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【日本酒の話題】新酒の季節がやってきました!!

秋が深まると日本酒も新酒の季節になります

11月に入ると、コンビニの店頭などでも”ボジョレー・ヌーヴォー予約受付中!”というPOPが並び始めます。11月というと新酒のシーズン。日本酒の新酒も10月後半を皮切りにこの時期順々に店頭にならび始めてきます。

新酒の味わいはフレッシュで爽やかな風味が特徴で、ぐいぐい飲み進められるほどの軽快な飲み口が醍醐味です。その飲みやすさからついつい飲みすぎてしまうこともありますが、しぼりたての状態で出来立てそのままの風味を活かすために原酒(加水してアルコール度数や飲み口の調整を行っていないお酒)のままボトリングされているものも多く、そのアルコール度数の高さと飲み方には注意が必要です。

このフレッシュで飲みやすい新酒は一年を通しても限られた時期にしか楽しめないので、年間通してもこの時期だけは日本酒を飲む!という方も少なくなく、年に一度の縁起物としても貴重な機会となります。

新酒はなぜこの時期なのか?

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日本酒の原料と言えばお米です。中でもお酒の醸造に適した「酒造好適米」という分類のものを使うことが多いのですが、酒造好適米の中にもいろんな品種があります。

10月~11月の早い時期の新酒に使われるお米は、その中でも「早稲」と呼ばれる収穫時期が早い時期のものが使われることがほとんどです。早稲の酒造好適米の代表的なものの中には五百万石、美山錦などといったものがあります。

晩夏に収穫された早稲のお米が実際にお酒の醸造に使われるまでは、乾燥、等級検査、精米などがあり結果的に醸造が始まるのは10月の初旬になります。そこから醸造期間として最短でも2週間ほどはかかりますので、その年最速の新酒は10月下旬~11月初旬になります。

※その年のお米の天候、生育状況によってお米の収穫時期は変わってくることもありますので、一つの目安です。

早稲に対して、収穫時期の遅いものを「晩稲」と呼びます。晩稲の酒造好適米の代表核としては山田錦や雄町などがあります。新しい年度の早い時期の新酒で山田錦が使われることは基本的には少ないのですが、前年収穫の山田錦、いわゆる古米を使って早い時期に山田錦や雄町を用いた新酒が造られることもあります。

酒蔵の軒先に見る新酒が完成したサイン

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よく酒蔵や日本酒に力を入れている居酒屋さんの軒先に上のイラストのような杉玉が下がっているのを見かけます。何百年という歴史のある酒蔵さんの軒先にこの杉玉が下がっているのはなんとも言えない趣がありますね。杉玉は別名で酒林とも呼ばれます。

もともとこれは酒蔵が「新酒ができましたよー」と知らせる為に軒先に下げたものとされています。新酒ができた時には毎年新調した青々とした杉玉を下げます。これが段々と茶色く色づいていき、全体がすっかりこんがりとした色合いに変わってきたら、今度は新酒が程よく熟成がすすんで飲み頃ですよー、というサインになる、と言われています。

新酒の色は無色透明ではない?!

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日本酒と言えば無色透明な液体であると一般的には思われているのではないでしょうか。ですが近年人気のある日本酒は必ずしもそうであるとは言えなくなってきています。

例えば秋のひやおろしや、円熟味を増した熟成日本酒。これらのお酒は薄めの琥珀色の色味を帯びています。無濾過のお酒はうっすらとおりが絡んで白味を帯びていることがあります。

フレッシュな搾りたての日本酒はうっすらとライムグリーンのような色合いを帯びています。爽やかな飲み口のイメージ通りの色で、熟成を経ると色合いは変化していくので、この色合いのお酒を楽しめるのは正に新酒の時期だけです。

まとめ

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・日本酒の新酒(ヌーヴォー)は10月下旬〜11月上旬から出始めます。
・日本酒醸造向けの酒造好適米の収穫時期に合わせてこの時期になっています。
・酒蔵や居酒屋の軒先で見かける青々とした杉玉は日本酒の新酒が完成したサインです。
・フレッシュで爽やかな飲み口の日本酒はうっすらとライムグリーンの色合いをしています。この時期にしか楽しめない色合い、味わいですので是非乗り遅れなくお楽しみください!

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