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吉田修一「悪人」 感想文

映画「悪人」を中学生以来ぶりに見ました。笑

原作者いわく、「この社会で一度も主役になれない人間を2時間の間だけ主役にする」映画だそうです。

10年も前の映画だけど、いまでもnoteで映画感想文がポツポツ見られるのは、この映画の趣旨が多くの世代に通ずるものだからですかね。

性格とか家庭環境とか、生まれとか、誰しも共通に持ち得る課題が多く埋め込まれてあって、2週間くらいは映画の世界観に浸れること請け合いです。笑

映画のタイトルは「悪人」ですが、観る人はそれが「悪かどうか」簡単に飲み下すことのできない構造になっています。

自分は主人公のやったことがダメなことだとか、そんな当たり前の理屈はもちろんあるんですけど、それでもそこに至るまでの流れを考えると、なんとか結末を変えられないかと思ってしまいます。

主人公とヒロインは事件を通して、多くの心の触れ合いがあるのですが、まだまだ互いへの疑念が残る状態で事件が収束してしまうので、残念でならないというか。もう少し社会とか住む人の何かが違えば、双方にとって長期にいい方向に向かうような気がしてしまうんです。

この無念を昇華するべく、気がついた時には主人公のその後のお部屋をゲームでつくっていました。笑
北欧の刑務所がモデルです。

...ちなみに私的ハイライトは主人公が見た夢を壁に描いてヒロインに見せるシーンです。「夢をみた。一緒に住んどる夢。」と、描いた絵から、口下手な主人公の素直な心境が伝わってきて、ボロ泣きでした。

以上、映画を観た人にしかほぼ伝わらない映画感想文でした。笑 読んでいただきありがとうございます。



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