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外側型野球肘(離断性骨軟骨炎)


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改めまして!皆さんこんにちは!!
【NAORU】というセラピスト向けのアプリを運営してる若林(@daiki9021)です!! 


保有資格は鍼灸師&日本スポーツ協会公認のATです。(ちなみに現役の3年間で両方とったのでそこそこしっかりしてます)

今回のテーマは外側型の野球肘の鑑別です!

2012年度の調査にはなりますが、日本の野球人口は約730万人と言われています。

ちなみに学生の何%が肘痛を保有していたり経験していたりするかご存知でしょうか?
野崎ら(2019)が中学野球選手を対象に行ったアンケート調査によると47%が肘痛保有者である。
大倉ら(2003)が行った高校球児へのアンケート調査では40%近くの選手が「小中学生の頃に肘が痛かった経験がある」と回答しています。
このアンケート調査から数多くの方が肘痛に悩んでいる可能性が考えられます。

また野球肘は臨床でも遭遇する確率の高い疾患でありますが、外側型の野球肘はその中でも稀です。
稀だとしてもしっかり鑑別し、適切な処置ができるよう一緒に学んでいきましょう!

現在こんな悩みをお持ちの方は是非ご覧ください。

○ 離断性骨軟骨炎なのか判断できない
○ 肘の可動域制限が出ていたら焦る
○ 肘の解剖学を復習したい

それでは本題に行きましょう!


外側型野球肘とは?

外側型野球肘は主に「離断性骨軟骨炎(以後OCD)」のことを指します。
このOCDは上腕骨小頭にスポーツなどで反復した機械的ストレスにより起こると考えられていますが、現在は上腕骨小頭の循環障害など多因子によって起こる可能性があると言われています。

好発年齢は約12歳で野球選手や体操選手に多いと言われています。
罹患率は約2%との報告があります。(大歳ら,2017)

好発部位は○で囲っている場所になります。


投球動作は
・Wind up
・Early cocking
・Late cocking
・Acceleration
・Follow through

の5段階に分類され、この中でもLate cocking期、Acceleration期に肘関節に強い外反トルク(64Nm)が加わることが報告されています。
この際に肘内側には牽引力、外側には圧迫力が加わっています。

肘の障害を鑑別していくために、さらに解剖を復習していきましょう。

投球時の肘関節支持機構

肘関節は
①腕尺関節
②腕橈関節
③近位橈尺関節
の3つの関節からなる複合関節です。
まずはそれぞれの関節の骨性構造を理解していきましょう。

腕尺関節
上腕骨滑車(凸面)と尺骨滑車切痕(凹面)からなる蝶番関節です。
基本的には屈曲・伸展の動きしかできません。(多少関節の遊びあり)

腕橈関節
上腕骨小頭(球面)と橈骨頭(臼面)からなる多軸関節です。
上腕骨小頭の上を橈骨頭が滑るようにして動きます。

近位橈尺関節
橈骨頭と尺骨橈骨切痕からなるピボット関節です。
前腕回外回内時の回転運動と近位遠位方向のピストン運動があります。
このピストン運動は離断性骨軟骨炎に伴う関節症変化に関係する可能性があります。

静的支持機構
内側(尺側)側副靭帯(MCL)ー前斜走線維(AOL)
              後斜走線維(POL)
              横走線維(TL)

動的支持機構(ダイナミック・スタビライザー)
前腕屈筋回内筋群ー尺側手根屈筋
         浅指屈筋
         橈側手根屈筋
         円回内筋

肘90°屈曲時の肘外反ストレスに対する肘内側支持機構の安定性は軟部組織が13%と報告している。(Bernard F,1983)

この内側の支持機構に機能不全が起きている場合
肘関節の外反動揺性が増大

外側への圧迫力が増大

OCDの発症率増大
と考えております。

分類・症状

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〝鑑別〟のイロハや、重要性を伝えていく、解いていく、各方面(柔整.鍼灸.理学療法士.アスレティックトレーナー)のスペシャリストによるマガジ…

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