだと思う、2004年10月のライヴ。Rod Stewart, 当時 御年59歳。しかしロッド先輩、最近の様子もたまに見るけど、この頃から「ほぼ」トシとってないのではないか!? .. 拙者(筆者、笑)、昨年「還暦」の身。見習わねば!

因みにこのヴィデオが YouTube にアップされたのは、ライヴから 12年後の 2016年8月5日。今日、2021年2月5日までのちょうど 4年半で、既に再生回数 403M 超、つまり、4億回を超えてるのだった。すっげ。

Bonus track 6: "Every Picture Tells a Story" (Rod Stewart) 〜 歌詞和訳!!


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