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コーチングで結果が出るようになる7つのメタファー(前編)

 ここ数年のコーチングブームで、コーチングに関心を持つ人が増えたのは嬉しいことです。せっかくなので、コーチングに手応えを感じて、使い続けてくれると良いなと思っています。

 学んだだけでなく実践してみた方はお気づきかと思いますが、練習と実戦は全然違うものです。コーチングスクールの中でコーチングをやってみると結構うまくいくのに、知り合いにコーチングしたり、初めましての相手にコーチングすると全然うまくいかない。そんなこともあると思います。

道場での練習のようなもの?

お約束

 道場で練習する時には、相手は技の練習相手になってあげる前提で、あなたの前にいます。だから、あなたの技がかかるようにしてくれるし、かかったらちゃんと投げられてくれるのです。これは別にやらせという話でもなく、練習ってそういうものですよね。相手も投げられるのを待っているわけです。だからちゃんと協力してくれる。身につけるステップとしては、こういう段階も大切なんですよね。

 で、道場で練習して強くなったつもりで、ストリートファイトしようとすると、相手から思わぬ動きをされたり、抵抗されたりで、グダグダになって、練習した技が決まらない。

 コーチングも一緒ですね。コーチングの「お約束」を相手は知りませんから、全然関係ない話を続けてきたり、前向きに考えてくれなかったり、あなたに対して文句をいってきたりすることもあるかもしれない。

 どうしたらいいのでしょうか?

 これから一生の間、「お約束」が」通じる相手とだけコーチングをしていくという選択もあります。プロコーチとして仕事している人の中にも、そういうコーチもいます。プロクライアント(そんな言葉はないと思いますが)だけを相手に仕事をしてもいいわけです。

 でも安心してください。僕たちのようにベテランになれば、どんな相手でもいつの間にやらコーチングワールドに引き込んで、何らかお役に立てるようになることもできます。

 この記事では、まずはあなたが教わったコーチングがうまくいくための考え方を、ご説明します。ぜひ楽しくコーチングを続け、段々といろんな相手にコーチングできるようになっていってください

※イラストが合気道っぽいですが、合気道ではわざと投げられてるとか、ストリートファイトしてるとか、もちろんそんなつもりの例えではありません。むしろ相手の力を使って投げる合気道はコーチングのヒントになるな、と思い尊敬の目でみています

①楽しく話を聴く

 これが一番のコツです。コーチングをしようとすると、初学者の方は、とにかく固くなるのです。だから雰囲気も重くなりがち。クラスでも雑談している時は、とても楽しそうなのに、コーチングになると真面目な雰囲気になる。そして本人たちは案外そのことに気づいてなかったりする。

 だから、まずはちょっと自分が固くなってることに気づいてください。プロのコーチはリラックスしています。あなたからは、プロは経験があるから余裕でやっているように見えるかもしれません。もちろんそういう側面もあるんですけど、僕だって緊張するときもあります。19年やってても、シチュエーションによっては緊張するんです。

 でも、緊張するようなシチュエーションのコーチングに、実際に緊張して取り組んだら良い結果にはならないんです。だからこそしっかりリラックスして相手と話ができるように練習してるわけです。もしくは多少緊張していても、それを感じさせないように、自然に楽しく話をしているように見せるための練習をしているんです。

 そもそもコーチングはクリエイティブなプロセスです。コーチのクリエイティビティとクライアントのクリエイティビティで成り立つプロセスなんです。だから真面目で重苦しくなると、コーチングはうまくいかないのです。

 逆に楽しく話しているだけで、気分が変わって、これまで躊躇していた行動を取ろうという気持ちになることもあります。楽しく話してたら、新しいアイディアが出てきて、やってみたくなることがあります。

 こんな風に考えて、まずは習ったコーチングを頑張ってやることを手放して、「今日はコーチングを楽しむぞ!(結果のためにも)」と決めてみてほしいのです。カラオケにいく気持ちが良いかもしれません


マイクを持つのは誰?

 とは言え、あなた(コーチ)が歌うのではありません。歌うのはクライアントです。相手が歌いたい歌を気持ちよく歌えるように盛り上げるのです。それが楽しく相手の話を聴くということです。

 手拍子を入れたり、合いの手を入れたり、全身を使って、相手の歌に合わせて盛り上げていくと、それがどんな歌でも、相手は気持ちよく歌えるのです。

 重い歌、暗い歌でも、気持ちよく歌ってもらえるように、相手に合わせるんです。

 歌い手の立場に立ってみてください。最高じゃないですか。今自分が歌いたい歌を、聴き入ってくれて、歌に合わせて身体を揺らしてくれて、同じ感情を感じてくれて。。。そんな聴き手がいたらもっと歌いたくなりますね。

 感覚がわからなくなったら、実際にカラオケスナックにでも行ってみたらいいのです。どんな曲が流れても、上手に盛り上げて、気持ちよく歌わせる聴き手に出会えるかもしれません。それをコーチングでやるのです!!!

