コーチング×「認知科学」⑦コーチング理論①ゴール設定
これまでの記事で、「コーチング」を切り口に私の実体験を中心に記事を書いてきました(これからも実体験ベースのエピソードを展開していく予定です)。
今回の記事では、じゃあ実際に私が実施しているコーチングってどういうことをするの?どんな理論なの?を説明していきます。
今回の記事を読むことによって、認知科学をベースにしたコーチングセッション(1on1)って何をするのか?という全体感・ベースとなる考え方を理解いただけると思います。
「認知科学」という言葉に表されるように、学術的なベースをもとにしているため、再現性が高く、対個人もそうですが、会社全体がより良い組織メンタルモデルになり成果を上げ続ける、という「コーポレートコーチング」に活用できたりします。
※当コーチングは「共感・傾聴」など「答えはあなたの中にある」系のコーチングとは、一線を画します。むしろ共感・傾聴はしていきませんし、マネジメントツールのようなものでもありません(結果的にマネジメントに転用でき大きな成果を上げることもできますが、それはあくまで結果論です)
====コーチングって?====
最近、バスワード化している「コーチング」。そもそも「コーチ」とは、「馬車」を表す言葉といわれています。「相手を目的地(ゴール)まで運ぶ」という意味を持っており、相手が望む場所に、より早く、より確実に相手のパフォーマンスを上げていく、というものです。
みなさんがイメージしやすいのは「スポーツコーチ」などでしょうか。オリンピックで金メダルをとるために、またはプロ野球の世界で投手コーチなど、目標に対して何をすれば良いのか技術的、精神的に寄り添ってくれる存在です。
「コーチング」と似て非なるものがあります。それは「カウンセラー」や「コンサルタント」です。
私のコーチングの説明をカウンセラーやコンサルタントとの違いを棲み分けながら説明します。
今回のコーチは、クライアント自身が人生において心から実現したい目的地(ゴール)に運ぶ(連れていく)ために、「認知科学をベースとしたマインドの使い方」をインストールしていく、そのパートナーとしてコーチの役割を担う、となります。
冒頭お伝えした通り、「学術理論」をベースにしているので、再現性があり誰にでも適応が可能です。
その「目的地」(ゴール)自体は、クライアント自身が決めるものであり、コーチが創るものではありません。但し、そのゴール自体を一緒に創っていくのもコーチの役割でもありますので、その辺りはご安心ください。
一方で、カウンセラーとコンサルタントの違いは何か、というと、
カウンセラーは、セルフエスティーム(自己肯定感)を強め、「現在」の自分にフォーカスするものです。
コーチングは「未来」の「ゴール」に対してエフィカシー(自己効力感)を強めていくものです。
つまり、焦点が現在の自分にあるのか、未来の自分にあるのか、がポイントで、「共感」「傾聴」をしてしまうと、「現在」に臨場感を与えてしまうので、それらは行いません。
また、コンサルタントとコーチングの違いは何か、というと、コンサルタントはゴールやその手法自体に介入(ノウハウ提供)しますが、コーチングはそれらには介入(ノウハウ提供ではなく「マインド」の提供)しません。あくまで「マインドの使い方」という、より本質的なものを提供していきます。
では、さっそく、認知科学をベースとしたコーチングとは何なのか?その理論・根拠となる「5つ」をお伝えしていきます。当記事ではそのうちの一つの「ゴール設定」について書いていきます。
====ゴール設定====
コーチの役割は、目的地(ゴール)に対して、クライアントを運んでいくもの、とお伝えしました。つまり、この「ゴール設定」はとても大切です。
では、そのゴールの「定義」、ゴール設定を考えるにあたって大切な3つの概念をお伝えできればと思います。今は、「ふーん、そういうものがあるんだな」と思っていただければ大丈夫です。
ちなみに、ゴール設定とゴール達成は全く別ものであり、ゴール達成に向けて、大切な「エフィカシー」に関しては後述します。
・ゴール設定で大切なもの
①「want to」であること、本音であること
②「現状の外」であること
③「複数の領域」で設定すること
この3つがゴール設定におけるプロトコルです。それぞれ説明していきます。
①「want to」であること、本音であること
具体的なことは下記の記事で書いています。
