172cm68kg 山岡泰輔の凄さ
今回は、以前インスタでも取り上げた
山岡泰輔投手について取り上げます!
山岡投手は172㎝68㎏と、プロ野球選手としては
決して大きくはありません。
それでもストレートの最速は152km/h
なぜそんなストレートを投げられるのか?
今回はその秘密を【投球フォーム】の面から
探っていきます!!
フォームから見る山岡泰輔の凄さ
山岡投手といえば、なんといってもこの
躍動的なフォーム!
それを構成する④つのフェーズに
分解して見ていきましょう!
①並進運動
まずは、きれいな軸足立ちから
「並進運動」が素晴らしいこと。
「並進運動」とは、
キャッチャーに向かってボールを投げるために
キャッチャー方向へ力を溜めながら進むことで
この出来がその後の動作の
強度・精度を左右するため
ピッチングにおいてとても重要な場面です!
「体重移動」とも言われますね。
また、山岡投手はこの時点で
踏込み足(左足)股関節と
リーディングアーム(左肩)を強く内旋しながら
軸足(右足)で地面を押しています。
これによって軸足股関節にパワーを溜め、
地面反力を受け取る準備をしています。
この時点から一流のエキスが滲み出ていますね!笑
【並進運動のポイント】
・軸足で地面を押す
・踏込み足股関節とリーディングアームの内旋
・それらを総合して、ホームへの推進力を生む
②着地~トップ
①で溜めて、前に進んだパワーを
ここで増幅させます。
体の部位で言うと、
「腹筋で溜めたパワーを背筋で増幅させる」
「股関節伸展によって上半身へと力を伝える」
ということが起きています。
まず、腹筋と背筋の関係からお話しします。
よく、
「胸を張れ」「猫背になるな」
と言われますが
これは初めから胸が張られていてはできません。
弓と同じです。
初めからピンピンに引かれている弓は
それ以上引けませんよね?
体も同じで、丸まっているから張れるのです。
緊張と緩和なのです。
そのために必要なのが腹筋と背筋。
軸足立ち~並進では、腹筋を上手く使って
胸椎・胸郭を丸めてパワーを溜めます。
着地~トップ(コッキング)では、そのパワーを
肩甲骨を寄せて胸を張る(胸椎伸展)によって
腕がしなるように準備します。
この腹筋と背筋の関係が大切なんですね!
そして、この「胸椎伸展」を生み出すために
2つ目のポイントである
「股関節伸展によって上半身へと力を伝える」
ことが大切になってきます。
というか、大切どころかこれが無ければ
背筋も肩甲骨も満足に使えないし
胸椎伸展も弱いです。
まず、①の並進運動で
地面反力を受け取る準備をしている
と言いました。
並進運動後期①と②の画像の間)で
地面反力を受け切り、
ここ(②)で地面を押して
地面反力を股関節に集中させています。
股関節というのは
下半身と上半身を繋いでいますから、
ここに力が集まるというのは
「上半身に力が伝わる」
ということになりますよね?
この「上半身に伝わった力」が
背筋・肩甲骨・胸椎に伝わり
胸椎伸展が起こることで
強烈な胸の張りと、
それによる腕のしなりを生み出しているのです!
地面反力というワードが出たので言っておくと
「踏み込み足からも地面反力を受け取っている」
のですね!
どんだけ地球に力借りとんねん。
ってところですが
嘘無しに、地球と仲良くなることは
アスリートには大事なんです。
図で表すとこんな感じ
↓
②で言った内容は、
「腹筋と背筋の使い方が優れている」
「地面反力を受けてパワーを増大させている」
ということです!
少し長くなりましたが
これが
山岡投手の快速球を生み出すヒミツ②でした!
③トップ~リリース
ようやく③です。笑
ここでは、①②で、溜めて・増大させたパワーを
「加速」させます。
①②で、上半身にこれでもかという程
力が伝わっているのでめちゃくちゃ加速します。
これが腕の振りが速いと言われるやつですね!
