豊島紀 ⑰虚無で何が悪い！ 虚無講師バンザイ！
豊島先生、ＮＨＫ『将棋フォーカス』新講師就任おめでとうございます！
講座のタイトル『初段を目指す！スキがない将棋』です！
ＮＨＫ将棋講座テキストの３月号に、すでに講座タイトルは発表されていたにもかかわらずそのことをご存じなかったらしい豊島先生はずっと「講座のタイトルは……初段目指す、みたいな、ははは」と、「出演者がフライングで情報を漏らすわけにはいかない」とごまかし続け、いかにも生真面目な豊島先生らしさを発揮なさっていました。しかし、えりりんと並んでこの笑顔。素晴らしいです！
しかしやや気になるのがこの髪型です。
ＮＨＫのヘアメイクというのはものすごく腕がいいです。その人の自然な姿を損なわずに、その人の良さを際立たせるようにしてくれます。ＮＨＫスペシャル『四冠誕生』を見た時、「藤井聡太こんなかっこよかったんか！ あーこれはＮＨＫのヘアメイクの腕だ」と感嘆した。塗った感つくった感皆無だしすごく藤井聡太らしいけど、今までの藤井聡太より明らかに垢抜けてたから。
しかし、豊島新講師のこの髪型には、ヘアメイクさんの「あえてこうしてみました」という攻めの姿勢を感じた。何か「いろんなことしちゃいたい欲」を喚起させるというのか、いろんな髪型にされちゃったりするのではないかという不安もありますがちょっと楽しみカモ？ 二回撮りだろうから、１回目と２回目はこの髪型だね！ 第３回の時にどんな髪型で出てくるか注目だよ！ 次はパーマかかってたりして！
（いつもとちがう口調で書いているので疲れてきた……元に戻ります）
ＮＨＫはヘアメイクの腕がいいだけではなく、調査能力および資料発掘力もすごいらしい。たとえば何かの資料を探していて、門外不出でガンとして見せてくれないような超弩級極秘資料でも、ＮＨＫが行くと出てきてしまうらしい。……ということで、今回の豊島九段特集でも、見たことない写真や映像が出てきました。
いくつだこれは。２つぐらい？ 悪魔の二歳児とかよく言うが、この子も暴れまくって親の手を振り切って道に飛び出したりしていたのだろうか。そういえば豊島さんて後頭部がとても美しく丸いので、こんな子どもの頃からドーナツ枕とかで寝ていたのではないでしょうか。
この将棋場面の写真は、右上のおじさんが毒蝮三太夫に見えて頭がいっぱいなんだけど、この当時から豊島くんは将棋を指す相手を見てるのだな。まだ子どもなので、この頃の「見る」には多少の威圧は混じっていたかもしれない。
奨励会時代の動画も出て、さすがにＮＨＫのアーカイブはすごいとうならされた。部屋にびっちり盤が並び、対局時計も自分で押しているのがいかにも「修行中」ぽい。豊島くんもこんな中で将棋をやり続けて７年……気が遠くなりそうである。でも、時計を押す手と指先に「将来を感じさせる美しさ」があったので思わず画面を撮った……けど「もしもし、お財布落とされたんじゃないですか」とおばあさんに声かけてるみたいな絵になってしまった。
きのう、新四段が誕生していたが、これは豊島さんが四段になった時の、記者会見の記念撮影。豊島くんに、金井さん伊藤さん。きのうこれも見てたので感慨深い。
しかし見れば見るほど、奨励会ってのは頭がおかしくなりそうなほどつらい組織で、ここを勝ち上がったからってスタートでしかないとか、狂ってる。そしてそれを「将来がどうなるかわからないのに、ここに身を擲つ」人たちも狂っている。そういう人たちがやってる将棋界はすごい。あと、関係ないですが関大一高の制服（だよね）、ダブルブレストの金ボタンはなかなか豊島くんに似合っている。男子校の制服は詰め襟が好きなんだけど、豊島くんはブレザーのほうが似合う。
そして、新講師就任にあたって豊島さんが懸念しておられることがあるという。──それは、
虚無とか言われる
気にしてたのか。ま、別にそれほど気にしちゃいないだろうが、
虚無でいいんです！
さいきんの豊島さんは、マジメだが（マジメゆえに）ぼそっと面白いことを言う人として認知されてきている（菅井さんのおかげという話もある）。まあ豊島さんはそれで「オレはオモロイ」などと思う人じゃないけど、「豊島さんに面白いことをやってもらおう」とする人は増えそうな気がする。こういう狭い業界の中の面白い人っていうのが、往々にして「外から見るといろいろつらいことが多い」もんで、とにかく豊島さんは虚無と言われようがなんだろうが、いつもの調子で行ってほしい。なんて私に言われなくても豊島将之は豊島将之の道を行く。
このキメポーズの、都成ファーム長のこなれ方（あれとて棒気味ですが）には程遠いムリヤリさ。これでいい。いや、これがいいんです！ これで行こう！ 私たちは虚無先生についていきます！ そして初段目指します！
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