チェロ 荒んだ気持ちと演奏会
父と休暇で戻ってきた兄にメンタルをやられ、今週はとてつもない緊急事態が私に起こっていた。六年前のできごとが元だったけれど、思い出してしまい悔しくて涙と怒りが三日間止まらなくなってしまった。日常生活に戻れなくなくなったことにさらに怒りが増していた。
ふぅ~
なのでチーンとした気持ちでチェロの授業に向かう。こんな荒んだナイーブな気持ちで生徒にマンツーの授業に来られるって先生も大変だな。
私からその雰囲気が出ているのか、今までになく、先生は授業でキレなかった。
穏やかに、音が取れていないことを指摘してくる。
先生がいつもこれぐらいだったらいいのに。
自分で音がずれる要因としては、親指をちゃんと当てていなからではないかと思っている。気づけば左手がずるずると下がっているのだ。
ただ、私は親指を当てたまま弦を押さえると、弦をちゃんと押さえ切れなかったりする。
でも、親指をちゃんと裏の板にあてたほうが音がずれにくいんだろうな。
毎回努力ってことで。
音が合わなきゃ話にならないようだから。
それから先生の音楽会に行った。
音楽をしている知り合いに手土産のマナーも教えてもらったので、先生がラッキーになれそうな限定のお土産を並んで購入していった。
そして、先生の音楽会に行くときはなぜかいつもレアな電車に乗ることができる。いつもラッキーなことが起こるのだ。
色んな人が写真を撮っている電車に揺られながら、初めての会場へ訪れた。
今回は、バイオリンとピアノとチェロの三人で開催されるようだった。
楽譜立てが2つ置いてあるので、どっちに先生が座るんだろうと思いながら、座席に座ると、案の定先生とは逆側だった。
毎度やるな、私。
演奏が始まると、作曲家によって曲の雰囲気が全く変わることに驚いた。先生は初めは疲れているのかと思いながら見ていたが、演奏の最後の方は、微笑みながら弾いていた。楽しそうだった。
先生は、教えるよりも、演奏する方が好きなんだなということがよく分かった。
ピアノとバイオリンのコラボ?になると私はすぐ寝てしまったが、先生が登場するとちゃんと起きた。
学ばないとと言う思いだろうか。
寝ていたのがバレるとまずいという思いだろうか。
ひたすら先生の手を見ていたが、先生の弦を押さえる左手が謎過ぎた。
私はいつも必死で弦を押さえているのに、なぜ軽々弦を押さえているのだろうか。
なんていうことを思いながら、面白い曲ばっかりだったし、紅葉も見れて私は幸せだなと帰った。
必死で立ち上がろうとしていた最中に足をひっぱられ荒れ狂った側から、今日別世界に連れて行ってもらえるとは思っていなかった。
演奏会ってなぜか皆裕福で、余裕があって、温かい感じがする。
穏やかで、見守られて、温かい家庭がある気がする。
すべて私のイメージだけれど、
私もそっち側の世界に行きたいなとクリスマスシーズン直前に思った。
先生が演奏会のお知らせをしてくれてありがたかった。
お誘いにのってみてよかった。
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