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堆肥臭えんだよ

父親から定期的に手紙が来る。こんなことやあんなことがあって…みたいな近況報告から始まり、最後は「最近知り合いで亡くなる人が多いから、いつまでも生きてられると思わず楽しもう」みたいな感じで締まるのがお決まりの形だ。毎度なかなか長文で(父はワードで手紙を書く)来るので、朝仕事に行く前のちょうど良い読み物になってる。この前は写真も貼ってあってなんだかほっこり。
突然返信とかしたら面白いかなと思って、1月くらいに僕も長文を書いて封筒に入れたけど、寒い外に切手を買いに行くのが面倒で、結局二週間くらい放置した後棄ててしまった。このGWで頑張って書こうかな。

ユンヒへをみた。最近映画を見ても心動かされること少なく、結構別のことしながら生活音として垂れ流してることも多かった。そんな中みたユンヒへはすごい良かった。日韓の合作(多分)で、韓国の女性が日本に人探しに来る話。なんと舞台は北海道の小樽!しかも冬ですごい綺麗だった。作中で「北海道の冬の夜は静寂」みたいなセリフが出てきていやーほんとそうっすよねーとなった。雪って吸音効果あるのか、町に毛布がかぶさったみたいに静かになる。それが自分はすごい好きだからなんか突然嬉しくなった。
唯一ひっかかったのは雪かきのシーン。あまりにも画を意識した非現実的な作業順序で、お前そんなどうでもいいとこ絶対何回もかかねえよと突っ込んでしまった。でも突っ込んだ後に、こんなとこに目が行くようになったなんて、僕も北海道人かしらと少し感極まったり。

古民家に引っ越そうか考えてる。どうやらここら辺には維持しきれなくなった家を手放したいけど相手がいなくて悩んでる老人が多いらしく、彼らを狙えばうまく家をゲットできるかもしれないと聞いたからだ。今住んでるアパートを紹介してくれた不動産屋さんが中々やりてなので、その人に聞けばまず間違いないらしいけど、なんせ仕事が早すぎるのと結構ぐいぐい来る人なので、こっちの心と経済的な準備が整ったら話をしてみよう。
今住んでるところも東京に比べたら人の少ないちょうド田舎だけど、最近もっと社会から離れたくなってしまって、こう書くとなんか病んでるように聞こえるけど、単純にもっと人気がないところに、そう、「近所の人」ができないところに行きたい。馬鹿でかい音を音を出したいのもあるし、20代のうちに辺鄙なところで少し生きてみたいという気持ちもある。空港からアクセスのいい場所で探そう。

そういえば冬の間自転車を倉庫に入れてくれてた向かいのおばさんに挨拶に行って自転車を受け取った。どうやら最近入院していたらしく、今は大丈夫ですか?と聞いたら、「私が死んだらここら辺騒がしくなるわよ〜」と返された。まだ元気なのかな。
自転車のカバーが家にあったからあげると言われ、その場で受け取って広げてみたら、明らかにキッズサイズで気まずくなってしまった。気に入らなかったら投げていいからと優しい顔で言われて、断れず、別の用途で使えるかもなので頂きますと返した。

好きなラーメン屋さんに行った。美味しかったけど店内が堆肥臭かった。今は街も丘も全部臭い。なんで窓開けたんだろう。

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