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早期退職をどうしても減らしたい!その為に出来る事

これまで1000人以上のキャリア相談に乗り、100人以上の転職をご支援してきた黒岡です。今回は、「早期退職を減らすためには?」と言う観点でお話をしていきます。

私は、直近、適性検査SaaSのカスタマーサクセスとして従事しており、「企業が求める人物像」と「個人の性格」のマッチングという所を研究してきました。

また、転職エージェントとして6年半数多くの転職を支援してきました。
自社に新たな仲間を招き入れる立場も経験してきました。
その上で、絶対に避けたい事が「早期退職」です。

なぜなら、早期退職は誰も幸せにしないからです。企業は採用費を掛け、オンボーディング期間も報酬を支払いながら、社員の人件費もかけながら新入社員を育てます。

個人も前職での人間関係や成功・信頼を捨て、新たな挑戦をします。

互いに大きなリスクを払う、このチャレンジをなんとか双方幸せになる形で支援していきたい。

これまでの、人事経験、エージェント経験、適性検査SaaSでの経験を元に、「早期退職を減らすためには?」と言う観点でお話をしていきます。

①そもそも、早期退職の要因は?

そもそも早期退職が起こる要因は何でしょうか?

エンジャパンさんが出している記事では「GRC」の三要因によって退職は起こるとされていてまさにそうだなと納得しました。

退職理由の「GRC」
「ギャップ(Gap)」:期待と現実の乖離
「リレーション(Relation)」:主に上長との関係性
「キャパシティ(Capacity)」:業務量の過多

なぜ人は辞めるのか?
退職を科学する

最初は、Gapから始まり、Gapがある中で、組織との接続役でもある上司との信頼関係(Relation)も構築できず、結果「仕事の成果を出せない」&「業務過多で体調を崩してしまう」(Capacity)

特にこの図の興味深い所は、「Capacity」から始まらない所です。

・Gapを感じた際に上長とコミュニケーションを取ってGapを埋められる
・そもそも入社前段階でGapを解消しておく(限りなく入社後活躍イメージが湧く状態にしておく
・上長と会話し、Gapを解消するコミュニケーションやアクションを行う、Capacityに合った業務量にコントロールする

この様なアクションを取れれば良いのですが、そうならない際に起こるのが早期退職です。

その為、私がエージェントとして早期退職を起さないように意識していることをいくつか挙げられればと思っております。

早期退職を起さないために

①直属の上長と「必ず」会う

上記のGRCを解消する為には、上長とのリレーションが不可欠です。これまで数多くの転職を支援してきましたし、その中で残念ながら早期退職となってしまった方もおりました。

その早期退職理由のほとんどは、「上司との関係性」でした。

その為、面接で必ず上司の方との相性を確認いただくようにしています。
候補者様視点では、「その上長の方を尊敬できそうか?仕事をする際の価値観が合いそうか?辛い時に相談できそうか?ウエットに考えると、2人でご飯に行きたいと思えるか?」

これが満たせている様であれば、その方との相性は(面接段階では)良いと言えるのではないかと思っています。

ただし、結局は入社後しか本当のところは分からないので、入社前1日インターンや業務委託等の雇用がもっと増えていくことを願うばかりです。

②チームメンバーとの「面談機会」を作る

上司が理由で辞める事はあっても、チームメンバーが理由で早期退職するという話はほとんど聞いたことがありませんが、出来れば入社前に話しておくに越したことはありません。

ここで、聞くべきなのは、チームメンバーの「入社理由・時間の使い方等」です。

入社理由を聞くと、チームメンバーの「大事にしている価値観」が見えます。その価値観が共通でないにしても、「協働」出来そうか?は見る様にしましょう。

例えば私の場合は、転職エージェント業をやるうえでは「顧客志向」を大事にしています。「主語は顧客」「顧客に対してどんな価値を提供できるか?」と言った視点で常に対話できる方だと協働しやすいです。

対して、転職エージェントをやってる方の中には「金銭インセンティブ」が最大の理由である人もいます。そういった方とは、意思決定をする際の価値観が合わないので、私は協働できないという判断となります。

また「時間の使い方」についても聞くようにしましょう。出来ればカレンダーも見させてもらえるとベストです。

「どんな仕事をしていますか?」では抽象的です。「週の商談数は?定例チームMTGの回数は?」等詳細にヒアリングをして、働くイメージを膨らませていきましょう。

③入社前に「評価制度」を明瞭に伝えてもらう

評価制度は奥深く、数年後の在りたい組織の姿があり、その在りたい姿に向けて、在籍し続けて欲しい人に報いるのが「評価制度」です。

1年以内に大きな成果を上げたのに、1年ちょっとで退職してしまう人のほとんどがこの「評価制度」と「個人の在りたい姿」の不一致が原因と言えるでしょう。

「これだけ成果を出したのに、会社はなぜ自分を評価してくれないのか?」

この様な退職理由を何度も聞いてきました。

この退職理由を減らすためには、組織がしっかりと「評価制度」の基準を作る事。入社前にしっかりとその評価制度に納得してもらった形で入ってもらう事が重要です。

④組織と個人、双方の期待値を「正しく」調整する

よく「リアリティショック」と言う言葉を聞くと思います。入社前と入社後のギャップによっておこるショック=衝撃です。

このショックが起こる要因は「期待」にあります。ショックは事象によっておこるというよりも「期待との差分」によっておこると言えます。

その為、入社前に「双方」で期待値を「適切」にコントロールしておくことが重要です。

昨今「面接対策」を売りにしているエージェントが多く見受けられますが、私は少し疑問を持ってしまいます。

その面接対策は「候補者様を加工するものでは無いか?」と言う事です。

内定を取ってほしいがあまりに面接時の受け答えまで丁寧に対策をしてしまい、「面接でその方自身のありのままの姿」を見せられず、入社後ギャップが生まれ、早期退職が起こるというケースが良くあります。

我々エージェントが最も追求すべき、こだわるべきは「入社後活躍」です。究極それ以外にはありません。

「入社後活躍」こそが、本人がその会社で幸せに働くことが出来、採用した企業も事業の成長や顧客へのより大きな価値提供と言うメリットを享受できます。

その為、「加工する様な」面接対策は行わない事。

当然、「採用企業の事業展望や戦略、その際に起こる課題、その課題を解決する為になぜあなたが必要だと思ったか?」という所までは必ずお伝えします。

その上で、「その方が自分の頭で考えながら入社後活躍の方向性を探る事」エージェントの仕事はその思考の補助線を引く事だけで十分です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

早期退職は本当に誰も幸せにしないので、転職・採用市場から一つでも多くそのような機会を減らしていきたいと思っております。

大事なのは日々キャリアについて考えて自分の軸を作っていくことから。もしキャリアについてゆるくご相談したいとのことであればお受けするので、下記よりご連絡ください😊


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