いよいよチェンジワークに入ります。文字でもイメージがつくように解説していきますが、よかったら実際のセッションのビデオがありますので、そちらも見てみてくださいね。とても面白いと思います
コーチは「どのように怖がっているか」を明らかにしようとしています。これは基本なアプローチですね。
「あなたが自分をどのように怖がらせているのか、それを教えてくれますか?」
奇妙な質問ですが、「こんなことを想像すると怖くなる」「こんなことを言うと怖くなる」「こんなことをすると怖くなる」「ここに意識を向けると怖くなる」というのがあるんですよね。
クライアントとそれに気がついたら、それを変えればいいわけです。シンプルな考え方ですね。
「本当に耐えられなくなったら言ってね」とか「無理はさせないから、絶対に」といって安心させる部分と、力強く「自分の中で何が起きてるのかが分かれば、それを変えることって絶対できるって私は信じてる」と言い切る部分。これはこのコーチ(僕ですけど)の良さですね。クライアントは安心しつつ、変化に対する準備をすすめていきます
クライアントの中で何が起こっているかの探索が始まりましたね。
揺れるのが怖い、閉じ込められているのが怖い
コーチは笑いで返しています。このように恐怖心をリラックスした状態で語ってもらうのも定石です。これだけでも少しずつ恐怖に振り回されないようになっていきます。認知行動療法の中の暴露法の応用ですね。
コーチは厳密に何が怖いのかを明らかにしようとしています。揺れるのが怖いというので、揺れるのが怖いなら船も乗れないはずじゃないか?と質問しているわけです。クライアントは下に水があるからいい、と答えています。
このように論理的にチェックしていく能力もコーチには必要ですね。
今度は逆のチェックですね。「飛行機が全く揺れなかったら問題ないの?」ということで、揺れること以外に怖さがないのかチェックしています。この質問によって、揺れることが怖いのだと絞ることができました
コーチはいい意味でしつこい。念の為、揺れてても解放空間ならいけるのかをチェックしています。コーチの関わりのおかげで結論としては浮いているものが揺れるのが怖いということになりました。
ところが、また別のチェック。ジェットコースターは浮いていて揺れるけどどうなんだ?と
本当にしつこいですが、何が怖くて、何は怖くないのか。そのことを特定して、クライアントの怖い要素に働きかけたいのでしょう。
答えは、地面がないから。でした
ここまでしつこく追いかけてきた結果、クライアントは
「地に足がついてない感じが怖い」という表現に辿り着きました。そして
また船でチェック。船も地に足がついてないはずです。先ほどの答えは「泳げるから大丈夫」でしたが、今度は
「水が支えてくれるから」
というものでした。この言葉をきいてコーチは動き始めます
「空気が支えてくれてる感じが、いまいち乏しいってことだよね」
これも前提を使ったコミュニケーションですね。「空気が支えてくれてる(前提)のだけれど、実感が持てていないだけ」だと示唆しているわけです。
これを「鳥が空を飛べるみたいに」とか「水の中泳いでるのと本当は一緒」とか言い方を変えながら何度も繰り返し、クライアントの内的イメージを揺らそうとしています。
これを受けて、クライアントは「空気」に関心を向け始めます。いよいよチェンジワークのゴングがなったようです。次回の展開をお楽しみに
つづく
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