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仮住間(カリスマ)第ニ回|世界に風穴をあける

 こんにちは。作家の村上大樹です。わたしはこのプロジェクト『仮住間(カリスマ)』の単なる窓口なんですが「窓」とはどういう存在なのか考えています。
 わたしは絵を描いていますが、額に入って壁に飾られた絵も「窓」だと感じています。絵という窓か描かれた風景をわたしたちは眺めています。壁に飾られた絵は外に風穴をあける「風の通り道」になります。そしてわたしたちを外側にある開かれた世界へ連れていってくれるのです。

 仮住間(カリスマ)の活動は、あなたがいま抱えている寂しさに光を届ける窓になればと思っています。あなたがいまいる部屋が苦しいならそこから逃げ出してわたしたちに会いに来てください。 

 2023年の10月17日にこのカリスマプロジェクトをリリースしました。大変な反響がありました。ありがとうございます。 

 全国4ヵ所の住まいを自由に行ったり来たりできるこの仮住間というプロジェクト。月に3万円で4つのシェアハウスを自由に使うことができます。さらには0円でシェアハウスに住めるプランもあります。

↓詳しくはこちらを

 0円プランは、将来に悩んでいる若者や、シングルマザー、生活に困窮している人でしたら誰でも使うことができます。  

 さっそく「仮住したいです!」というカリスマンから応募をたくさんいただきありがとうございます。 
 先日、神戸バイソンに訪れた時に、仮住間の記事を読んでわたしに連絡はせずに、直接各場所にアポをとり、カリスマルートを天然で回ってる、たいやきくんという子に遭遇しました。生きたサンプルです。 表現、小商い、サヴァイバル、全て実現できる最高のコースと褒めてくれました。うれすいです。
 旅ぐらしを続けたいけど、両親から理解してもらえず、帰る場所がない子。悩みすぎてパニックになったところでカリスマの募集記事をみつけて夜中に興奮状態で電話してくる子。軽度の統合失調症で、好きなものは、音楽と小説とお笑いと宗教と独りよがりな哲学で、嫌いなものも宗教という複雑なパーソナリティを持ち芸人志望の子などなど。 
 窓であるわたしは彼らとのやりとりを楽しくやっています。

 仮住間の以前にわたしがしていた将来に悩む若者なら誰でも無料で住める家賃0円ハウスの元住人、Rちゃんがなんと子どもを授かって妊娠中なんだそうです。おめでとう。0円ハウスで出会った子と結婚して新しい生命が誕生したそうです。家賃0円ハウスをわたしが作らなければ、生まれなかったかもしれない出会いと命。まじうれしいです。
 西村組の西村くんがたしか書いてた気がします。

「出会い系の空き家とかあったらええのになあ」

 西村くんが書いていたことが、時をへて家賃0円ハウスで実現しました。0円ハウスの思想をさらに超越させた仮住間も出会いおおき場所になりそうです。みんなも出会いにきてください。彼女彼氏ができちゃうかもよ。

 家賃0円ハウスのときは個室が4部屋しかなかったので募集開始してすぐに部屋が埋まってしまいましたが、仮住間は全国4カ所に拠点がありますので、まだまだ部屋は無限にあります。遠慮なくご利用ください。

 2023年11月の頭には中学1年生のQくんが神戸のバイソンにお母さんと見学に行きました。Qくんは不登校でたまにしか中学校に行けないそうです。Qくんのお母さんから

「カリスマって中学生でも住めるんですか?」 

 質問を受けたので、早速わたしはカリスマメンバーに連絡しました。

「Qくんいらっしゃい!」 

 即答でみんなから返信がきました。カリスマメンバーたち、ほんとすごいのです。素敵な感じのクレイジーさで躊躇がありません。彼らと一緒なら何でもできる気がしています。 
 Qくんのお母さんは彼を警戒させないために

