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伝えたいけど、伝わり辛い!スタートアップの魅力の伝え方

これまで数多くのスタートアップの採用に伴走してきました。スタートアップは知名度が低い且つ、HPだけ見ても「何やってるか分からない」と言う会社が多いです。

その為、スタートアップが候補者様に魅力を感じてもらうためには、様々な工夫が必要です。そこで今回は、先日のナレッジワーク麻野氏の「Recruiting Boot Camp」での学びを活用しながら、スタートアップの「アトラクト方法」を体系的にナレッジ化してお話をしていこうと思います。


そもそも、スタートアップとは?

スタートアップをベンチャーや中小企業と比較すると、「革新性」と「急成長性」「出口戦略」の三つが違いと言えます。社長の100%自己資本の会社においては、IPO等を見据えて成長を遂げるのでなく、社長が実現したい世の中や事業に向けて、ある種マイペースに事業を継続していきます。

対して、スタートアップ企業は短期的には赤字を掘りながらも、投資家からの資金調達等をするなどして、急速に売り上げも社員数も増やし、「IPOやM&A」を見据えて「急成長」を遂げていきます。急成長の為には既存業界と比較した「革新性」が必要です。

スタートアップ企業の採用の難しさ

①待遇・労働条件
②採用基準が高い
③事業が伝わり辛い

スタートアップが採用で苦戦するポイント3選

様々な要因がありますが、今回は③事業の伝わり辛さをどう解決していくかと言った観点でお話していきます。

スタートアップは、上記で挙げた「革新性」がある分、類似性の高い会社が世の中に無く、端的に言うと一目では分かりづらいのです。

そこで、我々の様なエージェントがそのビジネスを「分かりやすく」翻訳していく必要があります。

では、ここからスタートアップの「事業の伝わり辛さ」を伝わりやすくしていく為には?と言った話をしていきます。

スタートアップ企業の魅力付けの仕方

①〇〇2.0戦略

「〇〇2.0」と言った言葉を聞いたことは無いでしょうか?

「金融2.0」「移動2.0」など、過去の時代を「1.0」として、次の時代は「2.0」な未来になりますよと伝え、ムーブメントを作っていく様なアトラクト手法が「過去」→「現在」→「未来」手法です。

これが上手いなと思うのは、最近だとLayerXさんですね。「コンバウンドスタートアップ」と言う言葉が流行り始めたのも、LayerX発なのでは無いかと。

この記事はまさにこの手法を使った魅力付けの好事例。

この数年の「採用市場」で最も盛り上がりを始めた業種の一つが「SaaS」でしょう。「DX」というトレンドと共に、このビジネスモデルで展開する会社が一気に台頭した時代がこの数年でした。

数年前は「SaaS」と言うだけで採用市場では「魅力的な企業」と認知されていたかと思います。しかし、この数年でSaaS企業が増えすぎて、もう希少性は無くなってしまいました。

その中でLayerXは、自分達を「ソフトウェアビジネス第4世代」と称して、「これからのソフトウェアビジネスの未来は、SaaS+Fintechが新時代のメインストリームになる」と言うメッセージングでアトラクトをされています。

この様に、革新性を伝える上で、これまで既存業界はどの様なプレイヤーがいて、どの様なビジネスが主流だったのか?現在市場はどの様に変化していて、これからの「未来」はどの様に変化していくのか?自社はその未来においてどんなポジションなのか?でアトラクトが出来ると、「この船に今のうちに乗っておこう」と思ってくださる方も増えるでしょう。

②ポジショニング戦略

「この業界を受ける時は、A社とB社を受けるよね」

「ポジショニング」は、この様な「イメージ」を採用市場で想起させる採用マーケティング手法です。

有名な話は「電博」でしょう。

売上で見ると電通と博報堂には大きな差がありますが、広告業界の二大大手と言えば「電通と博報堂」と言うのが大衆の認知でしょう。

広告会社にプレゼンを選ぶなら電博に。広告業界の会社を選ぶなら電博に。
営業においても採用においても、このポジショニングは効果を奏したのではないでしょうか?

私の前職であるフォースタートアップスと言う会社もポジショニングに長けた会社だと考えています。「ヒューマンキャピタリスト」と言う言葉は発明だったのではないでしょうか。

「ベンチャーキャピタリスト」と言うのはスタートアップ界隈では誰もが知っていますね。スタートアップに対して「お金」を投資して、起業家にスタートアップに伴走する存在です。

これまでは、ベンチャーキャピタリストとエージェントと言う立場でした。しかし、「ヒューマンキャピタリスト」と言う言葉を発明したことで、起業家がVCに事業プレゼンをする様に、ヒューマンキャピタリストにプレゼンをして下さるモデルを構築し、現在人材紹介事業が急成長しています。

この様に、自分達をどのポジションに置くかを決め、ワードを発明し、認知してもらう事で、営業・採用双方で効果があるでしょう。

③意義訴求戦略

ここ数年、採用において「報酬」等だけで選ぶ人が減り、「意義」で仕事を選択するようになったと感じています。

この根源は「モノ消費」から「コト消費」へと消費価値が移行された事と連動しています。

人は自分の行動や日々の仕事に「意味」を感じたいと感じているのが時代の流れと言えるでしょう。

その為、採用市場においても、「成長」等だけでなく、この事業、この仕事は「どんな社会的意義があるのか?」を上手に伝えられる会社が採用に成功しているという印象があります。

この点においてナレッジワークさんは非常に上手にこの価値を訴求しています。意義を訴求する方程式は「意義」→「目的」→「行動」と、日々の仕事に意義を落としていく方法です。

「意義」:労働は苦役なりを無くす。出来る喜びが巡る日々を届ける。
「目的」:イネーブルメントと言う概念を世の中に広げる。
「行動」:概念を広げる為に、ナレッジワークと言うプロダクトを顧客に届ける。

ナレッジワーク採用情報より

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回はスタートアップの「採用アトラクト法」に絞って考察をしてきました。スタートアップの経営者や人事担当者の方に届いて、自社の魅力付けの参考にして頂けると幸いです。


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