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宇宙ビジネスの歩き方〜大学中退を経てフリーランスになった宇宙人編〜

①はじめに🐶

この記事は「宇宙のはじめ方〜就活編〜」企画の第三弾です。
https://note.com/soranome/n/n2c6a0058666b

②簡単に自己紹介👦 

長田大輝(ながただいき)と申します。

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福岡県出身でラグビー観戦が趣味です。
現在はsorano me創業メンバーの一人として、パートナー事業部の担当者として新規事業を0から作っている真っ最中です。その他、NPO法人Etic.にて、東京都が主催する日本最大級のビジネスコンテスト”Tokyo Startup Gateway”のマーケティング統括、そして宇宙ビジネスメディア
宙畑(-sorabatake-)の記事も執筆しています。

③宇宙との接点🚀

sorano meメンバーの中では私が一番社会人経験が短いので、学生時代の思考の変遷について紹介できればと思います。(就活生のお役に立てるか分からないですが。。。汗)

私自身、自分のキャリア選択の場面で立ち止まり迷ってきた人生なので、その時の思考について紹介したいと思います。

soranome紹介&メンバー紹介.pptx

★思考Point1:大学の中退

私は幼少期の頃から宇宙が好きで、大学受験の時も宇宙系の研究室がある大学を選んで受験していました。しかし志望校には落ちてしまい、東京の私立大学に進学します。その大学は勉強がキツイことで有名な大学でしたが、とても素晴らしい大学でした。この時の友人とは今でも非常に仲が良いです。

楽しい大学生活を送りながら、地方には無い、東京ならではの魅力と刺激を感じている日々でした。JAXAの特別公開や教授の講演会や宇宙系のイベントなどにも足繁く参加していたのが懐かしいです。

そんな楽しさの反面、自分が目の前でやっている学問と将来のキャリアがなんとなく接続しないことを徐々に感じだし、モヤモヤし出します。そしてとある方に、「君は宇宙をやりたいと言っているが、宇宙の何をやりたいの?宇宙といっても沢山の選択肢があるんだよ。」と言われ、自分の視座が低いことを痛感します。

様々な人に相談に乗ってもらいながら、私は大学を中退して実家に戻ることを選択します。今でこそ寄り道をしたとは全く思っていませんが、当時のメンタルはかなり崩れていました。

私にとって、大学の中退という選択をしたことよりも、自分が今学んでいる学問について俯瞰して考えたことにとても価値がありました。

私もそうでしたが、高校生の頃のキャリア選択は何となくで選んでいることが多いと思います。皆さんも大学で勉強している学問や研究について、一回俯瞰して考えてみると、新たな気づきを得てキャリア選択のヒントになるかもしれません。

★思考Point2:行動して気づいたビジネス側の視点

その後、ニート生活を経て再受験に挑戦し、私は某国立大学に進学しました。

大学では機械工学を専攻し、課外活動では、仲間と一緒にフォーミュラカーを製作したりTEDxというプレゼンテーションイベントの設計及びプレゼンテーション指導を行ったりする日々でした。

また、研究室ではハイブリッドロケットに関わり、燃焼効率の評価解析に関わります。そんな中、仲の良い先輩からの気軽な誘いで参加した起業に関するイベントでスタートアップという存在を知ります。スタートアップについて更に調べている時に「Startup Weekend」という週末の54時間で起業体験をするイベントに初参加し、そのまま運営にも携わるようになりました。

この頃から、日本の宇宙産業においてもスタートアップという概念と宇宙産業を繋ぐことが必要なのではとボンヤリと考え出します。欧米では、大きなビジョンを描き急速に成長する宇宙スタートアップが急増していました。

そんな中、メキシコで開催されたIAC2016(国際宇宙会議)にJAXAのサポートのもとで参加し、研究発表をする機会がありました。同世代で宇宙産業を目指す海外の学生と交流し、私は大きな気づきを得ます。彼らの多くが、”自分の研究をどう深めるか”というミクロな視点と”自分自身が世界の宇宙産業にどう貢献するか”というマクロな視点を同時に持っていたからです。このままでは日本の宇宙産業は大きくならない・何か行動をしなくてはという、言葉に出来ないモヤモヤを覚えて帰国します。

最初はモヤモヤしているだけでしたが、それでは良くないと出来ることから行動を始めました。海外で注目される宇宙ビジネスを紹介するイベントを友人と開催するも赤字で終わったこともありました。(この時の友人の1人は、今sorano meで一緒に活動しています。)

モヤモヤしながら少しずつ行動を起こしていた最中、2017年に城戸に出会い、宙畑にjoinすることになります。行動を継続すると同じビジョンを持つ仲間が増え、応援してくれる人も増えました。新しい視点から意見をくれる宇宙産業以外の仲間も一気に増えました。

