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グローバル人材(サッカー指導者)にとって顧客は誰?
日本を飛び出し海外へ渡る指導者も少しづつ増えてきていて、いい傾向だなと感心している一方、日本へ帰る指導者もそれなりに見てきました。
アジア、特に僕が活動しているタイでも、日本人指導者は活躍の場を求めて海を渡ってきたはいいが、理想と現実のギャップに敗れ帰国というケースも少なくありません。
指導力がなかったから?そうは思いません、皆さん素晴らしい指導者です。
語学力?それも大事、でも通訳いればその問題は解消できるよね。
性格の問題?それは知らない。笑
ここで少しマーケティングの考え方を取り入れて考えてみましょう!
サッカーの指導者がマーケティング?と思う人もいるかもしれませんが、ちょっと大事なこと言うよ。
一般的な考え方では、企業または個人事業主が自分の商品・サービスを提供して、顧客に満足してもらいその対価としてお金をもらいます。
顧客=お金を払う人です。
じゃあ僕たちサッカー指導者の顧客は誰ですか?
大体思いつくのは、サポーターかな。
確かに自分のサッカー哲学を浸透させたサッカーを展開し、試合に勝利してファンが増え、試合を見に来てくれる人が多くなればなるほどクラブにお金が落ちていくのは容易に想像できますよね。
でもちょっと考えてみて欲しいのは、ファンがお金を払っているのは指導者ではなく、クラブ、言い換えるとクラブのオーナーにお金を払っているわけだ。
僕たち指導者は、クラブに雇われている以上、お金の出所はオーナーになり、つまり指導者にとって顧客はオーナーになるんです。
あなたがもし自分の仕事をより快適に、より円滑に進めたいのであれば、”彼らを満足させること”ここを押さえておく必要があります。
タイサッカーの例
日本のスポーツは企業が支えていると言っても過言ではありませんが、タイではほとんどのクラブがオーナーによって所有され成り立っています。
例えばタイでこんなことがありました。
あるクラブのオーナーさんは親日の方で、選手との距離も近くとても優しい人物。
日本チームのような規律正しく献身的なサッカーを展開したいと、日本人指導者を招聘しました。
コーチも日本からわざわざ呼び寄せ、万全の体制で望んだシーズンの結果はまずまず。
来年も継続されるだろうと思われた日本人監督及びスタッフはみんなアウト。
何が問題だったんだろう?
たまたまそのチームと練習試合をする機会があり、中のスタッフ(日本人以外)に話をきてみたところ、こんな答えが返ってきました。
”確かにサッカーは良くなった。結果も悪くない。でも選手が日本人の指導についていけなくなっていて、オーナーそのことを話したみたい。それにオーナーが不満を持っているみたいだよ”
この場合、日本人指導者は、オーナーから日本式サッカーでお願いしますとオーダーされたわけだから間違ってはいないんだよね。
でもさ、タイ人のオーナーさんが、日本式サッカーがどうやって作られたかなんて知るわけないし、一朝一夕でできる訳が無い。
そこには血と汗と涙がたっぷり詰まっているわけですよ。(血と汗と涙がたっぷり詰まったサッカーを肯定しているわけではない。)
で最後にオーナーさんは、日本人ってこんなに厳しいんですか?だって。笑
日本式でお願いしますって言ったのあなたでしょ?
世界戦を前に
まず見間違えちゃいけないのは、僕たち指導者にとって顧客がだれなのか?ということ。
そりゃ哲学や理論も大事、それらを学ぶ・語れるのも指導者として当たり前なんだけど、どんなに素晴らしい哲学や理論を持っていても、結局ピッチでそれを表現するのは選手で、彼らが動かなかったら僕たちは無力なんだから。
日本では良かったものをそのまま取り入れる、これは考えることを放棄しているのと同じ。
外に出ればそれはまた違った課題を抱えているのだから、それを発見しないと勝てるもの勝てないよね。
まず顧客が誰で、何も求めているのかしっかり見極めることが、グローバルに働くための第一歩になる。
これらをグローバル基準の働き方と呼ぶことにしよう。
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