いたいのいたいのとんでいけ
利用者Aさんがふざけて私の腕に爪を立てた。
薄皮がむけて、皮膚が赤くなる。
Aさんは笑う。
まるでネコがじゃれるように
甘えて私を抱きしめて
かと思えば爪を立てて笑う。
その様子を見た利用者Bさんは
私の腕を無言で撫でた。
何度も何度も繰り返し撫でた。
そしてその腕をポイッとした。
おそらく「いたいのいたいのとんでいけ」だろう。
Bさんは再び何度も腕を撫でる。
優しいなぁ……
と、思ったのも束の間
同僚がポツリと言う。
「Bさん、今、ゴミ集めしてる最中で手を洗ってないですよ…。」
うぉい!
慌てて腕を洗う私。
Bさんはニコニコしていた。
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