【詩】 幸せな蜃気楼

心に流れる清らかな水
火をつけようとしていた
そう望んでいた

温かくなっていく心
その水面に白い霧が溢れていた
その蒸気の中で微笑み浮かべて
幸せな蜃気楼を見ていた

夢でもいいと思える世界
でも 本当にこれがオアシスの幻影なら
……怖れていた

心に流れる清らかな水
火を消そうと揺らいだ
そう迷っていた

温かくなっていた心
その水面が浅く底が見え始めた
その蒸気の中で悲しみ浮かべて
消えゆく蜃気楼を見ていた

夢でもいいと思える世界
でも本当にこれがオアシスの幻影なら
……わかっていた

きっと熱を持たせ過ぎたのでしょう
清らかな水こそ いまは幻影
もう熱を持つことはないのでしょう
そこに流れるものは何もないのだから

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