世界戦での怒りのコントロール法
コロナがタイでも流行り始め頃、自チームのトレーニングも中断し、チェンライに取り残された期間が約3週間ほどありました。
先の見えない状況、でも時間はある。
そこで僕は何か作りたいと思い立ち、サッカーの本を書いてみることにしました。(BS1スペシャル「封鎖都市 武漢 76日間市民の記録」の中で日記を書く武漢の女性を見てめちゃくちゃ共感しました。人間は、自由には向いていなくて、何か課題のある毎日の方が幸せなのかもしれません。課題を作って没頭したかったんですね。)
でその本は英語で書かれていて、今度は英語からタイ語へ翻訳するために、タイとイギリスのハーフの友達にお願いをしました。
彼は自信げに、
「オッケーマイフレンド、来週の水曜日までに仕上げるぜ!」
と言い、僕のオファーを快く引き受けてくれました。
当日、予定通り彼から連絡があり、楽しみにメールを開いてみると、こんなことが書いてありました。
「メンタルプロブレムで翻訳することが出来なくなった。。」
皆さんどうですか?この状況で怒りを爆発させますか?
僕は基本的にあまり感情をむき出しに怒ることはしないので、このケースでも特に怒ることもありませんでした。(メンタルプロブレムってなんだよ!とは思いましたが。)
唯一、子どもに関することには感情的になることがたまにあります。
最近怒ったのは、子どもの幼稚園のオンライン授業の際、ホストである幼稚園側の電波が連日クソ悪かった時です。
音は聞こえない、先生はロボットみたいになっていたので、Roomから勝手に退室しました。
怒りは、防衛感情。悲しい、寂しい、苦しい、といった第一感情が許容量を超えたときに表れる。つまり怒る人は、第一感情の抑制力が弱い、または許容量が小さい
すぐ怒る人を小さいやつだなと形容するのは、多分ここから来ています。
世界戦(アジア)に挑戦する際に、さらにこんなことが大事だよということを今日は僕からは皆さんにお伝えしたいと思います。
期待しちゃいけない
怒りの正体の一つに”期待すること”があると思っています。
期待値が大きければ大きいほど、期待を裏切られた時の怒り値は大きくなります。
でもよく考えてみて下さい、期待感ってそこに契約書もなければ、口約束もない。
期待する側が勝手に期待というレッテルを貼っている場合が多いです。
自分から期待して下さい!という人もあまり多くないはず。
アジアで働いていると、期待を裏切られることがよくあります。
上記の翻訳事件も、実は彼に期待はしていませんでした。
どういうことかというと、僕はこの本の翻訳を彼にお願いする前にもう1人候補者を見つけていました。
彼がダメなら次は〇〇君にお願いしようというプランBが最初から僕の中に存在していたので、彼への期待感は高くなく怒りをコントロールできたのです。
怒りのエネルギーを自分に向けて使う
仮に怒ったとしましょう。
でもそのパワーを外(怒り先)に向けては、体力・時間の無駄です。
例えば、あなたのチームにいつも練習に遅刻してくる選手がいたとします。
あなたは遅刻したらペナルティーを貸すなどして改善させようと試みますが治りません。
ここで遅刻させない目的は、練習を予定通り始めることなので、そこに支障が出ないように時間を設定することでこの問題を解決できるかもしれません。(これはシニアの話をしているので、育成になると根本的な改善が必要かなと。)
毎日練習30分前にミーティングを設定しておけば、仮にミーティングに遅刻しても練習は時間通り始めることが可能です。
ビジネスの世界でも、部下がミスに怒りを向けるのではなく、その時のパワーをミスの細分化に向けてみてください。
もしかしたら事前のチェックが甘かったからかもしれませんし、説明不足があったかもしれません。
グローバル(アジア)で働くとなると、第二言語同士での会話になるので、最新の注意を払う必要があります。
そもそもミスをしたのは部下かもしれませんが、その部下を雇ったのは誰ですか?
もしその部下が仕事が出来ないのなら、クビにしてしまえばいいし、出来ないのならそれはそうできないシステムの問題になります。
グローバルに働いてみるとわかると思いますが、そこで働いている人種は様々、もちろん性格も多種多様、日本では当たり前に行われていることが当たり前に行われません。
これから世界戦に挑戦しようとするあなたが、もし怒りをコントロールできなければ、その怒りは仕事パフォーマンスに悪い影響を与えるでしょう。
でももし、あなたが怒りの正体を知りコントロールできれば、その怒りをエネルギーに変え、前向きに仕事に取り組めるようになるでしょう。
期待しないこと、矢印を自分に向けることは世界戦に挑戦する時に押さえておいた方がいいと思います。