#5"痛ましい交通事故を減らすために私たちに何ができるだろうか?"

【提供】乗り物・旅行情報発信サイト「大福」 (※今回の記事は「大福」9/6号にも掲載・投稿しております。合わせてご覧ください)

 2019年4月19日、東京都豊島区東池袋にて飯塚幸三氏の運転によっては母娘2人の尊い命が失われ、飯塚氏含む10名が怪我を負いました。

 令和3年6月27日現在も刑事裁判が行われ、遺族は幾度となく裁判の内外で悲しみや怒り、憎しみといった感情に大きく包まれていることは想像に固くありません。

 モータリゼーションの進展で自動車に触れない日はない私たちに、この事件はどのような影響を与えるでしょうか?また、事故を減らすために私たちには何ができるでしょうか?

痛ましい事故の先に見えたものは

 この痛ましい事故の先に我々に見えたのは光だったでしょうか、それとも影だったでしょうか。

 まずは光から。この事故は高齢者ドライバーへの安全喚起や問題提起が行われ、社会問題になりました。この事故が報道されたのち、高齢者による運転が問題視されることが非常に多くなりました。そして、2019年には60万1,022件の自動車免許が自主返納し、うち75歳以上の高齢者は35万428件が自主返納をし過去最高の値となりました

 今日は高齢者による痛ましい事故が取り立たされ、それに伴い高齢者の代替交通の確保などと言った行政面での課題まで浮き彫りになりました。それにより、高齢者の脱自動車化に関する政策や意見交流が活発になりました。

 そして影の部分。事故によって被害者ばかりが苦しみ、加害者に対して被害者側から満足と言える処分が下せない現実が浮き彫りとなりました。被害者としては裁判が長く続くことは、事故や亡くなってしまった大事な人と向き合わなければならない苦しい時間が続くこととなります。自分のこととしたら言葉で表せないほど苦しく悲しいだろうと思うばかりです。

 加えて、70歳以上の被告が有罪判決を受けても刑務所へ収監されないケースがあることも社会へ浸透しました。このような痛ましい事故を引き起こし、「私は悪くない」と反省の意を示さない加害者が罪を償わなくて良いのか、非常に問題が残ります。

いま私たちにできること

 この状況で、現役世代の私たちが出来ることは何でしょうか。

 ひとりひとりの力は小さいですが、その一人一人の小さな意識が大きな事故を減らす要因になると思います。家族と一緒に自動車や免許、事故について考えるきっかけを作りましょう。もしご高齢で運転をされている肩が家族でいらっしゃれば、「私はまだ大丈夫」という高齢者が痛ましい事故を起こす前に話し合い説得できればと思います。

 また、交通事故を減らす取り組みをされている方の署名などの活動への協力や、選挙時に交通安全にまつわる公約を掲げている候補者への投票などもできることの一つです。

 みなさんで痛ましい事故を減らしていけるような取り組みや仕組みづくりを一丸となって目指していきましょう。


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