人事の本音も、語らせてください。
就活は、本音で語り合おう。
就職活動、あるいは、私たちにとっては採用活動。お互いに本音で語り合いたい。当たり前のことのように思えますが、じつはこれってとても難しいことだと、採用に関わる人事担当者として感じています。
やっぱり、学生さんも企業も、よりよく見せたがってしまうものだと思うんです。優秀だって思われたいし、いい会社だなって思われたい。仕方のない部分も、あるのかもしれません。
だからこそ積極的に、「本音の就活・採用」を掲げてやっていくべきじゃないかと私たちは考えています。
理想かもしれないけど、本当はもっとみんなが、本音を語る就職・採用活動にしていきたい。いろんなことを包み隠さず話し合って、納得して、そして、入社を決めたり、採用を決めたりしたい。就活のときだけじゃなく、そのあともずっと関わっていく、一緒に働いていく、存在なのだから。
フラットに議論できる空間をつくろう。
思えば私たちは、以前からそういった想いを土台にして、採用活動を行ってきました。
小さいことだけれど、ひとつ例を挙げるなら、よりよい「面談」について。つねに、いつも、考え続けていることです。よく想像されるような、企業は決まった質問を学生さんに聞いて、学生さんは用意してきたことを上手にしゃべる。
そんなことを、私たちはしません。昔から、してきませんでした。
面談は、「質問する人」と「答える人」がいるのではなく、お互いがフラットに対話・議論をする場。そして、どちらか一方が試されるのではなく、お互いがお互いを見てよく知る場です。ダイキンでは、「個人と企業はお互いに選択しあった関係」だと経営理念で掲げています。お互いに選択し合った関係になるために、「面接」ではなく、「面談」を何十年も前からしています。
もちろん、「面接」じゃなくて「面談」、と言い方を変えているだけではありません。面談する社員も、学生のみなさんとおなじくガクチカを書いて、お互いに提出したり、面談の前には先輩社員が学生さんにお茶を淹れてリラックスできる時間を設けたり。フラットに会話できるからこそ生まれる意見交換や考えのぶつかり合いそのものが、楽しい時間で、それぞれの発見や刺激につながるものであってほしい。ダイキンの考える、本音で臨めるフラットな採用活動を体現していることのひとつだと考えています。
まずは、社員を信じてみよう。
今回、『読むOG・OB訪問』（https://www.daikin.co.jp/recruit/honne/）を通じて、もっと積極的にメッセージを発していこうと思ったのは、自分たちが本音の就職活動・採用活動を実践するだけじゃなくみんながそんなことを考えられるひとつのきっかけになれたらと思ったからです。
ダイキンだけが始めたところで、どこまでのものなんだって、思われるかもしれません。ほかの企業から見たら、「ダイキンの考えなんてまだまだ浅い」って思われるかもしれません。だけど、社会をよりよくしていくためにできることがあるなら、トライしていきたい。だから、私たちがどんなことを大事にして、どんな実践をしているのか、みなさんに知ってほしくて、『読むOG・OB訪問』企画をスタートすることにしました。
たとえば、これを書いている人事担当者の私は、ダイキンのことを学生さんに伝えるのが仕事なので、就職・採用活動の中での学生さんからの質問にも「キレイ」に答えることができるかもしれない。でもその分、慣れになっている部分や、無意識に定型文を伝えてしまっている部分もあるのではないか。それはもしかしたら本音ではないのかもしれない。
そこでやってみようと思ったのが、若手社員の人にお願いして、学生の人に何でも、いまの仕事について書いてみてもらうことです。
想像以上の悪口を書かれたりしたらどうしようとか、そんなのやりたくないって言われたら嫌だなとか、迷いがなかったわけではありません（悪いところがひとつもない企業なんてないですしね）。
それでも思い切って、「人事に一切気を遣わなくていいから、とにかく学生時代の自分のような人に伝えたいこと書いてみて」と、お願い。みんな快く手伝ってくれたし、とても素敵な文章を書いてくれた。広告会社に協力をお願いして、掲出方法や文章の書き方のアドバイスをもらいながら。小さなチャレンジですが、始めることができたんじゃないかなと感じています。
当然のことですが、これで満足、とは思ってません。これからも、学生のみなさん一人ひとりともっと向き合い続けたい。そして、日本の就活に関わる企業の一つとして、もっと企業や学生さんのためになるような変化を起こしていきたい。学生さんと企業がフラットに本音で向き合える機会をひとつでも多く生むために、何ができるだろう。
私たち採用を担う人事担当は、とてもワクワクしています。