2015年の公開セッションから。今回は「私は表に出たらいけない」と思い込んでいるという女性のケースです
毎回スタートではできるだけふざけています。これは公開セッションでは、観客を楽しませるためもありますが、非公開のセッションでも同じです。なるべく笑ってもらいたい。笑えばクライアントもリラックスするし、コーチ=クライアント関係もよくなります。
そして本題ですが、先頭にたったらダメと思っていてもいいのです。でもなにかを率先してやろうと思うなら、先頭に立つべきでないという信念とバッティングしますね。
だから「先頭に立たなくても別にいいじゃない?何か困ってることあるの?」とかきいてみたいわけです。
今回はクライアントが他のテーマも事前に教えてくれていたので、それとつなげました。
クラウンツアーというのは、ピエロみたいな格好をしてツアーをすることです。病院や福祉施設などをまわるわけです。このクライアントはパッチ・アダムスという映画にもなった人物と一緒に世界ツアーで活動していて、それを日本でもやりたいわけです。
だから「先頭に立つべきでない」という思い込みを持っていることに困っているわけです。
本当はオーガナイズすると、先頭に立つや人前に立つは違うと思いますが、もう少しクライアントが考えていることを知りたいですね。
コーチは、スケーリングを使って「人前に立ってはいけない」の根拠を知ろうとしています。
どうやらクライアントは、自分には才能とか、リーダーシップ、統率力がないからダメと思っているようですね。
具体的な出来事をきいてみます。具体的な出来事をきくと、理解が正確になてくるからです。
こういうふうにきいてみると、幼稚園教諭時代に後輩が何度もミスったときに「ダメだよ」と言ったというのが事実ですね。
それを
ダメだよと言う→ためた怒りが爆発した→私は非寛容→リーダーとして相応しくない→人前に立ってはいけない→クラウンツアーのオーガナイズは無理
みたいな繋げかたをしているようですね。
溜めないで言うようになってもいいし、ダメだよといった後でフォローしてもいいし、繰り返されたらフィードバックをするのは普通だと思ってもいいし、いろんな対処があるとは思うのですが、本人はこのようにストレートに自分はダメというロジックを作っているのです
行動の結末を聞いてみました。爆発したら嫌な感じがしたと。そして相手の人ともすごい関係がわるくなった(ような気がする)というわけです。
ここでは、聞きませんでしたが、その後その人との関係がどうなったかきいてもよかったですね。もしからしたらしばらくしたら関係は変わったかもしれない。もし変わってなくても「いま振り返ったらどう関わればよかったと思う?」とか質問すれば、関係を好転させる方法が見つかったかもしれません。(もしそれが見つからなかったら「それが見つかったらどうなるとお思いますか?」などとやればいいのです)。
こうすることで、自分でちゃんと関係を修復できるということを学ぶことができますね。
このときは別のルートに進みました
クライアントは自分は「器が小さい」と思っているようです。器が小さいからリーダーに不向きであると
クライアントのロジックを明らかにするために、コーチは
「器が小さいからダメなの?」「怒っちゃうからダメなの?」「なんで?」と質問しています。
クライアントがどういう考え方をしているか知りたいのです。それを明らかにしていくと、クライアント自身でも
あれ、なんだか変な考え方しているな!
と思う瞬間がやってくることが多いからです。
もっと「協力したい」「受け入れたい」とクライアントはいいます。
この思いは素晴らしいですね。こんな思いを持っている人が、うっかり人を傷つけるとしたらどうしてでしょうか?
きっと、自分もわかってもらえなかったり、苦しかったりするのかなとかコーチとしては思うわけです。
さて、ここまでヒアリングしてきて、ようやくワークの入り口に立った感じです。このセッションでは、器というメタファー(例え)を活用しながら脳内のイメージ操作をすることで、クライアントの認知を変化させると言うちょっとめずらしいアプローチをしていきます。
続きをお楽しみに
僕たちと一緒に人生を変えるコーチングを学びたい方は