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片手間でやっているSaaS商品が早くもキャッシュフローポジティブになった話

シリコンバレーでソロプレナー(独り起業)している田中です。独立してかれれ7年になります。これは少し前に書いてたくさんの♡を頂いた「シリコンバレーエンジニアが独りで有料SaaSをローンチして法人化するまでの話」の続報です。

自分が使うので作ってしまって他人にも有料で公開したら、このサービスを多くの人が愛してくれています。その後、マーケティング担当のオマールと法人化しました。

まだ私とオマールは別に収入があり手弁当でやっていますが、会計士など法人を運営する費用やサーバー代を引いてもお釣りが来るようになりました。オマールと私は、週に数時間、趣味程度の努力で動かしています。小さいし、マイペースな成長ですが、この事業、外部資金無しで既にデフォルト・アライブなんです!

デフォルト・アライブとはポール・グレアムの言葉です。DeepLで和訳させてみます。

起業して8、9カ月以上経った新興企業と話すとき、まず知りたいことはほとんどいつも同じだ。経費が一定で、収益の伸びもここ数カ月と同じだと仮定して、残された資金で黒字化できるのか?あるいは、もっと大げさに言えば、デフォルトで生きるか死ぬか?

もちろん、オーナーのオマールと私に意味のある収入を生み出すのが次の目標ですが、とりあえず死なないというのは達成感があります。ここからはアップサイドに集中できる。

たった一人の事業で何億円もの年間売上を上げている人がぞくぞくと誕生している

一人で何億円も売り上げるビジネスを作れる素晴らしい世の中になりました。

たとえばジャスティン・ウェルシュ。もともと彼はテックスタートアップ最高幹部でしたが、ストレスの多い仕事で2018年にパニック障害に襲われたのを機にキャリアを転向。一人で事業を始めました。個人がリンクトインで自分のブランドを築き、収益を得る手法をまとめたコースが大ヒットして、去年の彼の売上は2.7億円、今年は3億を超えるようです。一人でやっているのでその殆どが利益。

Justin Welsh

エンジニアも負けてはいません。最近私が気になっているのはインディーハッカーと呼ばれる人たちです。文字通りインディーなオンライン商品やSaaSを一人でコードを書いて立ち上げ、一人で何千万円、何億円と稼いだりその事業を売却したエンジニアが続々と誕生しているのです。

例えば私のオムニクリエーターのホームページでも使っているテスティモニアル testimonial.to はお客様の声を効率よく集めて自社ページに埋め込む便利なサービス。これはデイモン・チェンという元シスコのエンジニアが子育てに専念するために独立して、一人で作ったサービスで、最近年間売上が1ミリオンドルペースに成長したようです。

こういった事業を売り買いするマーケットも誕生しています。例えば、アクワイアドットコム acquire.com です。

事業売却というと大きなことに聞こえますが、インドのエンジニアが一人でサービスを作り、アメリカの個人に数百万円で売却という非常に小さな案件も上のサイトでは可能です。

先程、紹介したデイモン・チェンはテスティモニアルの成功後、このサイトでAIを使ってPDFドキュメントからAIで情報を引き出すサービスを2万ドル(約300万円)で買収しました。それをpdf.aiというドメインネームに変更したのが大ヒットしました。今では買収元の海外エンジニアを雇って製品の改善に勤めているようです。

エンジニアは起業マインドでサービスを立ち上げてみよう

もちろん、成功は簡単ではありません。大事なのは失敗しても大きく転ばない手法が可能な良い世の中になったということです。

グーグルシートのマクロだけで大きな収益を得ている人もいるくらいです。

エンジニアでなくても、オンライン教習コンテンツを作って稼いでいる人もいます。

自分が作って役立ったアプリ、ウェブサービス、教材を有料で公開してみる。

最初から大きな期待をもたずに、とにかく小さな商品を、経費を最小に抑えて世の中にだしてみましょう。私のとったアプローチはこちらの記事でシェアしておきました。

その体験から得られる学びが大きいことだけは保証します!

以上です。もし面白かったら、♡ボタンを押していただけると励みになります!

筆者について

田中乃悟です。米国大学院で博士号をとり、石油企業などを渡り歩いていました。前職で草創期から勤めていたシリコンバレースタートアップが317ミリオンドル(当時の為替レートで365億円)で買収されました。今ではソロプレナー(独り起業)しています。独立してかれこれ7年になります。
リンクトイン: https://linkedin.com/in/daigotanaka

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