この「want to」(本音で生きる)はとても大切なことです。
なぜならばゴール設定で大切な②の「現状の外」のゴール設定(※後ほど詳しく説明します)をし、そのゴールを達成するためには、本音じゃないと、途中でマインドのカラクリ上、に現状に戻す力が大きく働いてしまうからです。
現状の外のゴール設定をしたときに、今の自分を構成している「固定概念」を壊さなければなりません。
その壊す過程において、現状の外のゴールは自分のやりたい事なので、「ワクワク」を感じつつも「怖さ」を感じます。
なぜなら、人は、生存本能から現状維持バイアスがかかってしまうからです。その生存本能からくる現状維持を壊す際に、このゴールは今の自分にとって、現状維持の外にくるもの(ホメオスタシス外)になるので、必然的に怖さを感じてしまうのです。
その「怖さ」に打ち勝つためには、「本音のwant to」が必要になるのです。
②「現状の外」であること
当コーチングにおいて、「現状」とは、現在の状態・状況のまま推移すると予測されうる未来に関しても「現状」という風にとらえています。
例えば、同じ職種業務内容で転職をする(環境を変える)も現状ですし
現在の会社において、メンバー→リーダーに昇格する、も現状ととらえています。
ここで言う「現状」とは、ゴール設定をしたときに、その「ゴールの達成イメージが湧いてしまう」ものです。
では、現状の外とはどういったものなのか?これは、ゴール設定時に達成の仕方がわからない、今の固定概念・既存のビジネスモデル・組織構造などでは達成できないもの、を「現状の外」のゴールとしています。
なので、ゴール設定時に達成プロセスがわからない、ただその現状の外のゴールを達成したときの自分を考えるとワクワクする、でもそこにチャレンジするのは「怖い」という感じです。そのようなゴールは、周囲の人からするとばかげたもので、止めるかもしれません(ドリームキラー)
ゴールを探すものではなく、「決断するもの」そのようなイメージです。
これは一人で考えていくのはとても難しいので、コーチと一緒に創っていくのが基本となります。
※ただし最大限の思考とセッション前に決めてみるというプロセスが大事です。
③「複数の領域」で設定すること
最後に、複数の領域で設定する、です。ここでいう複数の領域とは、下記です。
仕事:本音のwan toであり、身銭を切ってでも人の役に立つこと
趣味:本音のwant toであり、人の役に立たないこと
人間関係:仕事とプライベートの人間関係
家族:自分の両親、自分が作る家族、自分の子どもにとって、どう在るか
社会貢献:自分の利益ゼロで、自分の重要度の外への貢献(慈悲心のこと)
知性:抽象度を高める、体系知識を身につける学び(生涯学習)
健康・美容:上記のゴールに対して必要な運動・栄養・休息・美容の在り方
ファイナンス:上記のゴールを実現している際の、収入と支出の差額(資産)
このそれぞれの領域で「現状の外」のゴール設定をしていきます。
なぜ一つの領域ではないのか?ですが、
一つだけだと、別の領域でコンフリクトしてしまう可能性があるからです。
めちゃくちゃ仕事に打ち込んでしまい、家族や健康を失ってしまった、そういう話を聞いたり経験したりしますよね。
あくまで私が提供しているコーチングは、「オールライフ」の視点で見ているため、それぞれが重要です。
また、複数の領域でゴール設定することによって、マインドのカラクリ上
無意識でそれぞれの領域を包摂しようとするので、より抽象的なゴールが出来てきます。
様々な領域の方が、それらのゴールに通底するものを無意識が考えてくるので、更なる真のゴールが通底しやすいのです。
====最後に====
「現状の外」のゴール設定し、達成をしていく上で大切なことは、そのゴールを達成している自分に臨場感を持つことです。
そのゴール世界を達成している自分はどんな当たり前の基準で生活しているのだろうか、どんなセルフトークをしているのだろうか、どんな感情を日々持っているのだろうか?などです。
そして、そのゴールに対して自分なら絶対に達成できる能力があるという根拠のない自信(エフィカシー)が大事になります。
このエフィカシーやセルフトークに関して、次の記事で書いていきます。
私の提供するコーチングに少しでも興味を持った方は、お気軽にご連絡ください。
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