「お母さんが神戸で行きたい場所があるんだけどついてきてくれる?」 

 といい因島から神戸に連れ出しました。バイソンの住人たちはQくんを大歓迎。 

「中学生ですごいな! ここに住むんでしょ! たのしみ!」 

 Qくんを囲んでワイワイしています。Qくんもまんざらでもないようで、帰り道に

「おれ、住めるかも」 

 と少し興奮しながら言ったそうです。少年から青年に変わろうとしているQくんの通過儀礼が始まろうとしています。家族から離れて一人で精霊たちがいる森の中へ入り込み大切な何かを見つけ出す。精霊(カリスマ先住人たち)と出会う。手にするものはガイコツかもしれないし、見たこともない色の美しい花かもしれない。確実に何かを手にすることができます。
 わたしも中学校に行けなかったときがあったので、Qくんの勇気と興奮に胸が熱くなっています。お母さんもいきなり子どもが巣立つのも心の準備ができないだろうし、でもQくんに人生を楽しんでほしい。いまQくんのお母さんとショートステイの日程を調整中です。少しの冒険から始めてみるのもいいと思います

 わたしは「学校に行きたくない」と中学生のときは親に言えなかったのです。近所の森の中にある公園のしげみの中のベンチで学校に行かない時間を潰していました。すぐにバレてめちゃくちゃ怒られましたが、あの空間で漫画を読んだり空想に耽ったりしていた時間はわたしにとってかけがえのない森の時間でした。仮住間(カリスマ)は少年や青年にとっても大人にとってもビクビク隠れる必要もない優雅な森です。

 もちろんQくんが学校に行きたくなったらいいですが、

「選択肢はいろいろあったほうがいいよね」 

 とお母さんはQくんと話しているそうです。2024年1月21日にバイソンで開催する仮住間発足記念パーティーにもわたしの家族の車に乗ってQくんも行くことになっています。※Qくん体調不良になってしまっていけなかった!残念すぎる。

 他にも若者支援のNPOをしている人から

「カリスマに合いそうな若者を送り込んでもいいですか?」 
 
 と連絡がありました。もちろんオッケーです。いろいろな場所との連動もどんどんとっていきたいです。
 
 去年12月にはさっそくカリスマンの第一号さんが、生口島のごちそうの森にやってきました。Kさんは過去に家庭環境などいろいろ辛い思いを経験していた子でしたが、いまは前向きに生きられるようになってきたそうです。キャンプが好きで、動物や植物が大好きな子でした。将来的には時給自足の生活に興味があるそうです。ごちそうの森は山の中で、動物育てて、畑をしたり、川の水の流れを整えています。ごちそうの森のしょうこちゃんは、イノシシを自分の手で狩り、同じ手でさばいて、その手でさばいたイノシシを料理します。料理を人々にふるまい、自分の持っている魔法のような技術を必要な人に伝授する。Kさんは数日の滞在だったので伝授するところまでは当然いかなかったですが、いい刺激を受けたそうです。生きる術を身につけたい人はどうぞ遊びに来てください。 

 アートレジデンスをしたい人からの応募を多いです。なんと写真家の齋藤陽道くんも

「家族で滞在制作したいんですが大丈夫ですか?」 

 とメッセージくれました。大所帯の家族。受け入れ大丈夫かなとカリスマメンバーに確認したら

「大丈夫でい!」 

 とソク返事がありました。ほんとにカリスマメンバーは受け入れる心がひろい人たちなんです。彼らとこのプロジェクトをできていることを誇らしく感じています。 

 西村組の西村くん、喫茶ミラクルのしょうたろうくんと仮住間プロジェクトのスタート前に少し電話で話しました。西村くんが仮住間を始めることで

「不動業界に風穴あくと思うんすよ」 

 とポツリと言っていたのが印象に残っています。

 その後、メッセージでわたしも 

まじで風穴あけたろぜ 

 と書きました。西村くんの宣言の影響からか、またわたしは革命家モードになっています。わはは。

すべてをぶっ壊して新しい世界をつくってやる 

 心の中にそんな自分がいることを最近は、ちょいと俯瞰して眺めることもできるようになりました。ちゃんと調べずにテキトウに書きますが、

すべてを壊したい 

 という想いを心理学では体内回帰願望と考えているそうです。母の体内の過不足のない完璧な泉のなかに浸かっていたい。自分というアイデンティティもない。闘争心もない泉のなか。人間でも魚でもない水のなかの不思議な空間。そこに戻りたい胎児のわたしがいる気がします。胎児のわたしを愛でているもう一人の大人のわたしもいます。大人のわたしは革命家モードの胎児のわたしをギャグとして楽しんでいます。ファンタジー革命家。二次元に分裂したわたしを共存させながらこの先も書いていきます。 

