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大宮盆栽だー!!(ご当地サイダー)

春夏秋冬の中で炭酸を一番欲するのは夏である。

ここ最近は毎年のように酷暑であり
夏は関東でも最高気温38度の日を記録し
5月や9月でも最高気温30度の日がある。

 
大人になってから炭酸を欲するようになったのは
味覚の変化ではなく
夏の気温の変化による影響が大きいだろう。

普段は水やお茶中心に飲んで過ごす私も
ここ最近は炭酸を好んで飲む日が増えた。

 
 
先日、埼玉県大宮市にある大宮盆栽美術館に行ってきた。
30代になってから盆栽鑑賞が趣味の一つであるが
大宮市が盆栽の町と知ったのは今年になってからだ。

 
行く前に大宮盆栽美術館について調べていると
そこで「大宮盆栽だー!!」というネーミングのご当地サイダーが販売されていることを知った。

ネットで見て、そのダジャレのようなネーミングにクスリと笑いつつ
お土産に絶対に買おうと決めた。

 
私が大宮盆栽美術館に行ったのは6月だったが
最高気温30度という暑い日であった。
今年は梅雨が例年より遅れており、梅雨を通り越して夏に向かっているような晴れの日が続いた。

 
駅から徒歩で美術館に向かったのだが、ダラリと汗が流れた。
美術館内はクーラーで涼しかったが
盆栽美術館のため、室内展示よりも野外での盆栽展示がメインであり
盆栽鑑賞に夢中になっている間に背中にまで汗をかいてきた。

 
盆栽美術館でお土産を見ていると、近くに住む高校生とおぼしき制服男子が二人「冷えている盆栽だー!!ください。」と会計していた。
どうやら美術館に入らなくても買い物は楽しめるらしい。

日陰に自転車を停め、彼らは座りながら盆栽だー!!をグビッと飲んでいた。
汗だらけの彼らが飲む盆栽だー!!は実に美味しそうだった。
学校帰りか部活帰りだろうか。
彼らは学校の話をしながら、盆栽だー!!を飲みながら談笑していた。
地元の学生にとって盆栽だー!!は青春の味なのかもしれない。

 
 
私は常温で大宮盆栽だー!!を買った後
ランチを食べるためにお店に寄った。

盆栽レストラン大宮は美術館から徒歩1分の場所にある。
ここでは盆栽カレーと盆栽だー!!を楽しめる。

 
汗だらけの私はクーラーで涼しく冷えたお店で盆栽カレーを勢いよく頬張った。
美味しかった。
体が熱くなり、別の汗をかいたが
カレーのスパイスや香りはどうしてこうも素晴らしいのだろうか。
暑い夏はカレーがやけに恋しくなる。

 
カレーセットについていた盆栽だー!!をコップに注いだ。
グラスの氷がカランと動く。
注がれたサイダーは美しい透明な色で、炭酸独特のシュワシュワとした音を立てながら泡を見せた。
喉がゴクリと鳴る。なんて美味しそうな見た目だろうか。

 
私はグラスを自分の口元へと運んだ。
甘さ控えめなそのサイダーはサッパリとしていながらシュワッと冷たくて、私の喉や体を潤した。
カレーの味が染みたはずの私の胃袋に、今度はサイダーが流れ込む。

カレーとサイダーはこうも相性がいいのか。

私は驚いた。
カレーを食べながらサイダーを飲んだことは人生初だったが
カレーとサイダーはお互いの良さを見事に引き立て合っていた。

 
カレーを食べ、サイダーを飲み、またカレーを食べ、サイダーを飲んだ。

お店を出る時は満腹で胃も心も満たされた。

 
 
 
帰宅後、私はお土産用に買った盆栽だー!!を冷蔵庫で冷やし
仕事終わりのある日の夜、グビッとそのまま飲んだ。

お店ではグラスに注いだし、そういった楽しみ方もいいが
ビン入りの飲み物はそのまま飲むとより美味しい気がする。

 
キンキンに冷えた大宮盆栽だー!!はやはり美味しかった。
仕事で疲れた体に染みた。

 
 
今年の夏、私は何回も炭酸飲料を楽しんだけれど
あの日の大宮盆栽だー!!は格別に美味しかった。

また大宮に遊びに行った時は
大宮盆栽だー!!をお土産に買いたい。
 
 
 


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