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三年ぶりの医療脱毛

2020年、私は30代半ばにして医療脱毛デビューをした。

 
6回コースにし、初回から効果を発揮していてあまり毛が生えなくなったが、2回目で皮膚が赤く腫れてしまった。

その後、軟膏により赤みは落ち着き、3~6回目は無事終わった。
コースにせず、3回で十分だったように思うが、コースにより今の状態が保てている可能性もなくはない。

あれから三年経った今も、私の足は自己処理の必要がなく、スカートを履く時が快適そのものだ。

 
 
 
あの医療脱毛から三年が経った今年、母が入院した。
自分のことは後回しにして家や家事を優先し、また仕事も多忙を極め
私はとても疲れていた。

以前は毛を剃ることや抜くことが楽しかったが
今年は毛が忌々しく、また処理が面倒で、アームカバーで腕毛を隠すことも多かった。
そもそも、今年は疲れにより入浴できない日や髪を洗わない日も増えていた状態だった。

 
…腕や脇、脱毛しようかな。

今年はそう思うことが増えた。
最近は毎年酷暑で年間を通して半袖を着る日が多いし、私はスカートやワンピースが大好きなので腕や足を出す機会も多い。

人生80年と考えた時、後半分の人生は毛がない生活を送れるのだ。
数万円でその生活が手に入るなら悪くない。

 
ネックはお金よりむしろ日焼けだった。
転職し、野外活動が多い私は、日焼け止め+アームカバーを毎日しているが
脱毛をした後、確か日焼けには用心しなきゃいけなかったはずだ。

足の医療脱毛により、脇や手を脱毛したかった私が三年間躊躇していたのは、この医療脱毛と日焼けの組み合わせの悪さが一番だったと思う。
足ならばズボンを履けばいいが、手を日焼けから守るのはなかなかに難しい。

 
だが、医療脱毛に何回も通わなければいけない以上、今は春でも秋でも30度以上だし、日焼けを恐れていたらいつになっても通えやしない。

多分日焼け止めとアームカバーで日焼けは防げるはずだ。

 
 
お母さんの退院があと一ヶ月後に迫った頃、私はお母さんに脱毛を考えている件を伝えた。
脱毛推進派のお母さんは脇には賛成しつつ、私の腕毛の薄さから腕は必要ないんじゃないかとさんざん言ってきたが

「前々から、もし医療脱毛するなら足と腕と脇だと思っていた。腕もやる。
お母さんが退院して落ち着いたらやるよ。30代最後の年の、毛の断捨離だね。」

と言い切った。

 
最近はVIOも気になりだしたが、そちらは一旦保留とする。

 
 
2024年8月。
五ヶ月の入院を経て、母は退院した。
退院前日にコロナ陽性となり、退院後もなかなか体力も食欲も戻らなかったが
段々とできることが増えてきた。

 
これならば、ちょっと外出して医療脱毛くらいできそうだ。

そう安心した私は病院に電話をかけた。

 
心配だった日焼けだが、私の今の生活状況なら問題はないらしい。 よかった。
私は9月に1回目の医療脱毛の予約をした。
脇、腕(肘上と肘下)を一気にできるらしい。

 
医療脱毛前日夜か当日に医療脱毛をする場所の毛を処理するように言われ
私はお風呂場で念入りに毛を処理した。
好きな人とのデートぶりの力の入れ具合だった。
なんせ、明日は脱毛担当のプロに脇を見せなければいけない。
そり残しは恥ずかしい。

 
 
当日はどんよりとした曇りだった。
雨が降ったり止んだりしている。

普段ならゲンナリする天気だが
日焼けや医療脱毛を考えると、ありがたい日だ。
医療脱毛当日は日焼け止めを塗れない。

   
 
万札を握りしめ、 予約時間ぴったりに皮膚科受付に着いた。

相変わらず院内は激混みだったが、3年前と同じように医療脱毛に関しては予約時間通りに奥の部屋に案内された。
前回特に異常がなかったため、希望をしなければ診察はなしだと言われた。希望はしなかった。

