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奈良 若草山

私は鹿にタッチしたくなると奈良公園に行くことがある。
奈良公園は教科書に載るぐらいの観光名所だらけだけれど、私のおすすめは若草山。ただ12月から3月は閉山するらしい。それ以外の時にがんばったら登ることができる。



まず奈良駅(近鉄でもJRでもどっちでもいい)周辺で柿の葉寿司を買う。

それをもって東大寺&春日大社の方向へ向かう。
向かいながら鹿をタッチする。


若草山に向かう途中、鹿にあとをつけられる。


東大寺・二月堂の方から行くと若草山の北ゲート、春日大社からは南ゲートの入り口に到着した気がする。どちらのゲートでも入山料を160円ぐらい払う。


南ゲートの道と北ゲートの道は全然違う。

北ゲートは階段と坂道をうねうね上り、『若草山一重目』に到着する。南ゲートは階段をひたすら登っていき、『若草山一・五重目』に到着する。


緩やかな傾斜と思っていたけど、写真を見直したら意外に斜面は急だった。北ゲートから。


どちらからも登れるけれど、私のおすすめは北ゲートから。
理由は二つある。
一つ目は、おだやかに登れることと、途中で山の中に入っていく感じが良い。たまに山の中で食事中の鹿に会うこともできる。

木々の間を歩く。
カマキリに会うこともできる。


山の中で鹿に出会ってもおせんべいは要求されない。お互い警戒し合って見つめ合うだけだ。

道でたそがれる鹿。


たまに鹿が座っていて、道をふさがれていることもある。
そんなときは、ひっそりどうもと言いながら、道の端を歩く。
鹿はどいてはくれない。


二つ目は、北ゲートから登り切ると、急に視界が開ける。
奈良の盆地が一気に開けて見えるのだ。
東大寺だって、県庁舎だってなんだってスコーンと見える。

一重目到着。

南ゲートから登ると一・五重目に到着する。少し感動が薄れてしまう気がする。
だから北ゲートから登ることを私はおすすめする。


誰も何もさえぎらない。ときどき暑い。


一重目に到着すると、ここで奈良の街を見ながら柿の葉寿司を食べる。
ここまでは鹿は追ってこないので大丈夫。たぶん取られたり、ねだられたりはないはず。
たださえぎるものがないので、日差しや天気には少し注意。
ごみは持ち帰る。
東大寺や春日大社にはたくさんの人がいるけれど、若草山にはあまり人がいない。そんなところもおすすめな点。しばし景色を眺める。



昼食を食べながら。

食べ終わると若草山二重目へ向かう。
ここからの道は、北ゲートと南ゲートとは全く異なる道で突如急な芝になる。ただ、二重目は、一応看板はあるけれど、えっここだったの?と気づかず通り過ぎてしまう。ここからは大仏殿の屋根がよく見える。

二重目へ向かう。鹿も食事中。


二重目。手前に見える大きめの屋根が大仏殿。



二重目から三重目までは、道がだんだん細くなり、ずっこけるんじゃないかとどきどきする。


隣の山


そして大して登ったわけでもないのに、隣に見える山の景色から自分がとても高い場所まで登ってきたように見え、大したもんだ自分という気になる。

少し奈良時代の人になった気持ちになる。和歌を詠む気持ちも分かる気がする。


三重目は、記念撮影ができるようになっている。
ここには鹿がいる。三重目はドライブウェイの駐車場もあるので、登ることが不安な時は、車でも若草山に登ることができる。

三重目到着。


帰りは南ゲートでも北ゲートでも好きな方で。


20代の頃は、帰る時はもはや階段を下りるのに膝が笑っていた。
お手洗いでも数日苦労した。
最近はもう笑ってもない。クスッともしない。アラフォーになったほうが筋力がついたようである。


山を下りた後は、大仏殿もよし、正倉院もよし、二月堂もよし。
古都として京都は人気だとは思うが、奈良は道も広く、のんびりした雰囲気があるように感じる。



浮御堂

そして、いつ行っても、修学旅行の生徒や遠足の小中学生でいっぱい。
外国からの旅行客も多い。


大仏殿の裏や奈良公園で黄色い帽子をかぶった小学生たちがレジャーシートを広げてお弁当を食べているのを外国からの旅行客が珍しそうに眺めていた。


ときどき班ごとに活動している小学生や中学生からは、すれちがいざまに「こんにちは」と挨拶される。
見知らぬ人にも挨拶をする。そういう習慣のある地域から来ているのだろうか。


世界では色んな事が起きて、めまぐるしく変化しているけれど、自分の親世代から変わらず、小学生や中学生は遠足に行って教科書に載っている文化財を眺めて、それぞれにお弁当を食べる。
なんなら自分の親世代より前からかもしれない。


なんか日本って平和なんだとたくさんの黄色い帽子や制服を見ながら感じた。そんな時間が続けばよいなと思った。



そう思いながら、陽が陰ってきたので小学生たちが帰る頃に、私も帰る。



そんなことで、奈良に行ったときは、若草山に登ることもおすすめ。



もし時間があれば、かつて玉木宏さんと綾瀬はるかさんが出演していたドラマ『鹿男あおによし』を見ていくと感慨深い。なんなら万城目学さん原作の小説『鹿男あおによし』を読んでいくとさらに良い。






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