そして、ここで思い出してほしいのですが、
山岡投手は、①②で、どこから力を受け取っていますか?
そう、「地面」ですね。
「地面反力」というドーピングがあるので
山岡投手本人の力はあまり使っていません。
つまり、山岡投手は、①②③と共通して、
「脱力」しています。
この脱力こそが加速のコツであり、
加速させたいのなら脱力が必要ということです。
脱力+溜め+並進+地面反力+ブレーキ
=加速=球速
という公式です。テスト出るよ?
どれか一つ欠けてもだめなのです。
山岡投手は、この③までの間に
①で脱力+溜め+並進
②で①+並進+地面反力+ブレーキ
③で①+②+加速
を生み出しています。
それが結果的に
球速となって表れているだけの話なんですね。
ここまでで、気づいた方もいると思いますが、
どこにも「筋力」という言葉が無いんですね。
筋力(筋肉)はあくまでも①~③
つまり先ほどの公式を完成させる大前提であり
公式の要素ではないのです。
数学で、~を○○とすると…
っていう仮定を書いたことありますよね?
そんな感じ。
仮定があるから公式が完成する。
この公式を使うのは「ピッチング」=「試合」
なので、仮定はすでに存在していることになる。
つまり、
「仮定」は「公式」の前に無いといけない。
「筋力」が無い選手は
「ピッチング」には進めない。
ということです。
つまり、ピッチングの「中」ではなく
ピッチングの「前」に筋力が必要なのです。
なんかよく分からんくなってきましたね。笑
まあ、つまり!要は!
「ピッチャー」には筋力が必要
だけど
「ピッチング」には筋力は必要無い
ということです!
だって、「ピッチング」をする人には
必要・不必要に関わらず筋力があるんだから。
※ここ、だいぶ複雑に話してるので
分からん人は分かるまで読み返すと良いかも。
分かると今後のアプローチが変わるはず。
と、少し話が脇道に逸れましたが
山岡投手の素晴らしい点は、
筋力・可動域が高いレベルで両立し、
この公式が一寸の狂い無く再現されている点です。
筋力があるから公式が再現できるし、
可動域があるから加速して腕がしなる。
これが、③で言いたかった内容でした!!
④リリース
④は「リリース」です。
①~③で溜め・増大・加速が完ぺきなので
最後はそれを指先に伝達するだけ。
パワーはほとんどロスしていません。
むしろ増えています。
ここでも、脱力ができていないと
リリースのポイントを一定に合わせる
ことは難しいです。
山岡投手は、2019年度WHIP1.17(投手を評価する項目の1つ。1イニングあたり何人の走者を出したかを表す数値。1.20未満はエース級)
と、コントロールも抜群なんですね!!
ということは、リリースポイントが一定で
コントロールが安定しているということですね!
これも昨年最多勝率を誇った大きな原因です。
いやー、掘れば掘るほど凄い…笑
【まとめ】
今回は、山岡泰輔投手の凄さを
ピッチングフォームの面から見ていきました。
それぞれの動きはもちろん、
全てにおいて再現性の高さや連動性の高さ、
しなやかさが分かったと思います。
これをあなたのフォームに落とし込むならば
・脱力
・溜め
・並進
・地面反力
・ブレーキ
を押さえることです!
これらを別々に考えると難しいので
文章にしてみました!
↓
軸足立ちから脱力し、並進開始までにタメを作る。
地面を押しながら並進して、着地で軸足股関節伸展と
ステップ足のブレーキによって(ブロッキング)
地面反力を上半身へ伝達。
胸椎伸展と共にトップを作り、体幹部を中心に
腕を加速させてリリース。
文章の方が分からんわ!
というあなたには公式で!
↓
脱力+溜め+並進+ブレーキ+地面反力
=加速=球速
です!
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