 西村組はこれまでに50件以上のボロっボロの廃屋をイカした家に復活させました。屋根もねえ、壁もねえ、床も抜けちゃってねえ、柱はなんとかあるけどシロアリに喰われちゃってる。おらこんな家、嫌だ状態の廃屋。新築を建てたほうが楽な物件を数多く再建させました。西村組のイカした運動はテレビや新聞などのメディアにも多数取り上げられています。メディアに取り上げられるたびに

「うちのボロボロの家をもらってくれんですか?」 

 と西村組に問い合わせがあるそうです。さすがの西村組でも手が回らなくなって来ているそうです。 
 西村組が完全に持て余している物件は10軒ほど

〈物件情報〉
・滋賀県高島市新旭町深溝
・兵庫県赤穂郡上郡町上郡
・兵庫県丹波市山南町南中
・島根県大田市川合町川合
・奈良県高市郡高取町与楽
・徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦土佐泊

 物件はボロもありますが、すぐに住める状態のものもあるそうです。これらの物件を月1〜2万円(各家の固定資産税によって家賃変わりますのでご相談ください)の格安でレンタルします。何年か(年数は契約時に相談しましょう)住んでくれたら物件を差しあげます。もしくは仮住間プロジェクトへの5万円のカンパで物件差し上げます。もし可能でしたらで大丈夫ですが、空き部屋を一つだけカリスマをしたい人のために貸してくれるとありがたいです。 

カンパを募集しています。みなさんからのカンパは、仮住間プロジェクトの新規物件を取得するための費用とさせていただきます。カンパは↓の通販サイトで手描きチケットとして販売しています。わたしが絵を描いた可愛いチケットです。わたしはこの活動0円でやってますので、本や画集などを買ってくれたらうれすいです。

 これから仮住間プロジェクトはさまざまな方法でイカした家をつくり、家賃のかからない家をみんなに届けたいと感じています。

 国家とは別のカタチでゆるくて限りなくシームレスにつながる分散した共同体をつくる。それが仮住間の真の目的です。この

 クソくだらない世の中にも隙間がたくさんあります

 隙間だらけの世の中です。その隙間にある奇跡の幸福を体感してほしいです。

 とここまで書いた今日は2024年になったばかりの元旦です。妻は実家に帰っていたので年越しをわたしは因島で弟と友だちとしました。年を越した朝5時くらいまでいろいろ話していたので昼過ぎに起きて、アトリエで絵を一枚描いて、まだ眠かったので夕寝をしていました。

「大ちゃんこわいよー!」 

 妻のミワコちゃんから電話がかかってきました。わたしは石川県で大きな地震が起きたことをこの電話でしりました。大阪の実家にいたので少し揺れたようです。311の震災のときは東京にいて一時的に交通機関がストップするほどの揺れでその後、余震も続いてミワコちゃんはかなり怖くて心労がたまっていたのでそのときのことを思いだしてしまったそうです。わたしはミワコちゃんに

「実家のテレビは消してもらって、しばらくはネットも見ずに過ごしや」 

 観ていたら悲しい気分になるそうです。危険な場所にいる人はテレビ、ネット、ラジオなどの情報は必要ですが、安全な場所にいて情報を取り入れると悲しい気持ちになってしまう人は心が被災してしまうので情報カットしたほうがいいです。

「日常を普段どおりを過ごしてね。天災のときに怖いもの知らずでパッと動ける人がいるからその人たちに想いを託すだけでいいんじゃないかな」 

 あえて汚い言葉を使って愛をあらわしますが、

無鉄砲な大バカモノが世界に風穴をあける

のです。わたしは熊本の地震のときは車に救援物資を詰め込み、尾道の仲間たちとすぐに現地にいきました。広島で水害があったときも、家が崩れてしまった人のためにゲンナマを集めるイベントをして20万円ほど手渡しました。風穴をあけたかどうかはわかりませんが、無鉄砲な若者であったからできたことだと思います。だけど今回は、何もしなくてもいいかなと思ってました。いま本をつくったり絵を描く時間が愛おしいんです。現実の世界で、大地を蹴りながらこの10年間は暴れ回ったという実感があります。