 
相変わらず脱毛ルームは白やピンク色のエステサロンのような品のよい美しさで、着替え室はラグジュアリーな雰囲気さえあった。
スタッフも女性のみだし、男性の医療脱毛もしているらしいが、脱毛ルームは完全に女性ウケを狙っている。

当日はタンクトップかキャミ一枚になってもらうと言われていたため、今日は脱ぎやすいようにTシャツにスカートを合わせた。
下はそのままでいいと言われたからだ。

 
ベッドに仰向けで横になると、タオルをかけてもらった。
クーラーのきいた部屋で肌心地の良いタオルを身にまとうと心地よくて眠気を誘われる。

 
目にピタッとゴーグルをつけられた。
ヒヤッとして、異物感に違和感がある。
そういえば三年前もこんなものをつけた。こそばゆい。
目を無駄にしぱしぱとさせてしまう。

 
腕と脇にマーカーでラインをつけ、シュボッシュボッと音を立てて何やらが私の腕や脇に光を放ちながら当たる。
軽いしびれのような痛みが音と共に伝わる。
そうだった、三年前もこうだった。

 
前回、赤みが出たことがあったので出力を一番下にしてもらったが、今回も弱めでお願いした。
前回弱くても十分に効果はあったし、コースはいらないくらいのレベルだった。
腕も弱くても効果はあると思ったのだ。

 
仰向けに寝たまま、腕の角度や位置を変えたり、万歳の格好をし、念入りに当てていった。
まず最初は右脇、右腕(ひじ下→ひじ上)を行い
次は左手にうつった。

 
…微妙に、痛い。

そう感じたのはひじ上を行ってもらった時だった。
ひじ上は内側も外側も痛かった。

 
ゴーグルをつけ、目を閉じているため、何が何だか分からない状態だが
鈍い痛みが二の腕にあった。

 
担当の方の話だとやはり赤くなっていたらしい。
脱毛自体は足の時と同じように30分程度だったが
タオルで腕を念入りに冷やし、軟膏を塗る時間が更に30分かかった。
部位のせいか、足より時間がかかった。 

 
「だいぶ赤みがとれてきたから大丈夫だと思いますが、軟膏を出しますか?」

そう言われ、軟膏をもらうことにした。

 
ゴーグルを外され、着替えを促され、ようやく私は自分の腕を見た。
私はギョッとした。

私の両腕は内側も外側も想像以上に赤い斑点だらけだったからだ。

肌が白いため、写真以上に生はグロテスクな悪目立ちをしており、泣きたくなった。
これで冷やして赤みがとれたとは。私がゴーグルをつけている間はどれだけ赤かったのか。
これくらいの反応は普通なのだろうか。

 
 
お会計時、他の人は金額を口頭で言われていたが、私は「こちらです。」と請求書を見せられた。
金額が金額だからだろう。

大雑把に計算した時、15万円くらいだろうなぁと思いつつ、念のため医療脱毛費として20万円封筒に入れておいたが
会計が約19万円でビックリした。
そうか、消費税が17000円かかるのか。

20万円用意しておいてよかった。

(まぁ私は現金主義なので、財布にお金はまだ入っていたが)

  

私の約一ヶ月分の給料だ。

決して安くはないが、毛の処理の手間や見た目や匂いや快適さを考えたら
私の30代最後のやるべきこととして悔いのない選択だと思う。

もしも6回コースの途中で腕や脇が効果てきめんだったら他の部位をやってくれるようなので、その時はついでに別部位も頼んでしまおう。

 
 
病院会計から一時間後、腕の赤みはほとんどとれていたのでよかった。

 
次回は6週間後。

 
ちょうどその頃バセドウ病の通院日で早退なので、その日に医療脱毛2回目もしようと思う。

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