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ワーグナーはやはりクナッパーツブッシュに限る!音質良好な《神々の黄昏》1951年バイロイト・ライヴ

割引あり

《神々の黄昏》は、リヒャルト・ワーグナーが作曲した楽劇です。楽劇とは、音楽と演劇を一体化させた芸術形式で、ワーグナーが独自に創造したものです。

《神々の黄昏》は、ワーグナーの代表作である舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』の第四部にあたります。『ニーベルングの指環』は、北欧神話やドイツの叙事詩『ニーベルンゲンの歌』などを基にした壮大な物語で、約15時間もの上演時間を要する大作です。

《神々の黄昏》は、その最終章として、英雄ジークフリートとヴァルキューレのブリュンヒルデの悲恋と、神々や人間の世界の滅亡を描きます。この楽劇の音楽は、ワーグナーの管弦楽法やライトモティーフという技法によって、物語の展開や登場人物の感情を効果的に表現しています。

ライトモティーフとは、登場人物や場所、アイディアなどに対応する短い旋律のことで、オーケストラが繰り返し演奏することで、物語の展開や登場人物の感情を聴き手に伝えます。

《神々の黄昏》は、1876年にバイロイト音楽祭で初演されました。この音楽祭は、ワーグナー自らが『ニーベルングの指環』を上演するために創設したもので、現在も続いています。《神々の黄昏》は、ワーグナーの音楽の力と美しさを最高の形で聴くことができる楽劇です。

《パルジファル》と並ぶワーグナーの最高傑作《ニーベルングの指環》に私たちは理想の録音と呼べるものを持っていません。

クナッパーツブッシュの《神々の黄昏》は1951年のバイロイト音楽祭におけるライヴです。

戦後初の開催となったこの年の音楽祭では、カラヤンとクナッパーツブッシュという対照的な指揮者が《指環》のチクルスを分担しました。

両方の演奏はEMIとデッカによって収録されましたが、日の目を見たのはカラヤン指揮の《ワルキューレ》第3幕のみでした。

このクナッパーツブッシュの《黄昏》は1999年になってようやくリリースされたもので、しかも録音は英デッカ、これを朗報と言わずして何と言うべきでしょうか。

そして何という音!クッキリと浮かび上がってくるオーケストラの生々しい臨場感。

まだ管楽器が遠く、ときに隔靴掻痒の感はありますが、クナの音楽の強烈な粘性、底なしに深い呼吸感と濃厚な表情は身体が震えます。

当時としてはきわめて良好な音質で、巨人クナッパーツブッシュのワーグナー解釈を聴くことができるのが何より有難く、レコード界の一大快挙と言えるところであり、この上は行方不明の前3作もぜひ発見してほしいと切に願っています。

あまりにすばらしいスタジオ録音の《ワルキューレ》第1幕に圧倒された私は、クナの《指環》全曲を耳にするのが悲願となりました。

やがて登場したバイロイト・ライヴ3組(1956、57、58年)はあまりにも音が貧しく、これまでに度重なる高音質化が図られてきたにもかかわらず、未だに満足できるディスクが見当たりません。

いずれも音が貧しく、舞台上の声はかなり良くとれているのに奈落のオケは鮮明さを欠いており、せっかくのクナの表現がなかなか私たちに伝わってこないのです。

なまじ期待が大きかっただけにディスクを目にするのも腹立たしい気がしたものです。

この1951年バイロイト・ライヴは《神々の黄昏》1曲だけではありますが、十二分に満足させ、堪能させ、感動させてくれました。

前記3組の音が良かったらと長嘆息ですが、贅沢は言いますまい。

クナッパーツブッシュは、ワーグナーの音楽に深い理解と愛情を持っており、バイロイトの伝統を継承しながらも自由な解釈を加えました。この録音は、モノラルながら音質は良く、演奏の迫力と熱気は十分に伝わってきます。オーケストラはバイロイト祝祭管弦楽団で、クナッパーツブッシュの意図を忠実に実現しました。テンポは全体的に遅めで、重厚で荘厳な雰囲気を作り出しました。しかし、それは単なる遅さではなく、音楽の流れや構成に基づいたものでした。

演奏はプロローグから雰囲気満点、歌の背景のオーケストラが常にものをいい、ワーグナーの音楽の美しさに体がしびれてしまいます。

物語が進むにつれておけの有機的な意味深さ、生々しさ、恐怖感が増してゆき、息もつかせぬ緊迫感など他に類を見ません。

しかもクナはひびきを凝縮させずにやりとげるのです。

第1幕第3場、そして第2幕第3場、第4場、第5場あたりの凄みは圧倒的で、ときには美しさに泣けてきます。

歌手では戦後のバイロイト盤のキャストと比べて聴き劣る人もいますが、錚々たる人たちが揃っています。

ブリュンヒルデ、ハーゲン、アルベリヒ、ワルトラウテなど最高で、何よりも心の表出が素晴らしいです。。

特にアストリッド・ヴァルナイのブリュンヒルデは圧巻です。ヴァルナイは美しく力強いソプラノで、ブリュンヒルデの愛や悲しみを感動的に歌い上げました。アルデンホフとのデュエットは見事な調和と感情移入を見せています。

私は、他の年のクナッパーツブッシュの録音も価値があると思います。音質は良くないかもしれませんが、演奏や歌唱は素晴らしいです。特に、1956年の『ジークフリート』は、ヴィントガッセンとヴァルナイのデュエットが見事です。私は、この録音の記事を作成中です。この録音の魅力や歴史的背景について、詳しく書こうと思っています。記事が完成したら、noteに投稿する予定です。

私は、クナッパーツブッシュの『指環』に関する記事を書くことを伝えるために、詩を作ってみました。以下は、私が作った詩です。

クナッパーツブッシュは
ワーグナーの音楽を愛する人です
クナッパーツブッシュは
ワーグナーの音楽を指揮する人です
クナッパーツブッシュは
ワーグナーの音楽を録音する人です

クナッパーツブッシュは
バイロイトの伝統を守る人です
クナッパーツブッシュは
バイロイトの伝統を超える人です
クナッパーツブッシュは
バイロイトの伝統を生かす人です

クナッパーツブッシュは
『指環』の名演を残す人です
クナッパーツブッシュは
『指環』の名演を聴かせる人です
クナッパーツブッシュは
『指環』の名演を伝える人です

私は
クナッパーツブッシュの『指環』に感動する人です
私は
クナッパーツブッシュの『指環』に学ぶ人です
私は
クナッパーツブッシュの『指環』について書く人です

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