この先の10年は

机の上でできることで暴れる

 そんな風に考えていたからです。翌日、2日なっていつも通り絵を描いて文章を書いてから、朝ごはんを食べていると

「あっ、そうか! 仮住間があるやん!」 

 と思いつきました。普段から困っている人にお金を介さずに家を解放してるプロジェクトの発起人なのに、いま、まじで被災して困っている人に貸さないなんてなんてことだ! 
 思いついた瞬間にカリスマメンバーに連絡しました。普段はカリスマメンバーたち、返事が早い人もいますが、超スロー返信なんです。彼らは普段からエネルギッシュにいろいろな活動をしているので、返事遅いのはまったく気にしてません。むしろ相手に左右されない自由さに微笑ましく思っています。その彼らに

「カリスマで被災した人の一時避難とか受け入れても大丈夫かな?」 

 と聞くと瞬殺で

「いいっすね!」 

 と返信がありました。彼らは事態に早急さを求められていることが本能的にわかる野生的な生存性の高い生きものです。その早急さに答えてわたしもすぐにネットでの一時避難の呼びかけをすぐにしました。ありがたいことにみなさんが拡散してくれたのと、被災した友だちや家族に直接伝えてくれた人たちの能登半島に確実に届いています。 
 もう一つ早急さを求められました。1月2日にテレビを観ると、能登の学校のグランドには椅子? コンテナ? か何かで並べられて文字になった大きなSOSのサイン。道路は車が通れずレスキューや自衛隊なども現地入りできない状態。カリスマメンバーのガイさんが

「能登半島でヘリ止められるそうな場所、知ってますか?」 

 なんとガイさんとその仲間たちが民間でヘリコプターを飛ばし、能登半島の被災地区に救助隊員や救助犬や救援物資を運ぼうてしています。ガイさんには確認し直さず、記憶で書いてますので、またまたわたしの妄想がふくまれていますので、つづきはフィクションとしてお楽しみください。

 民間でヘリ!? 

 はんぱねえす。まだ自衛隊も現地に到着していない時期にです。もう尊敬しかありません。

 去年、珠洲あった芸術祭にガイさんは参加していたので、馴染みがある土地です。しかもガイさんは芸術祭からか行政からか謎の依頼を受けて動く人なんです。アーティストやキュレーターたちが現地入りする前に、珠洲で住んで、土地の人たちと仲良くなるのが、ガイさんの仕事です。そんな仕事があるなんてガイさんと出会ってなければ知らなかったです。ガイさんは50才くらいなんですが、若々しく、地元のおじいちゃんおばあちゃんからしたら、たぶん20歳くらいのあんちゃんと話してる気分になるんだと思います。ガイさんはめちゃ可愛がられるそうです。ガイさんは珠洲の人たちと大仲良し。被害の大きい輪島には救助もたくさん行くそうですが、珠洲は救助も後回しされがち。珠洲の人たちと仲良くなったガイさんは彼らをなんとしても助けたいんです。

 理由は焦りすぎてたので聞き忘れててわかりませんが、ヘリが飛ばせるリミットはあと75時間だとガイさんはいいます。 
 市や県が管理してる敷地は、許可を取らないとヘリをとめることができません。行政に許可をとるのは、ややこしい手続きがいり、時間もかかるそうです。実際に助けてほしい人と連絡がとれて、その人の私有地にヘリをとめていいよ、となったら、ヘリは飛ばせるそうです。テレビを観ると、助けを求めて手を振っている人がいるのになあ。その人と連絡が取れないとヘリは飛ばせない。なんとか助けが必要な人と連絡が取れないかと。焦ったよお。そりゃあもう連絡しまくりましたよお。カリスマが被災者の一時的な避難所にすることを発信してましたので、
「石川県の友だちにシェアさせてね!」
 という連絡はたくさんいただきました。

「どこかヘリが着陸できる場所しらないですか?」

 聞きまくりました。そういえば石川の出身だったよな、みたいな10年以上も連絡取ってない人まで。アドレナリンでまくってました。わたしはこれからは何か身体を動かしてアクティビストとして社会的に活動することはありませんが、机の上でできることは恐怖心を吹き飛ばして余裕でやります。