 興味深く、歌詞を聴いてください。歌のテンポやリズムに全身で乗ってください。その世界に一緒に入っていくのです。それがコーチの話の聴き方だと思います。(諸説あり)

 あなたに相談してくる相手は必ずしもコーチングを求めていません。あなたのタイミングであなたがしたい質問をすることを求めていないのです。コーチングは素晴らしいものですが、相手は別にそう思ってないのです。

 だからこう考えみてください。まずは目の前に相手がいること自体が素晴らしい。私に相談してくれる人がいるってなんて素敵なことなのか!と。だからまずは気持ちよく話をしてもらおう。気持ちよく話をしてもらいながら、こちらは相手のことをまずはしっかり理解しよう。そうしたらその先で何かできることが見つかるはず。まずは焦らず行こう!!

 どうでしょうか。急がば回れの精神で、こんな風にスタートするとコーチングがうまく回り始めます。

 逆に「時間の中で何とか結果を出さないと!」「ちゃんとコーチングをしないと!」と焦ってスタートするとどうなるでしょうか。相手も話しづらいのか、話は途切れがち。あなたは相手に関する情報が収集できない。質問もヒットしない。一問一答になりがち。ますます空気が重くなる。。。

 悪循環ですね。ぜひ盛り上げることから始める好循環に切り替えてください。そのためには

 「今日は聴き役に徹するぞ」

 そんな気持ちで行くのがいいのです。「別になんの結論に至らなくてもいいけど、相手が話したいことを全部聴こう」そんな風に誰かと関わったことありますよね。別にこっちも気合いを入れてるわけでもなく「いいよ。今日はいくらでも聴くよ」って感じの関わり方。あれでいいのです。

 とにかく話を聴いて聴いて聴いて。最後は相手から「今日はありがとうね。聴いてもらってよかった。なんだかすっきりした」とか言われて「それならよかった。また何かあったら話聴くからね。いいことあるように祈ってるよ」とか返しておしまい。あれです。

 その雰囲気でいいのです。その雰囲気で始めた方が、結果としていいコーチングのなるのです。そう思って、リラックスして相手の歌を楽しんで、盛り上げてください。別に沈黙だって気にしないでください。歌を忘れちゃうこともあるわけだし、疲れて休みたいこともあるのと一緒です。楽しい雰囲気でそこにいるのです。それが最大のコツです。ピンとこない人はカラオケにいって習得しましょう!!


②未来の話を振ってみる

 さて、相手の歌を聴いて聴いて、終了時間が来たら解散するのでも良いですが、相手に歌をリクエストすることができます。

 そんなつもりで相手に未来の話を振るのです。「ねぇ、ミスチル歌ってよ(YOASOBIでもいいです)」みたいな感じで未来の話に切り変えるのです。あなたが良い聴き手だったら、相手はリクエストに応えようとしてくれます。

 この時、大切なのは、あなたが本当に聴きたいと思ってリクエストすることです。そうでないことがわかったら興醒めですもんね。だから僕らはクライアントの未来に個人的興味や好奇心を持ちたいわけです。

 相手のことが好きだったら。この人と仲良くなりたいと思ったら。相手のことを知りたいと思うし、相手の未来にだって自然と関心を持ちますよね。

 だから相手のことを好きになりましょう。仲良くなりたいと思いましょう。そんな風に思えない時は、決めましょう。相手と仲良くなる。相手を好きになる。そう決めましょう。だってあなたを相談相手に選んで時間とって話をしてくれる人ですよ。それが誰であれ、貴重な存在じゃないですか。だから仲良くなると決めてください。そして相手に対して好奇心、関心、興味を持ちましょう。

 過去のことも知りたいと思うのは当たり前のことです。とは言え、過去は過去。私たちはこれからは未来にしか生きられないし、未来はいくらでも自分で変えることができるのです。コーチングはそのために存在するわけです。

 だから「仲の良い相手と一緒に素晴らしい未来をつくるんだ!そのために私はここにいるんだ」と自分にリマインドしてあげてくださいね。そしてまずはこの人の希望を聴こうと思うのです。

 もちろん相手は未来について全ての希望をちゃんと言語化できていません。コーチングを受け慣れていない人はましてやそうです。だから一流のコンシェルジュにでもなったつもりで、相手の断片的な希望を聴いて、それを理解しようと努め、一緒に最適な実現プランを考えるのです

未来を実現するコンシェルジュ

コンシェルジュ=ホテルの宿泊客のさまざまな要望に対応する「総合お世話係」とでもいうべき存在。 宿泊客の希望をきいて、観光情報の提供および観光プランづくりの相談、チケットの手配など行います