その後は、Startup Weekendに宇宙のテーマを持ち込み自分で1から企画したり、AIの技術を使い他産業にインパクトに与える人材としてインキュベーションメンバーに選抜されたりする日々でした。この頃には当初のモヤモヤは気づいたら無くなり、ビジネスの視点から宇宙産業を捉えることの楽しさと重要性を強く感じていました。

就活生の皆さんも、宇宙産業(他の産業でも同じだと思います)を見る時に、様々な観点から宇宙産業を見ると一つのニュースでも様々な切り口がある事に気づくと思います。技術で世界を変えたい!と思う人ほど、ビジネスの視点は必要だと私は感じています。皆さんも、様々な観点で自身の研究内容や興味のあるトピックを捉えることで、本質的に自分自身が宇宙産業の何に興味があるのかを認識する一つのきっかけになるかもしれません。

★思考Point3:研究か就職か、今の仲間と仕掛ける未来

研究か就職か、これは多くの方がぶつかる問いだと思います。私自身もかなり悩みました。

前述に書いたビジネス視点を含めて研究に取り組む中で、自分はより長期的に宇宙産業を成長させる仕事をしたいと感じるようになりました。ロケットの研究は非常に好きでしたが、宇宙産業の輸送システムとしてロケットはもうコモディティ化する(価格以外で差別化が難しくなる)未来が近いことを感じていました。ロケットが気軽に宇宙に行けるようになった後も宇宙産業は成長します。私はより長期的に宇宙産業を大きくさせる仕事がしたいと考え、ロケットに関する企業に就職することは自分のキャリアとしては違うと判断しました。

私自身、ビジネスの基礎について自分で勉強したりベンチャー企業のインターンで事業開発の現場に飛び込む中で、技術だけでなくビジネス側からの視点の必要性を痛感し、最初のキャリアでは研究ではなく就職そしてビジネス視点で宇宙と関わることを決めました。

私が一つ言えるのは、どちらを取っても後からチャレンジできる。今しか出来ないのはどちらかを考えるということです。20代・30代・40代で自分がどのようなチャレンジをしたいか、今予想できる範囲でイメージしておくことが大事だと思います。

私の場合は、起業家支援・宇宙ビジネス人材育成の2つの視点をもとに、まずは宇宙産業・非宇宙産業のビジネス経験を積むことを選択しました。また、sorano meの創業メンバーで議論を重ねながら事業を0から作っていくのは、まさに今しか出来ないと判断したこともこの選択をした理由の一つです。信頼する仲間と0から事業を作る経験はめったに出来ないと感じたからです。

今後の私のキャリアとしては、5年後あたりを目途に大学院に入学してちゃんと研究に打ち込もうと考えています。

そして、宇宙へのアクセスコストが下がり、民間宇宙産業が更に活性化するであろう2030年頃に、研究した成果を生かす形で再度民間宇宙産業に戻ってくることを計画しています。勿論、キャリアに関してはこれまでも予定通りにいかないことの方が多かったので予定が崩れる可能性もありますが、自身のキャリアに関する計画を立てておくことはとても大事だと考えています。

これからやりたいこと💪

リレー記事の冒頭でこれからの宇宙業界に必要な3つの人材用件として出てきたB(Business), T(Technology), C(Creative)の中で、私はT(Technology)の要素を持つC(Creative)人材となっています。技術の知識を駆使しながら、新規の事業の立ち上げや何をするかを決めていく人材のようです。

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今後は、大学で専攻した宇宙工学の知見と仕事で経験している起業家支援の経験を掛け合わせることで、sorano meのパートナー事業で宇宙ビジネスに飛び込む全ての人との伴走に生かしていく予定です。

また、長期的に日本の宇宙産業を日本の基幹産業にすることに貢献できるキーパーソンの1人になるべく、まずは目の前のことで結果を出しつつ、自身が目指すミッションに向けて走り抜けていきたいと思っています。

おわりに👋

以上、私の思考の変遷をキャリア選択について書き連ねてみました。
私自身の実績や経験はまだまだちっぽけで就活生の皆さんと全然変わりません。しかし私自身、周りの人の支えの下で思考を繰り返し、自分なりに解を導いてきたとは思っています。

就活生の皆さんも、ご自身のキャリアで悩むことも多いかと思います。そんな中でも、皆さんの中でどうしても譲れないことを一つ決めてみてください。決めたら、それには妥協せず拘る。その譲れないこと以外は感性に身を委ねて飛び込んでみるのも一案です。拘りを持ちつつ、常にチャレンジの精神を忘れずに。

もし辛くなったら、sorano meに相談してみてください。私たちも宇宙産業の先輩方から沢山のものをもらいました。今度は私たちが皆さんに恩送りをする番です。

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次回は、議論を高い視座で捉えながら宇宙の技術についての深い知識も併せ持つ、sorano meの検索エンジンことたなこうさんです。

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