「ヘリが無事に飛ばせることができました!」 

 わたしはほとんど役立たずだったけど、ガイさんたちのチカラで、なんと自衛とほぼ同じタイミングで民間のヘリが飛ばせたのです。ちょっと記憶があいまいで、ちゃんと奇跡的に許可が取れたのか、強行突破で後で怒られたらええやん方式でやったのか忘れてしまいましたが、どちらにしろ凄いことをしたと思います。

 行政を待ってたらラチがあかん。勝手にやってあとで怒られてたらええんです。ちゃんとすることより人の命のほうが大事です。

 わたしの妄想ではガイさんはそう言ってた気がしますが、勘違いだったかもしれません。ちゃんと許可をとっていたらごめんなさい。国家と争うつもりはないですが、世俗を楽しく生きる市民のチカラと、助け合いの行動はまじで崇高だと感じています。

 ガイさんは秘密裏にこの一連の行動をおこないました。すぐ自慢したくなるわたしと、ガイさんでは人間力が違います。まじガイさん尊敬しかありません。

 1月9日現在は、現地の方から仮住間への問い合わせはいただきましたが、まだ一時避難に住まわれている人はいません。311、熊本の地震、広島の豪雨のときに感じたことですが、人々は天変地異がおこると土地への愛が深まります。非常時には自分のことはさておき団結して助けあうことは素敵なことだと思います。人間が持っている大きな希望だと感じています。非常時が日常になって避難所の暮らしが苦しくなったり、余震が心労になるかたはいつでも大丈夫ですのでこの記事を発見したらご連絡ください。

09067355815
chiisaikaisha@gmail.com 
村上大樹 

  能登半島では家屋が9割全壊してしまった地区もあるそうです。経済的な支援も必要になってくると思います。わたしの絵を販売して支援するチャリティー企画も考えています。支援団体に寄付するのが苦手なので、どのようなカタチで寄付をするのか検討中です。支援団体にも人件費など必要な経費がありますので、中抜きとは決して悪いこととは思いませんが、集まったお金はなるべく多く、大変な事態になってしまった人へ直接渡したいと思っています。

 ずいぶん長い文章になってしまいましたが、仮住間はあなたにとっても、わたしたちカリスマメンバーにとっても、風が通り抜ける「窓」になったらいいなと思っています。あなたが勇気を持って連絡をくれた瞬間に世界を変える窓はひらかれます。  

09067355815
chiisaikaisha@gmail.com 
村上大樹 

最後に、話し飛びますが、

 流れやバランス

 ということが近年よく語られているかと思います。流れやバランスを行動しないことの理由にしている言動を散見します。

「いい流れが来ていない」

 とか言って何も新しいことを始めません。人間には停滞することも必要ですが、ずっとずっと動かないで生きているのもツマンなくなってくるし、バランス悪すぎの流れなさすぎになってしまいます。
 ナチュラルに自然に何もなくても幸せな人をわたしは何人か知っています。その人たちは仙人の領域に達しています。ですが流れとバランスを動かない理由に使っている人たちは、悟っている訳ではなく

人生に興奮を求めてるがビクビクモード

 になってる人が多しです。あなたはいまは動くチカラが湧いてこないかもしれませんが、仮住間を動くまでの準備期間として過ごすのもオススメします。紀元前500年頃に活躍した古代ギリシャの思想家ヘラクレイストは

「パンタ・レイ」

という思想を起こしました。直訳すると

 万物は流転する

です。日本では「無常」と表現することもあります。鴨長明の『方丈記』のテーマでもあります。

 ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし

 自然は常に流れています。常にです。人間は思考によって何かを予測して行動をとどめるときがあります。予測ができるようになり人々は随分と安全に暮らせるようにはなりました。人間にとって思考することは重要なプロセスだと感じています。ただ考えるという崇高な行為を「とどまる」ということに使いすぎて苦しくなっている人がいます。思考の収縮です。思考どころか生が収縮してしまっているのです。思考は収縮のあとに拡散させることでバランスがとれて流れはじめる。もう少し踏み入れると

なんにも考えない

 ときこそが宇宙が拡張している瞬間なのかもしれません。無心になって動いているとき何も恐いものはない。

 同じ河に足を踏み入れることはできないのです。安心してください。あなたが同じ場所だと思っているところも常に変化しているのです。止まっていると思っているのはあなたの頭の中だけです。大丈夫、さあ、新たな河に足を一歩踏み出しましょう。


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