RESOLVEモデルがどんなもので、どんな効果が期待できるかは前回の記事でお話ししました
今回は、RESOLVEモデルを活用したセッションの一連の流れをお見せしながら、都度解説を入れていきます。活用のためにぜひ理解を深めてください
今回はセッションが始まる前から描写してみましょう
コーチングに慣れてきても、可能な限り余裕をもってセッションに臨めるとよいですね。
環境の影響は大きいですから、空気を入れ替える。ライティングを調整する。アロマを焚く。いろんな工夫ができますね。
僕はある程度身体を動かした方が調子がいいので、ずっと室内に閉じ籠り切りにならないようにしています。食べた直後はパフォーマンスが下がりがちなので、直前の食事は軽くすますようにもしています。
これらは全て「R コーチがリソースフルな状態でいること(Resourceful state)」の役に立っていますね。
そして、クライアントを良い状態で迎えること、相手を気遣い相手の話を聴くことは「E クライアントとラポールを築く(Establish)」につながってきます
このケースでは省かれていますが、守秘義務についてなどコーチングの事前説明をするのも良いです。いつも話していることを話すことで、コーチもペースを掴みやすくなりますし、的確に説明できればクライアントの信頼感も増してきます。
CO「話しやすいところからでいいですよ」
とありますが、「ゆっくりでいいですよ」「ご自身のペースでどうぞ」など相手のやりやすい形にしてもらう(相手のペースを尊重する)関わりは、ラポールにとって大切です。
コーチは、穏やかな雰囲気を保ちながら、相手のスピードやペースに合わせて関わっています
つぎの
CO 「なるほど。。。イライラが止まらない。。ってどういうことでしょう?」
の部分も否定的なニュアンスが出ないように、おだやかなトーンできいています
「S 目標を特定する(Specify)」に取り組んでいます。そのためにクライアントの「なんとかしたい」を具体化するところから始めていますね。
そしてクライアントの話を展開させていくことで「イライラしなくなる」のように否定形かつ抽象的なゴールではなく、肯定形で具体的なゴールをつくろうとしています
つぎは「O オープンマインドになってもらう(Open up)」です。
CO 「変な質問ですが、あなたはどうやって自分をイライラさせるのですか」
ちょっと変な質問をするときは、このように「変な質問ですが」と前置きしたり「変な質問してもいい?」ときけばよいのです。
そして「あなたはどうやって自分をイライラさせるの?」と質問しました。
普通の人は、周りの影響でイライラさせられてると考えがちですが、主体論的な考えでは「自分でイライラしている」のです。
この考え方のよいところは、自分でイライラしているなら、イライラさせ方のメカニズムがわかれば、それを変えることでイライラを止めることができるということです。
自分でしているならやめられますね。
このような考え方にクライアントを誘い込んで、変われる可能性に意識をむけてもらっています
ここから「L プロセスをリードする(Lead)」に入っていきます。コーチは今回はフォーカシングからソリューションフォーカスという流れで行こうと考えています。
まずはフォーカシングでクライアントのイライラする感じの奥に何があるかを明らかにし、
その後で、制約のない未来を描き、そのためのリソースと新しい行動を発見します(ソリューションフォーカス)
実際の展開を見てみましょう
フォーカシングを知らない方からするとまったく奇妙なやりとりに見えるかもしれません。そのような場合はこの記事など参考にしてください
クライアントは心の声を聴く中で、まずは自分が一人の時間を求めていることに気づきます。そしてその奥にあったのは「優しくいきたい」それができないのが悲しい。。。という声でした
短時間のセッションだったこともあって、コーチはここから一気に未来にいきました
コーチは「優しくいきたい」を捕まえて、深呼吸でリラックスしてもらいながら、タイムマシンに乗ったイメージの力を借りて「優しく幸せに生きている家族の未来」を少しずつ具体化しています
基本的にはソリューションフォーカスアプローチなのですが、ミラクルクエスチョンではなく、黒沢先生の「タイムマシン質問」にしています
ソリューションフォーカスについては、こちらの記事で実例解説しています
「例外の条件さがし」をしています。
例外=うまくいっていたとき
条件=うまくいかせている要因
です。
10点の未来に近かった時を思い出し、
「何によってその状態になったか」(外的要因)
「あなたがやったことでよかったこと」(内的要因)
を探そうとしています。その結果クライアントは、何をしたらよいかについての気づきを得ています
変化をつくるためには、夫にピンチを伝えて、食事を作るようにお願いする。その先には、家族で優しく幸せに生きる未来が見えるというのです。
短時間ですばらしいルートを見つけてくれました。
「V 変化を確認する(Verify)」の部分ですね。すでに起こった前向きな変化を具体化しました。
その上で、当初のゴール「息子と分かりあうコミュニケーション」はどうなったかを確認しています。
その結果、そちらにも指針が立っていたことがわかりました。
ということで最後に「E エコロジーへの影響を確認して終了する(Ecological exit)」をして終わりになります
以上です。フォーカシングとソリューションフォーカスの部分だけでも良いのですが、他の部分がどう相互作用を起こして、セッション全体にまとまりを作っているか。それがクライアントのこれからにどう影響していそうか。検討してみてください
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