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冬至、横浜の街は日没後の方が明るい

2020年12月21日。二十四節気の一つ、冬至。一年で最も昼が短く夜の長い日。天文学的には太陽の黄経が270度に達する日であり、太陽が最も南にある状態を言う。

ぼくが今いる横浜市の日の入り時刻は16時33分だった。16時半でもう太陽はおさらばしてしまうのだから、やっぱり寂しいと思う。でもこの街、暗くなると明るくなってしまった。どういうことか。イルミネーションが街中を覆い尽くしてしまったのだ。みなとみらいの観覧車、運河の側道のライトアップ、赤レンガ倉庫ではクリスマスマーケット、大桟橋にも無数の光。
心なしか日没前よりも明るくなったように感じた。

クリスマスツリーの前にはカメラを向ける無数の人、観覧車のほうをじっと眺めて座っているカップル。青いベイブリッジをただただ眺める家族。それは皆総じて、光に暖を求めている。寒さを光が補う。そして、暖を吸収しきった人々は身体から放出される活力を強める。どこか光合成のように、人工的な光が日光の役割を担っている。だから、単にイルミネーションの光量が明るいから日没前よりも明るくなった、という話ではない。

この街は日光よりも人工的な光線の方が力を持っているみたいだ。だから、一年で一番長い夜でもこんなにも明るい。いや、むしろ一年で一番夜が長いからこの街はこんなにも明るい。どこか昼的な夜だとも思った。

明日からは、また日がだんだんと長くなる。ゆず湯に入らなくちゃ。気づけばビールを4缶。明日は山下公園まで散歩しよう。

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