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ゼロは何も生まないがって話。

人間も動物なので、状況に適応しながら生きている。種としても、個体としても。種としての適応は、進化という形で体現され、それはランダムに起こる遺伝子の突然変異がたまたま周囲の状況への適応度を高める個体を生み、それが子孫を残すことで遺伝子が保存され、やがてその形質がマジョリティになっていく。

一方、個人の適応というのは、努力を積み重ねることで脳内のシナプスが新たな結合を生み、神経回路と筋肉組織の動きが脳の求める動作を再現できるように作り直されることにより新しい身体の動きが可能になることで可能になる。またその中で習慣が形成され、神経回路はスムーズに働くようになり、意思の力は少しずつ弱化していく。黙っててもできるようになる、というのはこういう状態だ。

どちらにしても、適応には時間がかかる。種の進化に関しては数万年では足りないくらだ。個人の適応を考えた場合、意識しないとそれができないという状態がしばらく続く。結局は脳内に新しいネットワークが形成されないことには新しいことはできるようにならず、そのためには同じことをやり続ける、シナプスに信号を流し続けて、「この結合は生きるのに必要なものだ」と脳内を騙していくことが必要になる。

だから、新しいことをできるようになるのは大変だ。新たなネットワークが脳内に形成されるまで、同じことを繰り返さなければならないし、途中でやめると繋がりかけたものはすぐに抹消されてしまう。

でも逆に言えば、少しでも信号を流し続ければ、シナプスはだんだん強化されてくるし、脳が出す信号のとおりに体を動かす筋肉組織は作られていく(字を書くのだって筋肉の働きだから、どんなに小さな動きでも、筋肉がその通り動いてくれなきゃその動作はできない)。

だから、ゼロにしないこと。15分でもいいから、毎日繰り返すこと。最初はしんどい。でもそれは脳内にネットワークがないから脳みそが戸惑っているだけだと知ってれば、ネットワークの形成とともにそのしんどさは減っていくと確信できる。まぁ結果としてできることのクオリティがどんなもんかは残念ながら才能にも影響されるものだけれど、繰り返さないと才能も開花しないとのことだし、ただひたすらに繰り返すっていうタイミングは、人生には必要なものだよね。

んじゃね!

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