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nailmarksが出来るまで

突然ですが、ぼくは「自分のために」デザインするというのがとても苦手です。誰かが「どうしてもこうしたい」という想いやこだわりがあれば、「誰かのために」力になりたいと思うのですが、「自分のために」というと、どうも身が入りません。

前回の記事の続きで、1on1も習慣化してきた頃、飯島さんからこんなことを言われました。

「加嶋さんとのこの活動に名前をつけてみませんか?なんならロゴも作ってみましょう」

今回に関しては「誰かのために」と「自分ために」ちょうど半々なので、試しにやってみることにしました。

まずはネーミング決めです。すぐに決まりました。
名前はnailmarks(=爪痕)です。最初に上がった名前はeagleclaw(=鷲の爪痕)。「鷲」と聞くと思い当たる方もいたかもしれません。そうです、ぼくと飯島さんが仕事するきっかけを作ってくれたのは元同僚の鷲野さんだったからです(ちなみに鷲野さんのあだ名はなぜかファルコン=はやぶさ)。

この3人で2015年〜2016年ぐらいまでSalesforce製品を使ったイノベーション提案のプロトタイプ作りをいくつかご一緒させてもらいました。

ネーミングはなんだか駄洒落のような感じですが、「なんでわざわざ名前を
つけるのか?」は、飯島さんのこちらの記事にも書かれています。


というわけで割とあっさりと、eagleclawとはいかないものの、nailmarksというネーミングが決まり、ロゴを作ることになりました。

ロゴ作り

ロゴ作りは任せてもらって僕が中心に。ネーミング決定の勢いに乗って、伊藤さんにロゴを依頼しました。

伊藤さんは元同僚で、普段から親しくしてもらっているパートナーの一人です。自分がロゴを作ることになったら必ず相談をする間柄です。伊藤さんのWORKSはこちら

まずはバージョン1
元々の着想が鷲の爪なので、鳥をモチーフにするロゴを考えると、ルフトハンザやエーグルなどのロゴが思い浮かべますが、ロゴマークに鳥のモチーフを使うとどんなロゴタイプと合わせても鳥の意味をもたせることができてしまいます。それは面白くないので、今回はロゴマークではなくロゴタイプに鳥=爪のイメージをつけることにしました。

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その方向性で出来上がったデザインがこちらです。
昨今、ロゴがデジタルデバイスで閲覧、使用されるケースが多くなり、サンセリフ体を使うケースが増えています。
せっかく作るならサンセリフ体にするのではなく、サンセリフ体のような太さをもたせて視認性を担保した上で、セリフ体にするカウンター的な発想でデザイン作ってみました。
形になってくると、もちろん飯島さんにもレビューしてもらいます。例えば、「この部分はセリフのツメが折れそう」とかフィードバックをもらい、一緒に作っていきます。
形状が爪のようなだけではなく、爪が地に食い込んで掘られているような感じ(カリグラフィー的な感じ)も出ていて、モダンさとクラシックさ合わさった普遍的な表現になり、とても良い印象です。
これで方向性が決まり、この案をブラッシュアップしていくことにしました。

続いてバージョン2

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バージョン1を確認する中で力強さをより強調するために重心を少し下げられないかということになり、これは調整してもらいそのまま採用。一方で爪のような部分はもう少し弱くしてもいいのではないかという議論もあり、A-1/A-2と明らかな違いを出して2つの案を作成しました。検討した結果、A-2は上品すぎる印象になったので、A-1の方向で最終的なブラッシュアップに入ることにしました。

最後にバージョン3

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ここからは細かいブラッシュアップされていて、パッと見でわからない調整がされています。伊藤さん曰く「気持ち悪いところをなくす」作業とのこと。例えば、斜めにカットされている部分をわかりやすく45度でカットしていたとして、その部分を例えば42度や43度などオリジナルの角度で作り直すことをしています。つまり視覚的な違和感を取り除く錯視の調整です。

もう少しわかりやすい部分で説明します。

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上辺が青い線より少し上に膨らんでいるのがわかりますか?
aとsのとんがった部分を水平にしていると実は凹んで見えてしまいます。なので、すこし膨らんだような加工がされています。

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nとmとaで似たような部分もあります。これも同じパーツを使っても良さそうなものですが、個別に調整が行われることで視覚的な違和感がなくなり綺麗なフォルムに仕上がりました。

今回は決まったA案を中心に書きましたが、実は別の方向性B案も途中までは存在していました。。こちらもとても良い出来で、飯島さんとも相談した結果、泣く泣くお蔵入りになったのでした(伊藤さん、ありがとうございました)。

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まとめ

nailmarksのネーミングとロゴができたものの、どこで名乗るかは難しい問題ですし決めてもいません。とりあえず意味もなくTシャツを作りましたw

まとめると、ここまで取り組みが盛り上がった理由はこの3つかなと思います。

アウトプットで語り合う
着想、リサーチ、アイデア、実際のデザイン作業など、アウトプットで語り合える(完成品ではなくても人に早く見せてフィードバックを得る)。

人とつながりが新しい発想を生む
自分にはない発想が生まれたり、人の発想の上にまた自分の発想を重ねたりする(その逆もしかり)。

人や環境に合わせて手段を変える
パートナーとして伊藤さんが加わり、人や環境に合わせて柔軟に手段を変える(手段も一つの目的と捉えて都度工夫する)。

nailmarksのネーミングとロゴ作りはクライアントワークではありませんが、いざ何かのプロジェクトでアウトプットを求められたとき、スムーズに力を発揮できるのが理想の形だと思っています(この後、実はありがたいことに新規ブランドロゴ開発の仕事に声をかけていただき、昨年末無事納品することができました)。

コラボレーションの可能性は無限にあると思うので、自分も相手にも影響を与えるような気持ちいい仕事がたくさんできるように、今年も頑張っていきたいと思います!

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