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サービス残業とリーダー

移転して一週間が経った日
私はリーダーと二人で書類仕事をしていた。

 
「今日こそは定時で帰るよ。ずっとサービス残業してますよね?」

リーダーが口を開く。

 
「いや、二回は定時で帰れてますよ。」

私は答える。

 
移転して営業を開始した日やその次の日は
当たり前のようにサービス残業があって確かに少し苛立った。

移転前日、私は朝から移転準備で出勤だったし
その日もサービス残業をしていたからだ。

 
「帰れているなら、よかった。俺は定時で上がれてないから、他のみんなも上がれてないと思ってた。」

「私達は定時で帰れても、リーダーは…。」

「俺はいいんだけどさ。みんなが定時で帰れてないのはよくない。他の仕事はやっといたから、今日もちゃんと定時で帰ろう。」

 
リーダーの配慮のお陰で
私や同僚は定時で上がれた。

リーダーに感謝だ。

 
リーダーは優しい。

こうやっていつだって周りを思いやり、仕事を手伝ってくれて
自分は朝早く来て、帰りは遅い。

リーダーの背中は頼もしい。

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