 さて、話を戻しますが、実戦としてのコーチングは

①相手の話がなんであれ、それを気持ちよく話してもらう
②どこかで「未来の話」を振ってみる

 という風にイメージしてみよう。ということだったわけですね。では「どこで未来の話を振る」の「どこか」とは「どこ」なのでしょうか。

 答えはずばり「行けそうだ!」とあなたが判断したときです。僕は本当に様々な相手にコーチングをしています。中にはとってもじゃないけど、コーチングで何とかならないようなケースにも遭遇するのですが、そういった場合はなかなか未来に「行けそうだ!」というタイミングが来ません。

 90分時間をとっていても70分過ぎまでチャンスがこないこともあります!でもいいのです。そういう場合は、相手はまずは自分の話したいことを聴いてもらいたいわけですから。無理して未来に行かなくてもいいのです。このセッションなんか、まさにそうでした。よかったら参考にしてください

 だから初回セッションは未来の話を聞けずに終わってもいいのです。次回に聞かせてもらってそこからコーチングをすればいいのですから。そのくらいの気持ちでいてください。

 ただ僕らのようなベテランになると、未来に行ける小さな隙間に気づけるようになるんですよね。相手が暗い歌を歌っていても、その歌詞の中の単語で、それに反応すればそこから明るい未来の歌に転換できる!みたいなポイントをたくさん見つけられるのです。だからサクサクとコーチングが進んでいくようになります。

 でも最初のうちはそんなこと気づかずにスルーすることも多いわけですから、気がついたときでいいので、思い切って未来の話に向かってください。

 「そっか。。。それでさ、本当は、どうなったらいいとあなたは思ってるの?」

 とか、そんな質問をすると決めるのです。そしてその質問が通るタイミングを探すのです。基本は相手がひとしきり話し終わったタイミングで良いと思いますし、それでうまく行きます。

 ただしそのためには、そこまでの間のあなたの「盛り上げ」と、相手の未来に関するあなたの「関心」が問われているのです。相手に気持ちよく話させもせず、相手の未来に関心もないのに、相手が未来を楽しく語ることを期待しても虚しいのです。

 さて、相手が未来の話を始めてくれたら、これこそ盛り上げて楽しく聴きます。だけど盛り上げ過ぎにも注意してくださいね。相手のテンションはだんだんとあがってくる場合もあるのです。そんな場合だと、あなたのテンションが最初から高すぎると相手は冷めてしまいますね。相手のテンションを感じて、相手と同じか、少しだけ相手よりテンションが高いくらいで聴くのが一番良いと思います。

 そして未来の話を聴く時はジグソーパズルを作るつもりで行きましょう

未来はジグソーパズル

 しかも、何の絵が完成するのかわからないジグソーパズルを完成させるつもりで臨むのが良いのです。

 ジグソーパズルは、とりあえず確実そうなものからピースを置いていくわけです。角とか、辺の部分とか。もしくは特徴的な色や絵柄の部分だけまずは完成させてしまうとかね。そうすると、その周辺にハマるものがだんだんと予測できてくるわけです。最初は探り探りだったものが、だんだんと全体像が見えてくると、作業がスピードアップしていきますね。

 未来の話をきく作業はこれに酷似しています。だって、クライアントの中に答えがあると言うけれど、未来のことなんて、よくわかってなかったり、ふわっとしているんです。

 だから、ふわっと始めてほしいのです。わかっているところをまずは言葉にしてみてほしいのです。もしかしたら関係ないパズルのピースがでてくるかもしれませんが、それもテーブルの上に並べておいて、とにかく置いてみたり、組み合わせてみたりしていくしかないのです。

 だから「たとえば?」という質問から始めましょう。

 「ねぇねぇ、将来どうなったらいいと思ってるの?たとえば?」とか使えますね。

 「たとえば?」っていう言葉は、ハードルを下げる効果と、具体的なものを描く効果があります。これは両方、未来を描くときには重要な要素です。

 あとは相手が話し始めたら、まずはピースを全部出してもらうつもりで、相手の話に矛盾があっても気にせずに、「いいね!」「それはいいね!」「あとはどうなってたらいい?」とか言って、どんどん出してもらったらいいのです。

 そして、その後で「いろいろ話してもらったけど、あなたが本当に望んでるのはどんな未来だろう?」とかやればいいわけですし、

 あなたが感じ取ったことがあるなら「◯◯な未来になったらいいと言っているように聴こえたけどどう?」とか言ってみてもいいですね

 ということで、気持ちよく話してもらいながら、行けそうなタイミングで、未来の話を振ってみてください。

 相手が未来の話をしてくれなかったら、また相手が話したい話を聴くことに戻ってもいいのです。そのうちうまくタイミングが掴めるようになりますよ。

 タイミングがわからなければ「ちょときいてみたいことがあるんだけどいい?」などたずねて「何?」と言われてから質問するというやり方があります。相手は自分でイエスを出しているので、あなたの質問に答えるようになります。

 ただしこれはテクニックというより、相手への配慮として使ってほしいです。相手に確認してから質問する。良い関係だと思います。

今日はここまで

 あなたへのメッセージはあと5つあります。次回に続きをお伝えします!!

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