見出し画像

ラービーのB級風刺映画 解説

壁を、壊す力はどこから来る? 「約束のネバーランド」

画像1

0. この作品の監督について:


この作品の監督は、平川雄一朗である。
監督の作品には他に、下の4つがある
・死別した恋人との思い出を思い出しながら立ち直る青年の姿から、人間の変化・可能性を表現する映画 『世界の中心で、愛をさけぶ』
・未開の別世界の中で、時代の転換期の被害者を救おうと奮闘する医師の姿から、人間の変化・可能性を表現する映画 『JIN 仁』
・根性なし・才能無しのだめ人間が宮内庁の重役にのし上がるまでの姿から、人間の変化・可能性を表現する映画 『天皇の料理番』

上から、監督は主に人間の変化・可能性を表現したいのだと考えられる。

1. 映画『約束のネバーランド』の主人公:


エマ
[主人公の顔写真]

画像2

(意味が変われば改行)
社会的地位:
 近未来に生まれ、孤児院に引き取られた。
年齢:
 話の始まりの時、11歳。
世話好きで、年下の子たちと遊ぶのが大好きである。
話の始まりまで、どんな生活をしていたか:
 テストでフルスコアをたたき出すほどの秀才であるが、楽天的であり危機感とは無縁の生活をしていた。

2. 映画『約束のネバーランド』の副主人公:


マム・イザベラ
[No.2主人公の顔写真]

画像3

(意味が変われば改行)
社会的地位:
 食用人間として、孤児院で育てられた。
しかし、頭の良さと強靱な体力を買われ、ママとして孤児院(実態は食用人間牧場)の管理人に登用される。
年齢:
 話の始まりの時、31歳。
話の始まりまで、どんな生活をしていたか:
 幼少期現実を知り、牧場を逃げ出そうとするも、相手の計画のあまりの完璧さ・冷たさに怖くなり断念した。過去の、殺された孤児院内の友達のかわりに、自分はママになって生き残ろうと決めたようである。

3. 主人公を中心としたあらすじ:


 友達が食用肉として出荷されるところを目撃した主人公は、「素直なだけの人間は利用される」ことに気づき、これまで持たなかった勇気と狡猾さをもち、他の子を連れて孤児院を逃げ出すため行動する。
副主人公は、自分が出荷に失敗し、責任をとらされて自分が殺されることに危機感を覚え、主人公の行動を頭脳戦で防ごうとする。

 はじめは自分の狡猾さが未熟だったため、主人公は副主人公の頭脳戦に負けてしまう。
副主人公は悔しさと哀しさから脱力する主人公に、絶望から救われるためには諦めるしかないと諭した。

 その後、主人公は自分より狡猾さに長けた仲間を得、副主人公にリベンジした。

4.二つの感想:


・副主人公の、「自分は世の中の非情さ・反抗の無駄さを理解している」という思い込みの深さ。
この悲惨を無理矢理隠そうとする「幸福な一生じゃない? 暖かなお家で、おいしいご飯と愛情いっぱい、飢えも寒さも真実も知らず、満たされた気持ちで死んでいく。いったいそれのどこが不幸だというの?」という副主人公の台詞が、とてもブラックコメディ的だ。
私は昔、自分は絶対にモテないタイプだと自覚していた。一生童貞かもしれない。いや、その可能性が高い!この悲惨さを無理矢理隠すために、私はしばしば下ネタを吹聴した。これもブラックコメディだろうか?

画像4


・主人公のもともとの、危機感のない楽観的な生き方。
これと、「今の自分ではいけない」という気づきを感じさせる「ゴメン! 私、分かってなかった!」という主人公の台詞が、自分と重なるところもあり好きだ。
過去の私は、将来お金を稼ぐことを甘く見ていた上、モテる方法しか考えていなかった。本当にそのためのことしかしなかった。まさに「女のケツばっか追いかける馬鹿野郎」とは、私のことだったのだ。就活を始めてから、世の中の厳しさに気づいた。「今の自分ではいけない」と思った私は、エマかもしれない。え、違う?

画像5


5. 映画好き仲間は、どう思ったか:


 映画好き仲間Aは、『約束のネバーランド』が次を、観る人に訴えていると感じたらしい。
「自分の生活や人生を守っていくのは自分だ」
私はこの考えに、賛成である。私は、この作品の中で重要なシーンを、主人公が現実を見、「素直なだけの人間は利用される」事に気づいた場面だと思うからである。

 映画好き仲間Bは、『約束のネバーランド』が次を、観る人に訴えていると感じたらしい。
「仲間を思う一途な心は、重要である」
私はこの考えに、賛成である。私は、この作品の中で重要なシーンを、一人なら簡単に逃げられるはずなのに仲間を救おうとした、主人公の私欲のなさの場面だと思うからである。

 映画好き仲間Cは、『約束のネバーランド』が次を、観る人に訴えていると感じたらしい。
「人の心は、不変ではない」
私はこの考えに、賛成である。私は、この作品の中で重要なシーンを、副主人公の「世の中は非情で、抵抗は無駄」という思い込みが解凍されてゆく場面だと思うからである。

#映画
#評価
#感想
#あらすじ


「充電してくれたら、もっと楽しませてあげてもいいわ」 ツンデレちゃんが、しょげています。 ブラックコーヒーをおごってあげてください 頂いたお金は、新しい事への挑戦に使います。 受けた恩は、新しい事への挑戦の報告・より面白い記事でお返し致します