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自信の正体

監督としてデビューした昨年、リーグ戦、カップ戦合わせてハーフシーズンで26得点をチームとして挙げましたが、大事な局面での得点力不足に悩まされていました。得点機会の創出、シュート練習など試行錯誤の末にたどり着いたのが、シュートが入る場面を想像して自信を持ってもらうという心理的なアプローチでした。

後期途中から加入したチームも、特に前線の外国人選手たちが同じ問題を抱えていました。監督は彼らのメンタルに問題があるとして、それからほぼ毎日シュート練習を繰り返しました。ミスに関係なくそこで発せられる言葉は「グッド」「ナイス」「ファンタスティック」など、超が付くほどポジティブで、練習に取り組む選手たちは不安から解消されたのか積極的にシュートにトライするようになりました。結果、得点できず苦しんでいた外国人選手たちのシュートが大事な場面で決まるようになり、ミッションであった残留を達成することができました。

メンタル、つまり自信のなさがこの問題の原因の一つだったということができると思います。では自信とはいったい何なんでしょうか?人はなぜ自信がないのでしょうか?

一つは、人の評価に身を委ねているからだと思っています。周りの人が言った「良い」「悪い」で自分を評価しそれを無意識に受け入れてしまい「自分はダメなんだ」と自己肯定感を下げてしまいます。

もう一つは、失敗を恐れるパターンです。人間には損失回避という性質があります。失敗は過去のものであるにも関わらず、また失敗したくないという防衛本能が働き、それらを引きずって挑戦の妨げになってしまいます。

アルゼンチンでプレーしたことのある友人から聞いて話ですが、シュートが入らずもがいてた時に、アルゼンチン人の監督が素人のゴールキーパーをゴール前に立たせてシュート練習を行ったそうです。その日はシュートが気持ち良いくらい入り(素人キーパーは可哀想ですが)その週の試合ではその友人がゴールを決めて勝利したそうです。

自信とはつまり、自分の可能性を信じることができるようになること。「もしかしたら〜できるかも」という思い込みと成功体験の積み重ねで自信は育まれていくのだと思います。次はサッカーゴールを本来の規格よりも少し大きくしてシュート練習をやってみたいと思います。


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